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小説(笑)を掲載しています。良かったら見ていってください。

「くそっ…、何だ急にッ!?」

上谷のPMCの画面には『full synchronize』という文字が表示され、後ろで何かのゲージが減っていっている。

「ミ、ミラーマン…」

「…、斬るッ」

言葉とともに攻撃が始まった。すると、カスタムデータもないのに両手をソードに変えてプラズマンに突っ込んでいく。プラズマンもすぐに態勢を整えると右手を電気で包んで向かってきたミラーマンのマーク部分を狙って斬りつけようとする。しかし、すこし前で右足に力を入れてジャンプすると、回転しながら電気に包まれた右手の上を通過して着地すると、すぐにプラズマンの方向を向いて足を斬る。

ズバァッ‼ 右足がただのデータの固まりとなって電脳世界の床に転がる。右足の付け根からデータがどんどん上のほうへ舞い上がっているのが画面からもわかる。

「あああァァァァァァァァッ‼」

叫び声をあげて、右足を切り取られた付け根を抑えて転がる。しかし、オペレーターの客は画面の見て、

「いいぞ、プラズマン。今楽にしてやるよォ」

何かPMCにカスタムチップらしきものを差し込む。すると、

「ぐァァ…、ウアアアァァァァァァァァッ‼」

プラズマンが叫び声をあげたかと思いきや、黒いオーラに包まれて中に浮くと付け根からどす黒いものを噴射させて体の周りに謎の球体を浮かばせて、両手をエレキソードに変えて着地する。

「何をしたッ!?」

客を見て言う。しかし、それに答えたのは客ではない。そして、壮太でもない。答えたのは…、

「『コピーボール』か…、よくできてるものだ」

振り向くと、壮太の横で桐谷が立っている。

「な、何でお前が…」

「さっき来たよ。知り合い?」

「そうだけど…、何で」

「言っただろう? 情報の共有ができると…」

言葉をさえぎるように言うと、バトルマシンに近づき、客のPMCに差し込まれたものを見て、上谷のほうを向いて話し始めた。

「あいつが使ったのは『コピーデータ』というものをAvatarに武装に変換できるように改良を加えられたカスタムチップだ。これは非公式のチップで、一応法律違反だ。ネットワーク法第5条の一部に書かれている、『カスタムチップ特許はすべて科学省にある』…、だな。つまり著作権もかかわってくる」

「へぇ…、それでその『コピーデータ』って言うのは?」

PMCを構えながら質問する。

「Avatarを球体に入れることでデータをすべてコピーできるものだ。今、ネットの掲示板で騒がれている。それで、ミラーマンのデータを奪われると少し厄介でな…」

途中で途切れた。原因はミラーマンの行動にあった。話を聞いていたのか、いつの間にか球体を抱えて武器として活用しているのだ。プラズマンのもとにある球体は残り一個となっていた。

「上谷。今のプラズマンは自分の意思で動いていない。これは俺の推測だが…、プラズマンはおそらく…」

また言葉が途中で途切れた。プラズマンが突撃してきたからだ。ミラーマンは空中にジャンプするとマークの前でチャージをしてキラーアイを発射した。しかし、プラズマンはそれを吸収した。ミラーマンはそれを見て姿勢を変えてプラズマンに突撃しようとした。

ギィィィィィンッ。ものすごい音が響き渡った。電脳の中央で両者のソードが激突する。しかし、ミラーマンがおされている。

「な、何で…ッ!?」

桐谷はおされているミラーマンを見てから上谷が握っているPMCの画面を見て、

「フルシンクロか?」

「そうだけど…、それがどうした?」

「ミラーマンのステータスがいつもの状態に戻りつつある。おそらく、『シンクロタイム』というフルシンクロが続けられる時間を過ぎてしまったのと…、後はお前の心の乱れが原因じゃないか?」

ミラーマンは、力をいれて剣を振り後ろに下がると、

「上谷。よく聞け。俺達はいつでも繋がっている」

「いつでも……?」

すぐに理解した。ミラーマンの言いたいことが。この状態で、一瞬でも隙を見せればDELETEされるかもしれないこの状態で。

「そうだ。俺達はいつでも心を交わしている…。そう、いつだって……、だからッ‼」

カスタムチップを5枚ほど手に持って次々に入れていく。

「ハハハッ、血迷ったか? 一度に5枚もスロットインして電脳世界にいるAvatarの処理能力が追いつくわけねェだろうがッ」

そう、一般のAvatarでは処理が追いつかないのだ。今の技術で一度に送れるデータの容量は『9GB』ほど。カスタムチップは一枚『3GB』と決められているのだ。しかしこれは一般の話。ミラーマンは、特別なのだ。

「俺に、常識は通用しない」

ミラーマンは送られてきた5個のデータを一度に展開すると、すべてを混ぜた。しかし、できたのはバグが発生したデータ、科学者の言う『バグボール』だ。

「何が来るかと思えば…、そんなバグの固まりで何ができるってんだよォ!?」

客は笑った。しかし、壮太と桐谷は何かを察して真剣な表情で画面を見つめる。そして、始まった。

プラズマンが動き始めた。残り一個のボールを電気で包み、自分の体の周りを回転させるように指示を出すと、目を赤く光らして、ミラーマンに電撃のビームをはなつ。ミラーマンはその瞬間に走り始めてビームにバグボールを当てて吸収させると空中に飛んでボールにバグボールを吸収させた。バグボールの吸収したコピーボールにバグが発生し、動作プログラムに異常が発生した。プラズマンの周りをまわっていたボールはプラズマンのマーク部分を直撃。マークがわれたAvatarはバグプロテクトというバグをはじくプログラムが破壊されたのと一緒の事だ。バグをどんどん取り込んでいく。あまりのバグの多さに、言語プログラムや動作プログラム、さらには一番重要な『ココロプログラム』を破壊されて肉体が破壊されていった。

「アァ゙ウァ゙オ゙」

バチバチと音を立てながら崩れていった。


その後、客は『GATE』の幹部に取り押さえられその場で逮捕された。先程バトルマシンの電脳で幹部のAvatarが調査をしていたが、何もなかったらしくすぐに行ってしまった。そして、3人は店の倉庫で話をしていた。

「そういえば、さっきの『GATE』って組織は…?」

「知らないの? GATE(ゲート)っていうのは最近できたばかりの、世界初のネットポリスなんだよ。掲示板とかでは『ガテ』って呼ばれてるみたいだけど…、裏で何かやってるとか噂になってるよ」

