今日は6月上旬。この学校は2学期制の為、今月にテストがある。しかしそんなことにはお構いなく、今日も通信部(ともさく部)は活動をしている。
「そういえば綾…」
「え? あははっ、そうですよねー」
無視された。いやいや、冷夏と瑞穂と話しているところに割り込んだのは悪いと思ったけど。虫は流石にひどいと思う。
「あ、あの…」
「ん? あーなんだ辰さんの声でしたか。いつぶりですか口を開いたのは?」
「…、1週間ぶり。俺の声は1週間で忘れられるのか」
とても恥ずかしい話だが、俺はこの1週間ここにいる綾、冷夏、瑞穂と話していない。理由は―
新しく発売されたゲームの攻略だよ!
いや、とっても面白くて部室でやってたらあっという間に本編をクリアしてしまってもう裏モードに入ってるよ!
「そうですよ」
あっさり肯定されるととても心にグザリとくる。
「それで、用件は?」
「いや、その、最初としゃべり方が変わってる気がするなーって」
「あー、それはですね、私これが普通の喋り方だからです。慣れてない相手だとあんな口調になってしまうんです」
「普通、逆じゃないか?」
椅子に座って紅茶を飲んでいる冷夏が話に入ってくる。やはり、こうやって普通にしていると、とても可愛いと思う。
「よく言われるんですけどね。私にとってはこれが普通なわけで」
「慣れてない相手…、ってことは入学してすぐのころは…」
「今とは全然違いましたね。突然しゃべり方が変わったせいで周りから変な目で見られましたよ」
「喋り方1つでそこまで注目を浴びることができるなんて。あなた、私と同じオーラを感じるわ」
「すまんビッチ。お前から出ているオーラは腐った臭いしか発していない。あー、くっさ」
鼻をつまんだ冷夏がニヤニヤしながら言った。こいつ狙って言ってるな。まあ、これなら流石の瑞穂も釣られないだろう。
「な、何ですって!?」
釣られたよこの人。
机を思い切りたたきつけて立ち上がった。煽り体制が全くついていない。
「あんただって腐ったにおいが…」
「あ、いま「あんただって」って言ったな?」
「もうそのネタはいいと思うぞ…」
「くっ、つまらんな」
冷夏は鼻から手を離して紅茶を飲んだ。つまらんって何だよ。
「ふん、辰もたまにはいいこと言うわね」
「たまには…」
また心に何か突き刺さった。そろそろライフが0になるんですけど。もうやめてーって声がどこからか聞こえてくるんですけど。
「ところで、そろそろテストだな」
「あー、そういえばそうですね。忘れてました」
「テストなんて楽勝よ」
「ビッチは黙っててくれ。貴様のような天才を相手にする気などない」
「な、何よ!? あ、ああ嫉妬してるのね!?」
「別に私もできてるから嫉妬してない」
サラリという冷夏。
「ああ、そうだった…」
俺はあることを思い出してそう言った。この部活にいる女子生徒3人、こいつらが学年のトップ集団であることを。
「何思いだしたかは知りませんが辰さんが1番できますよね?」
「え?」
「そうよ。いっつも私をさらりとぬかして1位なんて…、次こそ…!」
と、瑞穂が言うように。俺は最初のテストからずっと学年1位である。俺自身は順位というものにあまり関心はないが、彼女は順位がとても大事らしい。
「ただし辰はそれだけだ。運動ができないからな」
「運動やっても将来別に役に立たないだろ…」
「引きこもりのお前はそうかもしれないな。お前も運動ができたうえで性格が良ければな…」
「俺別に性格悪くないだろ?」
「「えっ」」
瑞穂と綾が素で言った。え、俺って性格悪いの? 別に普通にしてるよ?
「って、おいやめろ。なに引いてんだよ」
「辰さん。よく考えてくださいよ? いつも他人をにらみつけるような眼で見てる人、いい人に見えますか?」
「…見えない」
「そう。だからあなたは性格が悪いって言われるのよ」
「別に睨んでなんか…」
「自覚症状なしとは重症だな」
なんだよ、この3人の連携。なんかじわじわくる。今すぐ逃げたいよ。
「うっ、そこまで言わなくたって…」
「確かに言いすぎましたね。それでは私たち3人はどこかの誰かさんと違って性格がいいのでここで止めますね」
「^^」という顔で言った。怖いです、やめてください。あと、胸のあたりがズキズキする。
「あれ、どうしたのかしら? 辰ったら、目から水出してるわよ」
ガバッ、ダッ、ガチャン、バン。この4回の音である。俺はバッグを持って部室から飛び出した。
「…、ここまで来ると、あいつらがわざとやってるようにしか見えないな…」
いつもならここで帰るが、今日は秘策があるのだ。バッグをあさって取りだしたのは…
「3年間放置してたポテト…。効果があるかは知らないが、これであいつらを苦しませてやる…」
どこか小学生の悪ガキがやりそうなことをしているように感じてしまうが、これをやらないとすっきりしない。それと、これは臭わないように袋に突っ込んである。
「…よし」
俺は部室のドアを開けるとポテトを後ろに隠して普通に中へ進んでいく。
「ん、どうした?」
「忘れもん」
適当にごまかすと、そのまま本棚まで直行。適当に自分の本を抜き取ると、横にある机の上に袋を置いて広げる。3人は作業をしているため別にばれていない。
逃げるようにさっさと部室を出た。
「あー、すっきり」
これは俺がすっきりした後部活で起こったことらしい。次の日に聞いた話だ。
まず気付いたのは綾。最初は少しだったらしいが、エアコンをつけているし、窓もない部屋だ。じょじょに臭いが部屋を駆け回る。
「なんか臭くないですか?」
といったらしいが、冷夏と瑞穂は別に臭わなかったらしく、そんなわけないと否定。しかし、30分もすると部屋がものすごく臭くなり、3人とも顔を青くしていたらしい。出ようとしたらしいが、ドアがあかずに大変だったそうだ。まあこれは俺が邪魔した。それから1時間苦しまされたそうだ。ちなみ、今から言うのはその時に言っていた言葉、冷夏、瑞穂、綾の順である。
「あーもう何だこの臭いはそんなに私を本気にさせたいのかいや本当に勘弁してくださいこのままだと死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬいやいやいやいやいやいい加減にしろよ、あーもう無理吐く吐く吐く吐く吐く吐く吐く吐く神様許して辰をいじめたことは許してだからこの臭いを消してあーあーあーあーあーうえうえうえうえうえ」
「この私を苦しませるなんていい度胸してるじゃない。いいわ、そんなことで私は倒れたりしない…、いややっぱり倒れちゃうからやめてやめてやめてやめてやめてやめてあーちょっと冷夏うるさいわよ黙りなさいよ青ざめた顔でこっち見ないで睨まないで私も吐いちゃうからお願いだからやめてやめてやめてやめてやめてやめてあーもう私をこんな目にあわせたらどうなるか分かってんの私が直々に天罰を下してやるわそうねまずは私の足でいろんなところを力強く踏んでやるわはははいいでしょはははははははははははは」
「そもそもエアコンが付いてる時点でアウトですよそうだエアコンを消そうあれリモコンはどこでしょうか? あ、あったえい。あれ消えないおかしいですねあれれ、あれ良く見たら電池切れ? ……、ふ、このエアコンのファッキン野郎が今からテメェのおち○ぽひねりつぶしてやろうかしこってやろうかドピュドピュだしてビクンビクンさせたやろうかはははどうしたお前の臭いはこんなものかもっと私を苦しませろドピュドピュ出させろ快感を感じさせてみろファッキンファッキンファッキンファッキン(これの繰り返しだったらしい。本人は覚えてないとのこと)」
俺は陰で腹を抱えて笑った。
自分でも性格の悪さを実感したのであった。
テストが終わった。やったー。
これが今日の感想である。久々に部室のドアの前に立つ。ガチャリと開けると、そこには1人を除いていつも通りの光景が広がっていた。
冷夏は寝ている。これはいつも通りである。
綾はパソコンで何か作業をしながらニヤニヤしている。これも普通である。
瑞穂はゲームをしている。あれ、おかしいぞ?
「お、お前何やってるんだよ…」
「ゲーム。見ればわかるでしょ?」
「それは分かる。でも、それって…」
次の言葉をできれば言いたくない。なぜなら、「健全で安全な女子学生」がこんなことをするわけがないのだから。
「さっきからピッピピッピうるさいぞビッチ」
「いい加減そのあだ名やめてくれない?」
「…、そうだな。ビッちばかり言っててもつまらない。他のあだ名をつけよう…」
冷夏はそう言いながら、何かいいものがないか探している。と、そこでテレビ画面に目がとまる。
「そういえば、いつの間にテレビを入れたのか」
「私入れてないけど?」
「え、じゃあ綾か?」
「私も入れてないですけど」
「? じゃあ辰、はまずないな」
「何で俺だけ聞かずに終わりなんだよ…」
「性格の悪さがトップのお前が気を利かせてテレビを贈呈するなんて考えられない話だろう」