壮太がのんびりした口調で話す。いつ聞いても緊張感がない喋り方である。

「へぇ…、ネットポリスなんだ…。桐谷はなんか知ってるのか?」

桐谷に話を振ってみた。すると少し笑いながら、

「知ってるの何も…、俺はそこの幹部だ」

数秒、沈黙が続いた。

「お、お前が…」

「か、幹部…」

「信じてくれなくてもいいさ。でもな、その掲示板での噂はどうやら本当らしいな」

喋りながらPMCのケーブルを近くにあったパソコンにつないでデータを展開し始めた。二人はパソコンの近くに寄って画面に注目した。

「借りるぞ。で、これを見てくれ。プラズマンの残骸から拾ったメモリデータを正しくつなぎ合わせたものだ」

「え、でも何もなかったんじゃ…」

「それはシャープマンがすべて拾ったからだな。なくて当然だ」

話を区切ると、キーボードを打ち始めて数字とローマ字が並んだデータを写した。そこには、とんでもないことが書き出されたいた。

「これはプラズマンが行った行動がすべて英数字で残されているものだ。それで、ここを見てくれ」

桐谷が指をさした場所を二人で見ると、壮太は瞬時に何か浮かんだらしく、

「これって…」

「分かったようだな。これはどこかと通信をした時にでる英数字だ。それで、さっき複雑だった暗号をすべて解読してな。どこと通信を行ったかが分かったんだ。で、そこは…」

区切るということは大事なことなのだろうと、推測する。そして、

「GATE本部にある、『総司令室』だ」

「え…、GATEってネットポリスなんだよな…? なのにどうして…」

「それはわからん。でも、これは客とGATEが通信を行った証拠だから…、政府に提出すればどうにかなるかもな…。今はこれだけだ。それじゃ」

そういうと、桐谷は店の裏口からどこかに行ってしまった。

「上谷? どうする?」

「…、とりあえず今日は帰るよ。それに、俺達には何もできないだろうし…」

「そうだねぇ。俺は今日掲示板を見ていろいろ調べてみるよ。噂になってることを見てみたいしね」


先程風呂に入り、ベットに転がる。時刻は午後10時を回ろうとしている。

「ミラーマン。お前、GATEについてちょっと知りたいと思わないか?」

「思うけど…、俺はシャープマンと常に情報を共有しているから俺達が何をしているか、すべてあっちに分かっちまうってところがなぁ…」

シャープマンとミラーマンはシンクロしており、常に情報共有をしている。ミラーマンはあまりシャープマンから送られてくるデータを見ないがシャープマンはこまめにチェックしているらしく、こちらが怪しい行動を取ればすぐに止めに入ると送られてきたらしい。そのため、裏に行くのは難しいのである。

「んー…」

しばらく考え込む。そして、ある人物が頭に浮かんだ。

「あっ、あいつなら…。明日話してみよう」

PMCを充電台にセットして、電気を消して布団をかぶった。午後10時5分のことだ。


あとがき

新年、あけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします。

先週は、Custom Computerの更新を止めてしまって申し訳ありませんでした。やはり、年末年始は忙しかったです。今度からは、更新しない週には最新話のコメント欄に書かせていただこうかと思います。

それでは、また次回の話を楽しみにしていてください。

科学省前通りにあるカフェの店内。中は冷房が効いており快適で、席に座りくつろぐ二人。

「ところで、お前頼みすぎじゃないかな…」

「お前に気を使っているだけだ」

先程、メニューを見て注文をしていたのだが、追加が多くてお金の心配をし始めている。しかも、上谷にとってはわけのわからない言葉を早口で言うのだ。

(こいつ、宇宙人ッ…?)

机の上にはぎっしりといろいろなものが置かれているが、上谷の分まで約5分でくいつくしたのだ。上谷はたまたま生き残ったジュースをチューチュー吸っている。そして、少し落ち着いたところで、

「でさ、お前のAvatar…」

「お前の以前のAvatarのネームとボディのまんまだったか?」

言おうとしたことを言われて息が詰まる。桐谷はニヤけて、

「図星か。シンクロ理論を適用しているから…」

「シンクロ理論?」

上谷が分からなそうにしているのを見て、ポケットから細長いデータ保存端末を取り出すと、電源を入れてモニターを出して上谷に見せる。

「ここ、読んでみて」

「えーっと…、『Avatarの精神をシンクロさせコンビネーションを可能とする。さらに、データの共有を可能とし、Avatarが得る情報を共有できる』…?」

「これがシンクロ理論。まだ世間では知られてないから黙っててね」

そういうと電源を切り、周りの様子を確認しながらポケットにしまうと、ため息をついて説明に入る。

「簡単に言うと、自分のAvatarと他人のAvatarをシンクロ、つまりデータの共有を可能にする。だから、コンビネーションはおまけみたいなものだ。でも、この理論は一つ心配されることがあるんだ。それは、」

「組織のAvatarとシンクロさせ、情報を盗み取る…、か」

桐谷が言う前に言うと、そのあとどや顔をする。

「正解だけど、どや顔うざいからやめろ」

「でも、それとこれと何か関係あんの?」

少し嫌な調子で尋ねる。すると、普通の顔で、

「先程の資料には書かれていなかったが、これね、ネームとボディの共有も可能なんだよ」

「…、まさか」

「意外と頭の回転速いんだな。フリーズマン。それは『シンクロ理論』の実験台として開発されたAvatar。しかし、もうひとつ秘密があるらしいが、それは知らないな。…、それじゃ」