「お、お前…。で、でもその気のきいた誰かさんが入れたテレビであまり良くないゲームをしている女子生徒がいるが」
「んー…?」
冷夏が画面をじっくりと見始める。すると見る見るうちに顔が引きつっていく。
「お、お前…、それは…」
「ん? なによ?」
「…、あー。瑞穂さん…。あなたもですか…」
「あなたも? って、もしかして綾も…」
俺が聞いてみると、フッ、とニヤけて立ち上がる。
「ええ、そうですよ。俗に言う腐女子ですよ」
「ふ、フジョシ? なんだそれは?」
「あ、聞きたいですか?」
「えっ、いや、その…」
冷夏が反応に困ったかのようにオロオロしていると、綾はパソコンを手に持ちカタカタと文字を撃ち、冷夏に画面を見せる。
「見ますか?」
「いえ結構ですやめておきます」
危険を察知したらしく、そのまま拒絶のポーズを取る。
「そうですか……。残念です」
残念そうな顔をして、パソコンをカチャリと閉じる。
「チッ」
「…、おい」
黒い部分が見えていたので突っ込む。その後もブツブツと何かを言っていたが面倒くさいのでスルー。
「せっかく仲間を増やそうとしたのに…」
「ッ! これ以上増やさなくていいっ!」
冷夏が顔を真っ赤にして言う。
「なぜですか? たくさんいたほうがいいですよー?」
「多ければいいって問題じゃ…」
「辰さんは黙ってていいです。むしろ喋んないでください」
「どういうことだ…」
最近ますます俺の扱いがひどくなってきている。喋っただけでこれなんて、どうしろと。
「ああ、そうだ。こんな話ではなくてこいつのあだ名だ」
「あだ名という名の悪口だけどな」
「あ?」
「なんでもないです」
冷夏が冷徹で細い目をこちらに向けて、低い声で俺を威嚇。おれはそのまま下を向いて黙りこむ。
「あだ名ですか…。なんだか友達みたいでいいですね」
「そうだろう?」
「ちょっと、私はいいなんて一言も…」
「お前の意見は聞いていないんだ。少し黙っていてくれ」
「そ、そんなー…」
瑞穂が悲しそうな眼をする。そしてこちらに助けを求める視線を送る。
「…、はぁ」
ため息をついて、俺は勢いよく立ちあがり、
「おい2人!」
「きもいぞ」
「ついにおかしくなりましたか…」
「なっ」
ひどいことを連発で言われてひるむが、俺はそのままごり押しをする。
「お前ら、あだ名だなんて…」
「た、辰…」
瑞穂が輝いた目で俺の見ている。待ってろ瑞穂、俺が助けてやる。
「決めるのは俺だああああああああ」
「えっ」
決まった。ドヤ顔で瑞穂を見ると、彼女は茫然としていた。まるで石化したかのように動かない。
「…そ、そうかー」
「い、いいです、よー…」
瑞穂と綾はひきつった顔で俺を見る。おいやめろ、そんな冷たい目で俺を見ないでくれ。
「…、うぐぐぐぐ」
後ろから唸り声と歯ぎしりが聞こえる。チラリとみると、いつも以上に目を細めて俺をにらむ瑞穂の姿があった。
「あ、いや…。別にそんなつもり…」
「え、あ。もしかしてましなあだ名にするために…?」
「え、あ、うんそうだ」
とりあえず流れに乗ってみる。
「そ、そっか。だったら最初からそう言ってよ」
にっこりとかわいらしい笑顔を俺に向けた。中身を知らなければどれだけよかったか…。
「助け舟か」
「ぼっちの分際で。イラッときますね」
「いや、ぼっちとこれとは関係ないだろう」
「だいたいお前はコミュ障ではなかったのか? 別に普通に話せてるではないか」
「私と話した時はあんなにひどかったのに…。どうして?」
冷夏はむすっとした顔で、綾はさびしそうな顔で言った。
この展開、どこかのラノベで見たぞ。しかもラブコメだ。もしかして、もしかして…?
「あ、別にラブコメ展開なんてないですよ?」
あっさりと否定され、俺の夢はことごとく打ち砕かれてしまった。思わず絶望のポーズを取りたくなるが、今は瑞穂のあだ名の話だった気がするのでそちらを優先。
「そ、そんなことはどうでもいい。それでだな。瑞穂のあだ名はもう考えてある…」
「じゃあ聞かせてくださいよ」
「よく聞いとけ、瑞穂のあだ名はだな…・」
瑞穂はキラキラとした目で俺の見ている。希望でももっているのだろう。だからその希望を俺が実現させてやる。
そして俺はあだ名を堂々と言った。
今まで通り、普段どおりの時間が流れた。何事もなく、平和な時間。
綾と冷夏は光のない目でぼーっとしている。
やっと立ち上がったかと思うと、その目を両サイドから俺に向けて、
「…、フッ」
鼻で笑った。そして次に憐れむ目を向けてそのままドアを開け、二人同時に
「「じゃあな、辰、牛」」
最後にニヤリと笑って部室を出て行った。
「…、瑞穂?」
恐る恐る尋ねてみると、瑞穂はプルプル震えて、
「辰うゥ…、ぜッッッたいに許さないィ…ッ」
どこかのボスみたいな雰囲気を出しながらそのまま勢いよく立ちあがり、続いて部室を出て行った。
「…、はぁ」
俺も本を閉じてバッグにしまうと、そのまま部室を出た。
「…、俺は言ってないのに」
あだ名を言う時、俺が言う前に誰かが言った。しかも俺の声で。そのせいで、場は一瞬凍りつき、流石の綾と冷夏も引いたようだった。瑞穂は涙目になってそのまま悲しい顔をしていた。
「…こんな立ち悪いこと、誰が…」
ブツブツ言いながら廊下を歩いていると、見覚えのある3人が渡り廊下の中央で立ち、何かを囲んでいる。
「…、なんだ?」
近寄ってみると、中央にはスピーカーと何かの機材を持った男子生徒がいた。おそらく俺と同じ学年だ。
「お、おい。どうしたんだ?」
「あ、辰」
瑞穂が機嫌の悪そうな声で言った。
「何だ? かつ上げか?」
「違いますよ」
続いて綾も不機嫌な声で言った。
「さっきの事。あれがお前でないことなんて分かっている」
「え?」
冷夏の言葉に俺は戸惑った。一体どういう事なんだろうか。気づいていたなら、あんな態度を取らなくても―。
「口、動いてなかったですもんね。それに」
「そのあとの顔。明らかに変だったもんね。いつも以上に気持ち悪かったわ」
最後の言葉はともかく、俺の誤解がもともとなかったことに安堵。
「それで、その人は?」
俺が訪ねてみると、3人は下を向いて目を細める。
「…、怒って、るのか?」
「見てわからないのか」
「…、何に怒ってるんだ?」
「む、この状況を見てわからないのか? 鈍感過ぎるぞ」
3人は男子生徒から離れ、横に立つ。冷夏が男子生徒の指差し、
「こいつが先程の声の主だ」
あとがき
遅くなって申し訳ありません。完全に1ヶ月()でしたね。てへ☆
なんだかシリアス展開ですが、この続きは次回です。
それではまた次でお会いしましょう。
「それで、こいつは何なんだ?」
月縞冷夏(つきしまれいか)による問い詰め開始から5秒ぐらい。
無論、遅れてやってきたくせに、謎の女子生徒と一緒に入って来るやつがいるかよ、とでも言っているかのような眼差しで俺、峰嶋辰(みねしまたつ)に視線が集中していた。
言わせてください。不幸です。
こんな不幸を味わったのは今日が初めてかもしれない。他にもいくつかあるが、それはまたの機会に。
さて、話を戻すと。現在進行形で俺は黙っている。すでに1分は経っているかもしれない。
「…、ほう。辰は何も言わない気か。じゃあ、そこの女子。君から話を聞こう」
「あ、うん。えっと、」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
俺が珍しく大きな声で話をストップさせると、この場にいた全員がポカンと口を開けて目をぱちくりとさせた。ああ、この学校に入学して以来、初めて経験する不幸だぁ…。
「言われては困る内容なのか…、なら仕方ない」
(分かってくれたかッ…!?)
心の中でガッツポーズをし、とりあえずセーフ。
そう思った時期が俺にもありました。
「ますます聞かなくてはならないな」
「えええええええっ!? な、なんでだ」
「さ、言っていいぞ」
完全に無視されてる。もう駄目だこりゃ。
完全に諦めモードに入り、何もかもどうでも好さそうな目で棒立ちを始める。
「えっと、峰嶋さんが部室に向かっているときに、私が端の方でしゃがんで作業をしていて、それが気になっったらしく声かけられて」
「へぇ、それで?」
作業? いいえ、妄想です。
すげぇツッコミたい! でも、今俺がなにを言っても聞く耳を持ってくれなさそうなので、俺は我慢した。
「それで、私、話に乗ったんですよ。それなのに、峰嶋さんがスルースキル発動して私を無視してスタスタ歩いて行ってしまったんですね。流石にひどいと思って走って追いかけて…」
「追いかけて?」
「……」
冷夏は何かを企んでいる顔をして手毬綾(てまりあや)を見ているし、霧林瑞穂(きりばやしみずほ)は嫌そうな顔で綾の話を聞いている。
「…、ムフフッ…」
「「?」」
2人の顔色が一斉に変わった。急に奇妙な声を出しながらニヤニヤし始めたからである。
「ど、どうし…」
「そ、それでぇ、こけちゃってぇ…、峰嶋さんの背中をドォンって押しちゃってぇ…、抱きつきながら落ちて地面に背中をうった時に大丈夫とか声掛けてもらって手を差しのべられて手を取って二人の、二人のォ…、ハァハァハァ、ムフフフフフフ」
「あ、お、おい大丈」
「俺得だコンチクショォォォォォォォォォォオォォォォォォォォォ!!」
ドサッ。
叫びながら、そして鼻血を流しながら地面に倒れこんだ。
「…、辰。今の話…」
「後半はほとんど嘘だ」
「どこまであってるのよ?」
「階段で背中押されて落ちたってところまで。そのあとはこいつの妄想」
「最初のところはどうなんだ?」
「ほぼ省略してるな。あと、こいつの言ってた作業も、冷夏と瑞穂が想像してるような事じゃないと思うぞ」
「「……」」
2人とも「^^;」という顔をしている。たぶん困惑しているのであろう。
「そ、それでこいつ…、入部させるのか…?」
「名前も知らないのに?」
「ああ、名前は「手毬綾」って言うそうだ」
「いや、でもこの妄想女を」
「妄想女じゃないよ」
いつの間に復活していた綾が鼻のあたりをハンカチで拭きながら言っていた。
「い、いつの間に…!?」
「…、あー。こういう子って「腐女子」っていうのに分類されるのかしら?」
「べ、別に腐ってなんかないんだからんね!」
「ツンデレ? この子の中身知らなかったら可愛いなって言ってあげられたのに…」
「そうだな。まあ、お前に褒めてもらってもヘドがでるだけだがな」
「ちょっ、それどういう…」
「こういうことだ」
冷夏は自分の手を口に突っ込み、何かをやり始めた。こいつ、とうとう女であることを放棄しやがった…!