何か急いで席を立ち、カフェから立ち去ってしまった。上谷はしばらくPMCをながめて茫然としていた。


家に帰ると、PMCをパソコンに接続してミラーマンと話をし始めた。

「…、ミラーマン。お前…」

「…」

黙り続けるミラーマン。上谷は、

「黙ってないでなんとか言えよ。本当なのか? シンクロ理論のこと…」

心配そうに見るが、ミラーマンは上谷を見ようとしない。すると、

「…、あーあ、ばれちゃった。本当はばれないようにってパ…、父親から言われてたんだけどなー」

いきなり開き直り、笑いながら言う。

「開き直ってんじゃねーよ。…、何で言ってくれなかったんだ?」

ミラーマンは、少し真剣な表情をして、

「実はさ…、桐谷の言っていたもう一つの理由。これがばれるんじゃないかと思ってたんだよ。今のお前たちに話すには重すぎるからな…」

「…、そうか。でも俺達ってことは…、桐谷も関係あるのか?」

PMCを立ててミラーマンを見る。ミラーマンは、

「シャープマンもな」

と、少し明るさが戻ったのか、明るい調子で言う。

「あとさ…、今日の旧式ウィ、」

「dreamと旧式ウィルスは全く違うデータを組み合わせて作られている。だから今のままでは旧式は倒せない」

途中で割り込んで答える。上谷はそれを聞いて、

「へー。ためになるなー」

棒読みだ。しかも、PMCを見てニヤけている。

「…、失礼する」

そう言うと、どこかに消えていってしまった。しかし上谷は、

「…、普通が一番だな」

そう言うと、PMCを充電台に設置しなおしてパソコンの電源をきると、部屋の電気を消して布団をかぶり寝た。部屋はPMCの画面の光で少し明るかった。


夕方。上谷は学校帰りの途中で『ブレイバー』という店によっている。壮太の父が経営する店だ。店内はあまり広くないが、品ぞろいはデパートなみだ。主にカスタムチップを売っている。最近は、新しく出た『シンクロレーター』という、オペレーターとAvatarの信頼度を測るものを売っているが、上谷はそんなものには目を付けずに手伝いをしている。

「あのさ、俺まだ帰り途中なんだけど…」

上谷がダンボールを持ってフラフラ歩きながら壮太に言う。

「お父さんが出張に行ってて大変なんだよ。ちょっとぐらい手伝ってくれてもいいでしょ? あ、あとそうやってフラフラ歩くのやめてくんない? それに、話していることじたいが…」

「わかったよ」

長くなりそうなので途中で止めさせると、ダンボールをカウンターの後ろ側において、今度は中からレジに置く用の『シンクロレーター』を設置する。

(ちょっとシンクロって言葉が突っかかるな…。でも、こんな小さい機械でどうやって信頼度を計測するってんだよ)

こんなことを思いつつ、次の作業へ移ろうとすると、

「店員さーん。ちょっとゲートバトルにつきあってよー」

小さい子供一人が上谷に少し大きめな声で言う。そこへ、近くにいた壮太が近づき、

「店の中で大きな声をだすのはNGね。上谷。ちょっといいかな?」

またもや仕事が増えた。上谷はばれないように後ろを向いて、ため息をつくとゆっくりとバトルマシンへ行く。

「早くッ!」

困った子だ、と心の中だけで言うと、PMCを接続する…、が、その瞬間。

「コラァッ! 何でオレのPMCを勝手に使うんだぁぁぁぁ」

ものすごい大きな声を出しながら店に入ると、子供を頭を殴る。子供はうずくまって動かなくなった。もちろん、これは迷惑行為になる。壮太も言おうとするが、その前に上谷が突っ込みをいれる。

「ちょ、大丈夫なのかッ!? それと、そんな大きな声出さないでほしいんだけど。迷惑なんすよ」

あきれた顔をで言う。壮太は逆に心配になる。

(何で客にそんな言葉づかいすんだよー…)

こんなことを思ってレジでため息をつく。しかし、その男は

「あー、ごめんね。でもね、このPMCは俺のだからさ。…、いつまでうずくまってんだ。わかったら帰ってろ」

丁寧に謝ると、急に態度が変わり子供に強い口調をはなつ。子供はしょんぼりしながらどこかへ去って行ってしまった。

(忙しい奴だな)

ミラーマンがPMC内部で笑いながら思う。

「さて、で、何でこんなもんに接続されてんだよ」

こんもんとは、おそらくバトルマシンのことだ、と思うと

「じつ…」

「…、もしかしてカイがバトルしようとか言ったか?」

「え、はい、そうなんですけど…」

困った感じに言う。ミラーマンはPMCのなかでゲラゲラと笑っている。

「ハハッ、ワロス」

つい声に出してしまった。これが相手に聞こえてしまったのか。客は、

「ッ。笑いやがったな…。おい、今すぐAvatarをこのマシンに送れよ…」

上谷が「へ?」、という顔で客を見る。

「早くしろよォォォォォオ」

「は、はいーッ」

急いでAvatarを送る。画面には2体のAvatarが映し出されるが、客のAvatar。上谷と壮太には見覚えがあった。

「プラズマン…?」

「? ほう、俺のコピーと戦ったのか…」

プラズマンの言葉の後に、客が説明を入れる。

「言っておくが、あの事件に俺は関係してない。あそこにいたプラズマンは誰かに勝手にコピーされただけだ。…、それとそのコピーはどうした?」

「あぁ、あれなら頭の内部を丸出しにさせてDELETEしましたよ」

壮太が笑いながら客に言う。すると、客は何故か怒り出す。

「カーッ、俺のAvatarのことを馬鹿にしやがってーッ、本物の力をみせてやるゥゥゥゥウ」

すると、いきなりプラズマンが手からサンダーボールを打ってくる。ミラーマンはそれを見ると、鏡をだして吸収させる。

「吸収…?」

「そのうちわかるさ」

鏡を周りにだしながらプラズマンの腹に突っ込む。その間にプラズマンはどんどん電気を出していくが、それを見事にかわして腹にバスターをくっつけて連射する。しかし、

「カスタムチップ ミガワリ」

ボフンという音とともに人形が出ると、上空から手裏剣が2つ飛んでくる。ひとつはかわして、もう一つは手で受け止めて、一回転してからプラズマンに投げつける。自らの電気を加えすぎたせいか、上空で消えていくが、まだデータは残っている。尖ったデータがプラズマンを襲う。プラズマンはそれを見ると、電磁バリアをはってすべて防いだ。

「守ったか…」

「いや、よく見ろ。あれは、防いだだけじゃなくて…」

バリアに当たったデータがどんどん周りに密着していっている。そして、すべてつけた状態で、両手からエレキソードをだしてミラーマンに突っ込む。かわそうとするが、左手のエレキソードは地面のデータを砕いて、右手のエレキソードが一発当たってしまった。

「クッ!」

その瞬間に鏡を展開させて、鏡に向かってキラーアイをはなつ。鏡はそれを次の鏡へとどんどん反射させて、最後にはプラズマンまで持っていくようにつないでいく。しかし、プラズマンは自分の近くの鏡を割って、欠片をバリアに吸収させる。そして、さらにエレキソードの威力をあげて、途中でキラーアイをエレキソードを縦に振って途切れさせるとミラーマンに目の前に迫っていくが、瞬時に上空に飛んで、手首についているチェーンを伸ばすと、頭の上で回して、プラズマンに投げつける。