「あ、あんた何やって…」
「ん、んぁ…、う、」
「「?」」
俺と瑞穂がきょとんとしたその瞬間。
「うぼげらぇぇおぇぇぇええぇぇぇぇえぇええええええええええっ」
ビチャビチャ、という音とともに口から、アレがでた。あまりにもひどい光景だ。モザイク必須である。
「ヘ、ヘドォが出るぅ、ってぇ…、言った、であろうゥゥ…?」
顔色を悪くし、プルプルと震えながら、ドヤ顔で言った・
「ば、馬鹿じゃないのっ!? こ、これあんたが片付けなさいよっ!」
そう言った瑞穂は、奇跡的にテーブルの上に置いてあって無事であったバッグを持つと、ドアへ駆け寄った。こいつ、逃げる気だなっ!?
(じゃあ俺も逃げる!)
流石に俺も、これの始末はしたくなかったので瑞穂同様バッグを持ってドアへ駆け寄る。瑞穂が部室から飛び出るのに続き、俺も部室から姿を消した。
部室に残っているのは、冷夏と綾だけだ。
「……、これ、どうしよう…」
今さらという事を言いつつも、冷夏はバケツとか雑巾とかトイレットペーパーをひっぱり出してきて、後始末を始めようとした。が、
「手伝いましょうか?」
一瞬天からの声と思ったが、天ではなく残念な奴だった。しかし、その顔には笑顔しかなかった。
「……、ありが、とう」
ぎこちなくお礼を言うと、綾はさらに深い微笑みで返した。
以下、俺の余談である。
翌日の放課後、部室に行くと、綾と冷夏がとても仲良くやっていた。少し違和感を覚えつつも俺はバッグを適当なところ(昨日冷夏が吐いたところを除く)に置いて本を読み始める。やっぱりラノベは最高だなーウヒヒヒ。
読みながらニヤニヤしていると、瑞穂も部活にやってきて、冷夏の前でぎこちなく「き、昨日は、ご、ごめん、な、…さ」と言いかけたが、冷夏がそれをさえぎって、
「ビッチはろくに謝ることもできないのか…、まあ昨日の件はこれでチャラにしてやろう。…そこでニヤニヤしているDQN(ドキュン)よりはましだしな…」
冷夏は少し照れた様子で言った。瑞穂は少量の涙を目にためながら、微笑んだ。
―あ、あり得ない! 冷夏が瑞穂にデレて、瑞穂が冷夏にデレただとっ!?
心の中でそう絶叫したが、すでに手遅れ。俺はさらにこの部内で空気となった。
なんだこの状況は―!?
俺がこう絶叫したのは1夜明けた日の放課後のこと。
なぜかって?
だって綾が部屋の隅でブリッジの体制を取ってブツブツ呟きながらニヤニヤしているんだもん! 本読んでニヤニヤしてるより気持ち悪いわ!
とんでもない出落ちである。でも、どうすればいいのか。この部屋には俺の綾しかいない。別に誰かに見られているというわけでもない。
こうなれば正面突破―、ということでシンプルに直球を投げました。
「何でそんな変な体制を取ってるんだ?」
「ん゛ん゛? んァ…、ァア…、ああ、辰さんン…、ハァハァ」
途中途中完全に狙っているであろう嗚咽を言いながらも反応した、が。最初の「ん゛ん゛?」はどこか別の感情を感じたが、まあ気のせいであろう。信じるって大事。
綾はブリッジの体制からそのまま顔を上げる。背中あたりを見ているととても柔らかそうに見える。
「あ、あれ今のどっかで…。ああ、初○機か」
「別に狙ってませんけど? 峰嶋さん流行に流されやすいんですか?」
「いや、俺は別に…。天の人とか流されやすいって聞いたけど」
「? 天の人? ああ、書いてる人のことですか」
「ちょっとメタいからこの話やめるか」
話に区切りをつけると、俺は中央のテーブルにバッグを置いてソファに腰掛ける。
「冷夏と瑞穂は?」
「冷夏さんはトイレに。まあうこでしょうね。瑞穂さんは毎月買ってる雑誌の発売日だからー、とか言って帰りました」
「雑誌? あいつどんなの読むんだろうな」
「えっと、前見てたのを覗き見したんですけど、その時はゲーム関係の雑誌でした」
「…、前って入部する前?」
「そうですけど」
きょとんとする俺に平然として答える綾。
「入部する前に瑞穂と接点あったのか?」
「ありません」
「じゃあどうやって?」
「渡り廊下でオナっていたときにたまたま歩きながら雑誌を読んでいる瑞穂さんと思われる方を見ました。それで気になって作業を中断してまで頑張って覗き見し」
「もういいよ」
これ以上聞いても意味がないと判断して適当に流すと、何故か綾はむすっとした顔になった。
「? どうした?」
「…、何でもないですよ」
そういうと、彼女はテーブルの上にある自分のバッグに近い場所まで移動して中をあさり始めた。取りだしたのは…、薄い本。
「おうやめろや。女性としての恥じらいを知った方がいいぞ」
「は? そんなものとっくの昔に捨てましたよ」
「……」
何も言えない。駄目だこいつ、早くなんとかしないと…!
改めてこいつの残念さを感じた。これがなければいいのに。
「って、峰嶋さんも人のこと言えるんですか?」
「俺は人前じゃ読まないからな。…、ってお前ずいぶんマニアックなところついてるんだな」
「ん、まあ珍しい分類に入りますね」
なお、あまりアレ的に相応しくないのでここでは詳しい話は伏せておく。アニメでよくあるモザイクをかけている感じだ。
「…あ、それでお前は何であんなポーズを取ってたんだよ?」
今更ながら突っ込んでみると、綾はきょとんとした顔で、
「何でって、あれが好きだからですけど?」
「あ、そうなの?」
あっさり言われた為、どこか納得する―
「するわけねーよ! 好きでもあんな格好されたら年頃の男の子が興奮しちまう!」
「それが狙いなんですよ…、フフフ」
「お願いだから男子に安心で健全な学校生活を送らせてあげてください」
「だが断る」
駄目だこいつ、早くなんとかしないと…!
あれ? これさっきも心の中で呟いた気が、まあいいか。気のせいだ。お前、タイムリープしてね? 、とかねーから。
と、ここでガチャリという音とともにドアが開いた。そこにはトイレから戻ってきた冷夏の姿があった。
「ん? きてたのか辰」
「おう」
適当に頷いておく俺。冷夏はバッグをテーブルの上に放り投げ、ソファに深く腰をかける。
「冷夏さんおトイレ長いですね」
「ほっといてくれ。今日は少し体の調子が悪いのだ」
「昨日はいたせいだろう…」
「仕方ないだろう。瑞穂に褒めてもらうとヘドが出るのだ…、しかもリアルで」
「冷夏さん、女のことしてそれはやめたほうがいいと思いますよ」
「「お前が言うな」」
冷夏と俺の声が重なった。綾は「(´・ω・`)」という顔をしてそのまま薄い本で顔を隠してしまった。
「ところで、この部活って何をするんですか?」
おそらく話すことがなくて無理やり違う話題を持ってきた。しかし綾は自ら地雷を踏みに行ったことをまだ知らない。
「なにするって?」
当然俺も知りません。よくわからないので聞き返してみた。
「え? だから活動内容ですよ。通信部なんですよね?」
ドンッ。
ロッカーが凹む音がした。目を向けてみると、光を失った目を鋭く向ける冷夏の姿があった。
「カツドウナイヨウツウシンブ?」
汚物を吐き捨てるかのように言った。とても怖いです。
「アー、ナニソレオイシイノ? ワタシヨクワカンナイー」
完全なる棒読みで言った。
「…、つまり通信部(笑)ってことなんですね」
綾は「^^」という顔で冷夏に言った。俺はこの顔が一番怖いと思うんだ。冷夏の今の顔と同じぐらいの怖さを持っている。
「そうだ。通信部とは仮の名前だ。本当はな、この部活は―」
え、通信部で通ってるわけじゃないの? 真名とかあるの? 中ニ病なの?
「友達作りたいけど全然作れない。だから部活作ったら自然と友達できちゃった。てへっ☆部だ!」
「なげぇよ!? てかそれで通ってたのかよ!?」
「ああ。この部の顧問は何でもアリらしいからな。ふつうに通った」
「でもちょっと長いですね。略称とかないんですか?」
「ある。「ともさく」だ」
「わけがわからないよ」
今日の成果。
この部活の名前が「友達作りたいけど全然作れない。だから部活作ったら自然と友達できちゃった。てへっ☆部」、通称「ともさく」であることが判明した。
大事なことなので2回言います。
わけがわからないよ。
あとがき
遅れて本当にごめんなさい。疾走なんてしてません。リアルの事情です。現実って大変です。てへっ☆
と、新キャラが登場しましたがまだまだ出る予定です。増やしすぎると出なくなる人とかでてきそうなのでそこそこぐらい出します。覚えていられる範囲で。
それではまた次回。お楽しみに。
月縞冷夏(つきしまれいか)による問い詰め開始から5秒ぐらい。
無論、遅れてやってきたくせに、謎の女子生徒と一緒に入って来るやつがいるかよ、とでも言っているかのような眼差しで俺、峰嶋辰(みねしまたつ)に視線が集中していた。
言わせてください。不幸です。
こんな不幸を味わったのは今日が初めてかもしれない。他にもいくつかあるが、それはまたの機会に。
さて、話を戻すと。現在進行形で俺は黙っている。すでに1分は経っているかもしれない。
「…、ほう。辰は何も言わない気か。じゃあ、そこの女子。君から話を聞こう」
「あ、うん。えっと、」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
俺が珍しく大きな声で話をストップさせると、この場にいた全員がポカンと口を開けて目をぱちくりとさせた。ああ、この学校に入学して以来、初めて経験する不幸だぁ…。
「言われては困る内容なのか…、なら仕方ない」
(分かってくれたかッ…!?)