ビュンッ。見事にプラズマンのバリアを砕けさせて、体を締め付ける。そして、それを見た上谷が、

「カスタムチップ エレメンタルソード スロットイン!」

カスタムチップをPMCにさしこむ。すると、ミラーマンの左手がソードになり、ミラーマンは上空で後ろにソニックブームを発射させ、プラズマンの目の前へ勢いよく迫るとエレメントソードで4連続で斬りつけた。その衝撃でプラズマンは地面に叩きつけられる。

「アァァァァアッ‼」

ミラーマンは上空でソニックブームをどんどん連射する。そして、最後には本命の4色の『エレメントソニック』をはなつ。勢いよくプラズマンに向かって行く衝撃波は直撃すると、プラズマンの体のところで止まり。何発も攻撃を当たりようにさせる。

「アアァ、ガァァアアッ‼」

絶叫がバトルマシンとPMCから聞こえる。壮太は口をポカーンとあけて茫然としている。しかし、客は感情を出さないのか、それとも何も思ってないのかもわからない表情で画面をじっと見ている。

ソードが消滅すると、電磁波を足に発生させてゆっくりと地面に着地する。ミラーマンは煙をじっと見ている。

「やったか?」

上谷は倒した気になっている。が、この言葉を聞いた壮太は

「ちょ、 その発言はしないほうがよかった」

と、ネタ発言をする。ミラーマンは上谷のはなった言葉に反応してさらに緊張を高めて、煙を見る。すると、煙から先程自分が出したチェーンが飛んでくると、ミラーマンの体を巻いて、煙の中へ連れ込む。

「ッ!?」

すると、煙が晴れてミラーマンがバリアの中へ閉じ込められているのが映し出される。

「ハハッ。dreamショックゥウ‼」

上谷は一瞬理解できなかったが、すぐに分かった。せまいバリアの中にノイズが発生して、ミラーマンに直接dreamの攻撃力をそのままに持ったショックを発生させるためにチャージをし始める。ミラーマンもチェーンを外そうともがくが、チャージの速度が速すぎるため、間に合わずにショックを喰らってしまった。

「ァァァアアアアアッ」

絶叫が店に響く。上谷は思わず客を見て、

「これって…前俺のPMCに発生していたノイズ? もしかして、お前がッ…」

「やっと気付いたか? オセェんだよ。そもそもプラズマンのコピーってところで疑うべきなんだよォ。今のご時世、コピーAvatarはできないようになってんだからよォ」

そのあとに大きく笑う。上谷は舌打ちをすると、PMCに意識を集中させる。客はそれを見て、何か危険を感じたのか。上谷の邪魔をしようとするが、壮太はそれを見ていなかったわけではない。足に蹴りを入れて、転ばせると、背中に足をのせて動けないようにする。

「ごめんね。今の全部録音させてもらったわ。それと、通報もしておいてネットにも情報ばらまいたからそのうちこの電脳にAvatarが集まってプラズマンはそのAvatarによって抑えられると思うな」

「ガキのくせに、生意気なことしやがってェェェエエエエエエ」

わめく化客。しかし、上谷はそれを気にせず何かをしようとしている。

(Avatar同士のシンクロができるなら、人間とAvatarのシンクロだって…)

しばらく意識を集中させていると、画面に何かが表示された。

『full synchronize(フルシンクロ)』

すると、ミラーマンの体が急に光り出して、チェーンを無理やり砕くと、次にはバリア、ノイズまでも破壊してプラズマンの目の前まで迫る。すると、指で触れただけでプラズマンをふっ飛ばす。思わず客も驚きを隠せずもがく。壮太は、ミラーマンを見て、客を足を縛って立たせないようにすると、レジからシンクロレーターを持ちだしてバトルマシンへ接続すると、そこにはとんでもない数字が出る。

「信頼度…『?』。どういうことだ?」

しかし、代わりに画面のすみに別の言葉が出ている。壮太はゆっくりとその言葉を読み上げる。

「『シンクロ率100%』…、これって信頼度をはかるものなんじゃ…」

戸惑いながらも、シンクロレーターをマシンに取りつけたまま、画面を見る。上谷は自分が思っていたことが本当にできて驚いている。ミラーマンはゆっくりと右手を前に出してプラズマンを指さして言う。

「3分だ。これで終わりにしてやる」

プラズマンは危機感を覚えた。




お詫び

どうも。もふです。毎週、当ブログを観覧していただきありがとうございます。今後ともこの作品を見守っていただければと思っています。

さて、今回は一つ、お詫びしなければならないことがあります。先週日曜日。『Custom Computer』の更新をせずに放置してしまったことをおわび申し上げます。理由としては、先週は大変忙しい事になってしまって更新する余裕がなかった、これだけです。本当に申し訳ありません。

では、またCustom Computerを読んでもらえることを祈りつつ、今回はこれで失礼させていただきます。これからも『Custom Computer』をよろしくお願いいたします。

それと、そのうち双子とか精神データ関連が多くなるかも。


月日が流れるのは早いものだ。6月下旬。ここ最近、気温がぐんと上がり暑い日々が続いている。今年の夏は去年の夏より最高温度が3度も違う可能性有りとニュースで出されている。このせいで部屋でクーラーをつけてゴロゴロしている若者が急増中とのことも。上谷も、休日だからと言って部屋でクーラーをつけてごろごろしている。

「んー、やっぱりクーラーが効いた部屋は最高だねぇ」

ベットにPMCが転がっている。のんびりした口調でミラーマンに投げかける。ミラーマンは、

「節電しろよ。それに、体に良くないぞ」

環境の事を気にしている。そして、上谷の体の事も気を使って言っている。周りから見れば優しいAvatarなのだが、普段のミラーマンをしっている上谷はそれを聞くたびにイライラしているようだ。そんなことを知らないミラーマンはさらに付け足して言う。

「お前みたいな野郎がいるから今大変な、」

「だーっ、っるさいなぁ…、ん? メールだ。何で教えてくれないんだよ」

「趣味」

少し頭にくるが、争っても仕方がないので、いつも通りスルーしてメールを確認する。曾根田からのメールだった。少し面倒くさそうに展開すると、面倒くさそうに声をだして言い始める。

「えーっと…、『今から壮太と一緒に「科学省前通り」に来て。ちょっと気になることがあるの』…、だって」

「……、い、いいんじゃないか?」

態度が一変して少し戸惑いを隠せてないが、上谷はそんなことも気付かずに壮太にこの事をメールを送り、準備をし始めた。

「外は暑いんだろうな~」


壮太と上谷は、曾根田の言っていた『科学省前通り』に来た。相変わらず人混みがすごく、暑さをジワジワ感じる。あたりには店が何件も並んでおり、行列ができている店も数多い。

「あっちー…、どこ行けばいんだよ…」

汗を流しながらフラフラ歩く上谷と壮太。

「ここだよー」

声が聞こえたほうへ目の向けると、スタジアムの前に曾根田が立っていて、手を振っている。壮太と上谷は歩いてスタジアム前に行く。

「お待たせ…」

「うわっ、すごい汗。早く中入ろうか」

曾根田が二人に気を使って背中を押しながら中に入る。

「あー、涼しいー」

スタジアムの中は冷房が効いており、快適に過ごせる。人混みの中、周りをきょろきょろ見ていると曾根田が対戦表の前にいるので近くに行く。

「次、もう決勝戦なんだけど…」

「え、もう決勝戦? 何で俺達呼んだし」

すると、少し強気の口調で、

「呼んだのはちゃんと理由があるのッ‼ それで、ここ見て」

曾根田が指さした場所を二人でまじまじ見ると、そこには思わぬ名前が出ている。

「…、桐谷 宗助&…、え? フ、フリーズマン…」

思わずPMCを取り出してミラーマンに注目するが、ミラーマンは聞いていたのか聞いていなかったのかわからないような態勢でのんびりした顔をしている。

「おい、聞いてたか?」

「んー? あー、フリーズマン? でも、俺いま『ミラーマン』だしー」

面倒くさそうな顔をしながら言ってきた。

(やっぱり、このコンビは面倒くさがり屋なのね)

曽根田が心の中だけでつぶやき、苦笑いをする。すると、壮太がのんびりした顔で話に加わってくる。

「Avatarのネームはネットを通じてPMCの管理会社に送られて保存されるんだよ。それで、そこから世界各地に電波をだして、PMCにネーム情報を送信して同じネームのAvatarが出るのを防止してるんだよ。だからネームを保存してるときは時間がかかってるでしょ?」

すると、ミラーマンは少し顔色を変える。上谷はそれを見て不自然に思ったのか。ミラーマンに嫌な口調で喋りはじめた。

「お前、そういえば最近誰かと通信しているようなそぶり見せてるよなー…。もしかして、それと関係あるんじゃないのー?」

「…、そんなことない」

一言言うと、ミラーマンは奥のほうへ歩いて行ってしまう。それを見た上谷がニヤニヤ笑い始めた。

「…、ま、いいわ。とにかく試合を見ましょうよ」

曾根田につられて、壮太と上谷は観客席に向かった。

(まだ、知られちゃいけないんだ)


選手の入場が始まった。3人は片方の選手には目を向けずに桐谷 宗助が出てくるほうの入り口をじっと見ている。

「さてー、お次は『桐谷 宗助』選手の入場だーッ‼」

大きな拍手があたりから聞こえる。それと同時に、桐谷 宗助は出てきた。その姿を見て、上谷は少し変に思った。壮太は、上谷の顔を見て、

「どうしたの?」

「い、いや。なんでもないよ…」

(…、初めてみた気がしない…)

気のせいだろうと心の中だけで結論付けて、肝心の試合のほうへ集中する。

「さて、両者Avatarのゲートインを完了させてようだ」

司会の言葉とともにモニターにAvatarの姿が映し出された。

「!? お、おい。ウソだろ!?」

フリーズマンにそっくり。いや、同じ姿をしている。

「こ、こんなことって…」

「偶然にしてもこれはちょっと変じゃないか…?」

しかし、考える暇など時間はくれない。司会は次々に喋る。

「さて、では始めるぞ。フリーズマンvsグラス、ゲートバトル、オペレーションッ‼」

試合が始まった。しかし、

ドババンッ。わずか5秒。フリーズマンは相手のAvatarをバスター5発で打ち抜いて試合を終わらせた。あたりからはものすごい歓声が聞こえ始める。

「…、やっぱりおかしい。2人は先に帰ってて」

曾根田と壮太に言うと、急いで選手控室にむかった。走っている途中、ミラーマンが、

「お、おい。本当に行くのか…?」

と、何か不安そうに言い始めた。上谷は、

「大丈夫だってっ」

と、急いでいるせいか適当に答えながら走る続ける。ミラーマンは何か別のことで不安に思っていた。



控室の入り口前でしばらく座りこんでいると、桐谷宗助が手をポケットに突っ込み出てきた。

「桐谷宗助だよな?」

(何でそんな強気なんだよ…)

ミラーマンが不安に思っていると、

「そうだが…、君は?」

普通に返事をしてくれた。意外な展開に驚くミラーマン。ミラーマンは、これが原因で言いあいになるのではないかと期待していたが、期待はずれだったのだ。

「上谷大介。ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」

名前を聞いたとたん、相手の顔色が変わった。PMCを取り出して、

「ちょっと待っててね」

と、適当に言うと、後ろを振り返りぶつぶつと何かを言い始めた。

(ちょ、お前あいつが来る確率は0に等しいって…)

(? あー、ごめん。ゲームやりながら適当に計算したからね(笑))

肩を震わせて、PMCをしまうと笑顔でこちらを振り返り、

「な、何かな?」

「あのさ、お前のAvatarって『フリーズマン』だよ…」

途中で廊下を走っていってしまった。なんて失礼な奴だと思いながら、上谷は後を追い始めた。

「あいつ、失礼だよなー」

「オマエモナー」

上谷が黙り込んでしまった。しかし、桐谷は一体どこへ走っているのであろうか。

「お、おい、まだ追ってきてるぞ…」

「大丈夫。手は打ってあるから。右に曲がって」

桐谷はフリーズマンに言われるままに右に曲がる。すると、

「うわっ」

ガゴンッ。下からとげが出てきた。すると、とげの先から電気の戦が出てきて桐谷を閉じ込めてしまった。

「ま、まさかお前の策って…」

「そうです‼ 俺が用意したのはこれなのです。あいつにこれをどうにかしてもらって、それからゆっくりしゃべれば…」

「ふざけんなッ。今すぐゲートインして」

途中で言葉がきれた。あたりを見渡しても、中側からゲートインできるようになっていない。ひざをついて絶望し始めた。上谷が今頃追いつくと、

「えっ、何これ。ネタにしか見えないんだけど」

ばれている。さらに桐谷は絶望する。それを頑張って見ているミラーマンは、

「演技、お上手ですね」

と、丁寧に言うが、桐谷はさらにへこむ。

「おかしーなー、シュミレーションだとちゃんと…」

「どんなシュミレーションしたんだよ…」

呪われそうな声を出す桐谷。上谷は仕方なく外側にある端子にケーブルを差し込む。

「コード1330 ミラーマン ゲートイン!」

(何でこんな奴のために…)