心の中でガッツポーズをし、とりあえずセーフ。
そう思った時期が俺にもありました。
「ますます聞かなくてはならないな」
「えええええええっ!? な、なんでだ」
「さ、言っていいぞ」
完全に無視されてる。もう駄目だこりゃ。
完全に諦めモードに入り、何もかもどうでも好さそうな目で棒立ちを始める。
「えっと、峰嶋さんが部室に向かっているときに、私が端の方でしゃがんで作業をしていて、それが気になっったらしく声かけられて」
「へぇ、それで?」
作業? いいえ、妄想です。
すげぇツッコミたい! でも、今俺がなにを言っても聞く耳を持ってくれなさそうなので、俺は我慢した。
「それで、私、話に乗ったんですよ。それなのに、峰嶋さんがスルースキル発動して私を無視してスタスタ歩いて行ってしまったんですね。流石にひどいと思って走って追いかけて…」
「追いかけて?」
「……」
冷夏は何かを企んでいる顔をして手毬綾(てまりあや)を見ているし、霧林瑞穂(きりばやしみずほ)は嫌そうな顔で綾の話を聞いている。
「…、ムフフッ…」
「「?」」
2人の顔色が一斉に変わった。急に奇妙な声を出しながらニヤニヤし始めたからである。
「ど、どうし…」
「そ、それでぇ、こけちゃってぇ…、峰嶋さんの背中をドォンって押しちゃってぇ…、抱きつきながら落ちて地面に背中をうった時に大丈夫とか声掛けてもらって手を差しのべられて手を取って二人の、二人のォ…、ハァハァハァ、ムフフフフフフ」
「あ、お、おい大丈」
「俺得だコンチクショォォォォォォォォォォオォォォォォォォォォ!!」
ドサッ。
叫びながら、そして鼻血を流しながら地面に倒れこんだ。
「…、辰。今の話…」
「後半はほとんど嘘だ」
「どこまであってるのよ?」
「階段で背中押されて落ちたってところまで。そのあとはこいつの妄想」
「最初のところはどうなんだ?」
「ほぼ省略してるな。あと、こいつの言ってた作業も、冷夏と瑞穂が想像してるような事じゃないと思うぞ」
「「……」」
2人とも「^^;」という顔をしている。たぶん困惑しているのであろう。
「そ、それでこいつ…、入部させるのか…?」
「名前も知らないのに?」
「ああ、名前は「手毬綾」って言うそうだ」
「いや、でもこの妄想女を」
「妄想女じゃないよ」
いつの間に復活していた綾が鼻のあたりをハンカチで拭きながら言っていた。
「い、いつの間に…!?」
「…、あー。こういう子って「腐女子」っていうのに分類されるのかしら?」
「べ、別に腐ってなんかないんだからんね!」
「ツンデレ? この子の中身知らなかったら可愛いなって言ってあげられたのに…」
「そうだな。まあ、お前に褒めてもらってもヘドがでるだけだがな」
「ちょっ、それどういう…」
「こういうことだ」
冷夏は自分の手を口に突っ込み、何かをやり始めた。こいつ、とうとう女であることを放棄しやがった…!
「あ、あんた何やって…」
「ん、んぁ…、う、」
「「?」」
俺と瑞穂がきょとんとしたその瞬間。
「うぼげらぇぇおぇぇぇええぇぇぇぇえぇええええええええええっ」
ビチャビチャ、という音とともに口から、アレがでた。あまりにもひどい光景だ。モザイク必須である。
「ヘ、ヘドォが出るぅ、ってぇ…、言った、であろうゥゥ…?」
顔色を悪くし、プルプルと震えながら、ドヤ顔で言った・
「ば、馬鹿じゃないのっ!? こ、これあんたが片付けなさいよっ!」
そう言った瑞穂は、奇跡的にテーブルの上に置いてあって無事であったバッグを持つと、ドアへ駆け寄った。こいつ、逃げる気だなっ!?
(じゃあ俺も逃げる!)
流石に俺も、これの始末はしたくなかったので瑞穂同様バッグを持ってドアへ駆け寄る。瑞穂が部室から飛び出るのに続き、俺も部室から姿を消した。
部室に残っているのは、冷夏と綾だけだ。
「……、これ、どうしよう…」
今さらという事を言いつつも、冷夏はバケツとか雑巾とかトイレットペーパーをひっぱり出してきて、後始末を始めようとした。が、
「手伝いましょうか?」
一瞬天からの声と思ったが、天ではなく残念な奴だった。しかし、その顔には笑顔しかなかった。
「……、ありが、とう」
ぎこちなくお礼を言うと、綾はさらに深い微笑みで返した。
以下、俺の余談である。
翌日の放課後、部室に行くと、綾と冷夏がとても仲良くやっていた。少し違和感を覚えつつも俺はバッグを適当なところ(昨日冷夏が吐いたところを除く)に置いて本を読み始める。やっぱりラノベは最高だなーウヒヒヒ。
読みながらニヤニヤしていると、瑞穂も部活にやってきて、冷夏の前でぎこちなく「き、昨日は、ご、ごめん、な、…さ」と言いかけたが、冷夏がそれをさえぎって、
「ビッチはろくに謝ることもできないのか…、まあ昨日の件はこれでチャラにしてやろう。…そこでニヤニヤしているDQN(ドキュン)よりはましだしな…」
冷夏は少し照れた様子で言った。瑞穂は少量の涙を目にためながら、微笑んだ。
―あ、あり得ない! 冷夏が瑞穂にデレて、瑞穂が冷夏にデレただとっ!?