一人でブツブツ言っているミラーマン。気づけばもう電脳へ入り込んでいた。中には何故か旧式のウィルスがいる。

「旧式…?」

すると、フリーズマンが反応して、

「あー、それは」

桐谷が態勢を元に戻して、スピーカー部分を防いでニヤニヤと笑っている。しかし、上谷はそんなことを気にせず真剣に画面を見ている。

「……、旧式ってやばくないか?」

「…、今のAvatarの基本装備やカスタムチップはdreamにだけ対応している…、か。でも旧式なら別に大丈夫なはず…」

ためしに胸にあるマークの目の前で電気をためてビームをはなつ。しかし、

カキキンッ。旧式のウィルスには効かなかった。これを見たフリーズマンは、桐谷に

「ワイヤレスコードだしてよ。俺もゲートインする」

「…、でも、これって」

「こいつらだって同じようなものを普段から持ち歩いているような奴だ」

そう言われると、ズボンのポケットから四角い形をしたものだして、PMCに取りつける。すると、

「コード3070 フリーズマン ゲートイン」

ミラーマンが考え事をしていると、急に横にフリーズマンが現れた。ミラーマンは思わず地面に尻をついてしまった。

「え、何でお前が…」

「そんなの後でいい。今はあの奥にある『yurai.bat(ユライ.バッチ)』が先だよ」

ミラーマンがそれを聞いて「む?」、という顔をして奥をよく見る。すると、奥には数字に囲まれたデータがある。

「…、懐かしいな。でも、この旧式のウィルスどうするんだよ?」

と、親しそうに話し始める二人。上谷はこの会話を聞いてなにがなんやらさっぱりという顔をしている。

「こうする」

ドバンッ。バスターからチャージショットを放った。すると、旧式のウィルスは一瞬でDELETEされてしまった。フリーズマンは奥にあるデータのもとへ走っていき、データを取るとPMCに送りこんで、

「すぐに俺にあてて。そうしたら勝手に『シンクロ』が動くから」

桐谷は言われたとおりに、あてる。すると、電脳の中にいたフリーズマンのからだが数字に包まれて、上空に上がる。

「これは、あの時と同じ…」

上谷がぽつりとつぶやく。すると桐谷が、

「…やはりか」

とはじめから予想していたかのように言い始める。この間に、数字がすべて光の中へ消えて、着地する。そして、光が消えるとそこにはフリーズマンとは別のAvatarがいた。左手にはソードがついている。

『sharpman.exe(シャープマン.エグゼ)、起動しました』

PMCから音声が流れ始める。その後、桐谷が何もなかったかのように上谷が立っているほうを向いて、

「話し、だよな? ここの近くで話そう」

「え、ああ…」

上谷は変に思いながらも、Avatarをゲートアウトさせ、おりを外した。桐谷も経った後にAvatarをゲートアウトさせると、ワイヤレスコードをポケットにしまうと、上谷の前に立ち、歩き始めた。上谷もついていくようにして歩き始めた。


一夜明けて、上谷と曾根田はとある研究施設の最深部にいた。理由は一つ。フリーズマンだ。STYLEを取りこんだ原因で犬の姿になってしまったようで、それを曾根田の知り合いの研究員に見てもらって、今話しているところだ。

「あの…、フリーズマンは?」

上谷が研究員に言う。研究員は、

「今、STYLEを取り除いたからそのうちもとに戻るだろう。それと、あれはSTYLEのバグが原因だと思われる」

バグが原因と、この後も理由をつけずに言っていた。二人は不自然に思ったが、説明後に気にせず帰宅した。家に戻った上谷は、フリーズマンの様子を見るがまだ戻っていない。

「そのうち戻るだってよ。よかったな」

しかし、フリーズマンは上谷を無視して転がっている。しかし、

「今日はもう充電するか。明日には戻ってるはずだよ」

そう言うと、PMCを充電台に置いて、部屋を出ていった。


食事を済ませた上谷は風呂に入って、部屋に戻ってPMCを確認する。すると、メールが入っていた。

「あ、父さんからだ。何だろ…」

早速メールを展開してみると、中に謎のデータが入っている。そこには、『mirai.bat(ミライ.バッチ)』と表示されている。

「何だこれ? まぁ、いいや。えーっと…、『最近家に戻れてないけど、大丈夫か? 1ヶ月後には家に戻れそうだから楽しみにしてろよ、良いお土産買って帰るからな。あと、メールにつけて送ったのものは、フリーズマンがピンチの時に使いなさい』…」

ホーム画面に戻して、フリーズマンの様子を確認するが、まだ戻っていない。ため息をついて、上谷は寝た。

「……、」


上谷が寝てから少し時間がたった。フリーズマンは充電をし終わり、PMCの中をうろついていた。そこで、先程上谷が見ていたメールを見つける。メールをこっそり展開すると、一緒にあった『mirai.bat』に目が行く。

「! …」

この体では、何もできない。仕方なく、ホーム画面へ戻っていく。しかし、その瞬間だ。ところどころでノイズが発生している。そして、ノイズが発生している場所からdreamが10体出てきた。おそらく、コンセント部分から入り込んできたのだろうと推測する。フリーズマンは、上谷に伝えるために吠えるが上谷は起きずに寝言を言っている。

「…、パ…、はい…かー」

くだらないことをうめいている上谷。しかし、今はそれに構っている場合ではない。dreamがすでに、フリーズマンへの攻撃を始めている。必死にかわすがまだ慣れていないのか、何発かくらって、ひるむ。

「‼」

dreamが一斉に飛びかかってきた。もがいて、振り払おうとするが体がうまく動かず、そのまま攻撃を受けてしまう。

ガガンッ。dreamが頭から銃をだして、発砲してきた。頭に当たりそうになるが、ずらしてかわすと、勢いに乗ってdreamを振り払う。たおれたdreamを狙って突っ込むフリーズマン。ぶつかる直前に爪でひっかき、噛み付く。dreamを一体DELETEすることに成功した。しかし、まだdreamは残っている。9体のdreamは何かを始め出した。体を小さな箱に変えて天井に集まり始めた。あちこちにあるノイズを吸って変な音が鳴る。そして、

「グォォ…」

dreamの集合体がノイズから出てきた。Avatarの形をしているが、全身が真っ黒だ。『ブラック』。これが科学者の間で言われている、dream集合体の呼び名だ。


ブラックは右手をソードに変えて、フリーズマンに突っ込んできた。瞬時にかわした、はずだった。飛ん直後に相手はすでに自分の目の前にいたのだ。そして、蹴りで下に叩きつけられてしまった。

「ん・・・、何だ…」

上谷が今の爆音で起きた。PMCを確認すると、見たこともないAvatarと、ボロボロになったフリーズマンがいる。

「え…、なんだよこれ…」

思わず座りこんでしまう上谷。しかし、ここで父さんから送られてきたものを思い出す。メール画面を開いて、

「……、もしもの時に、ね。フリーズマン、頼むッ…‼」

『mirai.bat』。これにすべてをかけて、フリーズマンにあてた。すると、犬の姿のフリーズマンの体の周りに数字が並んでぐるぐる回り始め、宙に浮いた。すると、もとのAvatarの姿に戻り数字に包まれながら着地して、数字をすべて吸収した。

「…、フリーズマン?」

姿が変わっていた。頭からは白い毛がはえており、肩には目のようなものがついている。手と足にはチェーンが巻かれている。すると、PMCから音声が流れ始めた。

『上谷。これを使ったということは、フリーズマンが戦いに追い付けなくなっている頃だろう。これは、人類の最後の希望。『GATE』を倒せ。そのための、『MIRRORMAN.exe(ミラーマン.エグゼ)』だ』

「ミラーマン…」

今まで画面にFREEZE.exeと表示されていたところが、MIRRORMAN.exeに変わっている。そして、ホーム画面に戻すとブラックが追い詰められている。ミラーマンは、手をバスターに変えて連射し始め、相手がひるんだことを確認してから胸にあるマークの前で電気がかかった玉をつくると、そこからビームを出した。

「キラーアイッ‼」

バチンッ。直撃した。ブラックはぼろぼろになった体を見て近くにノイズを作ると、ノイズの中に入っていき、姿を消した。

「反応はないな。もういいだろう」

ミラーマンがため息をついて、上谷のほうを見る。

「…、ごめんな。気づいてあげられなくて」

上谷が初めて謝った。ミラーマンは少し笑い、上谷に言った。

「…、ありがとう」

PMCを充電台に再び奥と、上谷は明日に備えて眠った。

「未来…、か」

ミラーマンはスリープモードになる前に、一言つぶやいた。


「…谷。……だ」

とある街の倉庫で、少年がAvatarをゲートインさせていた。電脳の中ではdreamの大群。

「終わらせろ」

少年の一言でAvatarは左手をバスターに変えて連射し始めた。わずか10秒ですべてDELETEした。少年はAvatarをゲートアウトさせると、倉庫から出た。

街に出てから、少年とAvatarは少し話し始めた。

「そろそろだな」

PMCを右手に持ち、画面を見ながら喋る少年。

「上谷大介と、フリーズマン。さっき、フリーズマンは『ミラーマン』になったようだ」

「そうか、ありがとうな、『フリーズマン』」

桐谷宗助と、フリーズマン。彼はPMCをしまうと歩いてどこかへ去って行った。




扉の奥についた。周りを見渡すが、あるものは正面にある巨大なモニターと端にあるケーブル端子だけだ。上谷は不自然そうに周りに警戒しながら歩く。すると、先についていた曾根田が作業をしている。パソコンを使い、何か解析をしているようだ。

「これでゲートインできるはず…」

曾根田が言った通り、電力は普及した。これのおかげでゲートインが可能になったようだ。しかし、これと同時にセキュリティも作動してしまった。モニターに中の電脳の様子が映し出されている。これを見た曾根田が、パソコンでまた作業をし始めた。

「何してるんだ?」

上谷がパソコンの画面を覗き込んで言う。

「セキュリティの解除。画面を見ればわかるでしょ? あと1分もあれば終わるから」

言われたとおりに画面を見ると、奥のほうに柱が何本かたっている。おそらくあれをやればセキュリティは解除できるのだろうと、上谷は勝手に心の中だけで結論付けた。

「それにしても、すごいな。あいつなんでもできるのか?」

フリーズマンが関心しながら言う。

「お、俺だってあんぐらい…」

フリーズマンの言葉に反応して、意地を張る上谷。曾根田は機械いじりもでき、普段から家でシュミレーションをしているぐらいだ。そのため、任務でもセキュリティ解除やロックの解除をすることが多いらしい。

「セキュリティ解除完了。これでゲートインしてもセキュリティは作動しないわ。それと、奥から大きな反応を感知できる。だから二人で行くわよ」

はーい、と適当に返事をする。上谷はPMCをすぐに取り出して、ケーブルをケーブル端子にさしこむ。

「コード1330、フリーズマン、ゲートイン!」

言葉とともにフリーズマンが電脳世界へ行った。曾根田も、パソコンをバッグにしまい、PMCを取り出してケーブルをケーブル端子にさしこむ。

「コード604、ハンター、ゲートイン!」

続いて、ハンターも電脳世界へ行った。しかし、曾根田には一つ不安なことがあった。先程自分で言った大きな反応だ。上谷は曾根田を見て声をかける。

「どうした?」

「…、実はね、あの大きな反応が感知できる場所からバグも感知できるの…。それが心配で…」

上谷はそれを聞いて、

「なんとかなるでしょ」

と、軽く受け流し、モニターに注目した。

(もしかして…、まさかね)


ハンターとフリーズマンが一緒に電脳世界へ進んでいく。

「ハンター。聞きたいことがあるんだけど…」

フリーズマンが歩きながらハンターに言う。

「? なんだ?」

「さっきのあれ…、無理をしてないか?」

ハンターをそれを聞いて少し考えこむ。図星だったようだ。

「無理などしていない…、心配掛けてすまないな」

そういうと、一人急いで走って行ってしまった。しかし、この瞬間。フリーズマンが何か気配を感じ取って、ハンターに、

「飛べッ!」

と、指示を出す。ハンターは後ろを振り返りフリーズマンの見て、それから高く飛んだ。そして、下を大量のバグが通ったのだ。曾根田と上谷も驚きを隠せなかった。

「なんだよ、あの大量のバグはッ!?」

ハンターが地面に着地し、態勢を立て直して、構えた。フリーズマンも右手をバスターに変形させて警戒する。すると、上から巨大なバグの固まりが降ってきた。大量のバグが中央で変形し始めて、あたりが一瞬光った。

「グッ…」

そして、光がおさまって中央を見ると…、そこには巨大な『獣』いる。曾根田はそれを見て、

「あ、あれは…」

「曾根田…?」

上谷がチップを何枚か手に持って、曾根田に聞く。すると、曾根田は少し間をおいて言い始めた。

「バグの固まりが変形する現象のことを『チェンジ』と言うわ。そして、変形すると姿が獣になり、学者の間ではそれを『ロスト』と言っているそうよ。でもね、あれには一つ欠点があるの」

一度区切って曾根田は、もう一度言いなおす。

「動かないことよ。だから弱点の頭を狙いやすい…」

フリーズマンとハンターはそれを聞いて、早速行動にでる。ハンターは上に飛んで、顔の前で爪を使って斬りつけた。そして、次にフリーズマンがバスターを連射する。すると、煙が舞って一瞬見えなくなった。ハンターは着地して様子をうかがう。

「ォォォオオオオオオオオオオオオオッ」

雄叫びとともに煙がはれたが、


無傷。


「う、ウソだろ…」

「普通の攻撃が効かないってことだろ…。なら…」

すると、ハンターはまた背中からとげを出して、目つき変えた。そして素早く動いてどんどん頭を斬りつけていく。

「ァァァアアアアアアアアアアッ」

獣が苦しみ始める。しかし、ハンターはそれを気にせずどんどん斬りつけていく。しかし、突然頭がドリルのように回って、ハンターが吹き飛ばされた。奥の壁にぶつかり、ずるずると床に落ちた。獣はこれを狙っていたかのように口からミサイルのようなものがたくさんでてきた。

「フリーズマン! 間に合うか!?」

「くそっ! 間に合わない…ッ」

そして、ミサイルが激突し、あたりに煙が舞った。

「……」

「おい、フリーズマン! 今度はこっちに来るぞ‼」

フリーズマンは反応せずにただ煙のほうを見つめている。気づけば、曾根田は煙をじっと見ている。上谷は不思議に思い煙のほうをじっと見つめる。すると、ひとつ。ミサイルを受け止めているAvatarの影がある。すると、その瞬間。

「グォォォオオオオオオオオオオオオ」

雄叫びとともに煙がはれた。影の正体はハンターだったようだが、何か雰囲気が違う。

「……、まさかな」

フリーズマンが少し疑う。しかし、


ハンターはゆっくりと獣のいるほうへ歩いていく。その間にミサイルを何発もあてるが無傷だ。最後の一発が当たった瞬間。ハンターはいっきに飛んで片手で獣の頭を地面に叩きつけると、爪からビームをだして斬りつけにかかった。獣は、抵抗をするが、ハンターに力負けしている。曾根田はこれを見て、

「……、ハンター?」

上谷が曾根田の反応を見て、フリーズマンが言ったさっきの言葉を思い出した。

(まさか…)

「曾根田。ハンター今暴走してないか?」

曾根田はそれを聞いて少し顔を下に向けた。

「まさか、あの力に体を…」

その間に、獣はバラバラになっていた。フリーズマンが念のために構えていると、ハンターがフリーズマンの方向へ歩き始めた。フリーズマンはさらに警戒を強める。そして、ハンターは素早くフリーズマンの目の前まで移動して、フリーズマンを飛ばした。

「!?」

何mか飛んで地面に転がり、立とうとする。しかし、もうすでにハンターは真上にいた。フリーズマンの体を勢いよく踏むと、今度は頭をつかんで立ちあがった。フリーズマンは右手をハンターの頭にあてる。すると、フリーズマンはハンターの中にある何かを吸い始めた。

「フリーズマン…? お前、何を…」

上谷が聞くと、少し苦しみながら答える。

「ハ、ハンターの中にある『STYLE』を…」

「そ、曾根田。STYLEって…?」

上谷が聞くと、曾根田は少し間をおいて喋りはじめた。

「…、ハンターのあの力の源。これさえ抜けば、ハンターの暴走は止まる…」

上谷はほっとしてフリーズマンをじっと見つめる。この時間が10分続いた。


吸い取るのが終わって、フリーズマンは倒れてしまった。ハンターの暴走は止み、今はフリーズマンの様子を見ている最中だ。

「…、俺のせいで…」

フリーズマンの手を触ろうとすると、手が少し動いた。上谷もこれを見て、目が覚めたのかと、そう思ったがどうやら違うようだ。ハンターは何かに気づいて少し構える。曾根田は、

「ハンター? 何をしているの?」

「フ、フリーズマンが…」

すると、フリーズマンが突然何かに包まれた。バチバチという音とともに、雄叫びが聞こえる。ハンターは少し離れて様子をうかがうが、すぐにわかった。フリーズマンが解放されて、地面についた。フリーズマンは目を開けてまわりをみわたす。

「……、?」

ハンターはフリーズマンに近づいて姿勢を低くした。気づけば、上谷と曾根田も少し驚いた顔で見つめている。喋ろうとしたが、言葉がでない。ハンターは頭に手をあてる。

「まさか、STYLEを取りこんだことが原因で…」

フリーズマンは何が何だかわからなかった。そして、自分の足を見ると、

「!?」

犬の足のようになっていた。フリーズマンは下を向いて動かなくなった。上谷はこれを見て、まずいなと思い、一度ゲートアウトさせることにした。

「…、と、とりあえずゲートアウト…」

ゲートアウトさせてから、ケーブルを抜いてからいろいろ整理して、PMCの画面を見て上谷が説明した。

「フリーズマン。お前、今現実世界で言う、『犬』になってる。多分、STYLEを取りこんだのが原因だと思う…」

フリーズマンはあらためて自分の姿を見て驚く。頭の中は不安でいっぱいになっていた。曾根田はこれを見て、

「だ、大丈夫よ。明日私の知り合いの科学者のところに行って見てもらいましょう。そうすればきっと…」

休日におこった出来事。突然のことで、その場にいた全員の頭のなかはいらんなことでいっぱいだった。