心の中でそう絶叫したが、すでに手遅れ。俺はさらにこの部内で空気となった。
なんだこの状況は―!?
俺がこう絶叫したのは1夜明けた日の放課後のこと。
なぜかって?
だって綾が部屋の隅でブリッジの体制を取ってブツブツ呟きながらニヤニヤしているんだもん! 本読んでニヤニヤしてるより気持ち悪いわ!
とんでもない出落ちである。でも、どうすればいいのか。この部屋には俺の綾しかいない。別に誰かに見られているというわけでもない。
こうなれば正面突破―、ということでシンプルに直球を投げました。
「何でそんな変な体制を取ってるんだ?」
「ん゛ん゛? んァ…、ァア…、ああ、辰さんン…、ハァハァ」
途中途中完全に狙っているであろう嗚咽を言いながらも反応した、が。最初の「ん゛ん゛?」はどこか別の感情を感じたが、まあ気のせいであろう。信じるって大事。
綾はブリッジの体制からそのまま顔を上げる。背中あたりを見ているととても柔らかそうに見える。
「あ、あれ今のどっかで…。ああ、初○機か」
「別に狙ってませんけど? 峰嶋さん流行に流されやすいんですか?」
「いや、俺は別に…。天の人とか流されやすいって聞いたけど」
「? 天の人? ああ、書いてる人のことですか」
「ちょっとメタいからこの話やめるか」
話に区切りをつけると、俺は中央のテーブルにバッグを置いてソファに腰掛ける。
「冷夏と瑞穂は?」
「冷夏さんはトイレに。まあうこでしょうね。瑞穂さんは毎月買ってる雑誌の発売日だからー、とか言って帰りました」
「雑誌? あいつどんなの読むんだろうな」
「えっと、前見てたのを覗き見したんですけど、その時はゲーム関係の雑誌でした」
「…、前って入部する前?」
「そうですけど」
きょとんとする俺に平然として答える綾。
「入部する前に瑞穂と接点あったのか?」
「ありません」
「じゃあどうやって?」
「渡り廊下でオナっていたときにたまたま歩きながら雑誌を読んでいる瑞穂さんと思われる方を見ました。それで気になって作業を中断してまで頑張って覗き見し」
「もういいよ」
これ以上聞いても意味がないと判断して適当に流すと、何故か綾はむすっとした顔になった。
「? どうした?」
「…、何でもないですよ」
そういうと、彼女はテーブルの上にある自分のバッグに近い場所まで移動して中をあさり始めた。取りだしたのは…、薄い本。
「おうやめろや。女性としての恥じらいを知った方がいいぞ」
「は? そんなものとっくの昔に捨てましたよ」
「……」
何も言えない。駄目だこいつ、早くなんとかしないと…!
改めてこいつの残念さを感じた。これがなければいいのに。
「って、峰嶋さんも人のこと言えるんですか?」
「俺は人前じゃ読まないからな。…、ってお前ずいぶんマニアックなところついてるんだな」
「ん、まあ珍しい分類に入りますね」
なお、あまりアレ的に相応しくないのでここでは詳しい話は伏せておく。アニメでよくあるモザイクをかけている感じだ。
「…あ、それでお前は何であんなポーズを取ってたんだよ?」
今更ながら突っ込んでみると、綾はきょとんとした顔で、
「何でって、あれが好きだからですけど?」
「あ、そうなの?」
あっさり言われた為、どこか納得する―
「するわけねーよ! 好きでもあんな格好されたら年頃の男の子が興奮しちまう!」
「それが狙いなんですよ…、フフフ」
「お願いだから男子に安心で健全な学校生活を送らせてあげてください」
「だが断る」
駄目だこいつ、早くなんとかしないと…!
あれ? これさっきも心の中で呟いた気が、まあいいか。気のせいだ。お前、タイムリープしてね? 、とかねーから。
と、ここでガチャリという音とともにドアが開いた。そこにはトイレから戻ってきた冷夏の姿があった。
「ん? きてたのか辰」
「おう」
適当に頷いておく俺。冷夏はバッグをテーブルの上に放り投げ、ソファに深く腰をかける。
「冷夏さんおトイレ長いですね」
「ほっといてくれ。今日は少し体の調子が悪いのだ」
「昨日はいたせいだろう…」
「仕方ないだろう。瑞穂に褒めてもらうとヘドが出るのだ…、しかもリアルで」
「冷夏さん、女のことしてそれはやめたほうがいいと思いますよ」
「「お前が言うな」」
冷夏と俺の声が重なった。綾は「(´・ω・`)」という顔をしてそのまま薄い本で顔を隠してしまった。
「ところで、この部活って何をするんですか?」
おそらく話すことがなくて無理やり違う話題を持ってきた。しかし綾は自ら地雷を踏みに行ったことをまだ知らない。
「なにするって?」
当然俺も知りません。よくわからないので聞き返してみた。
「え? だから活動内容ですよ。通信部なんですよね?」
ドンッ。
ロッカーが凹む音がした。目を向けてみると、光を失った目を鋭く向ける冷夏の姿があった。
「カツドウナイヨウツウシンブ?」
汚物を吐き捨てるかのように言った。とても怖いです。
「アー、ナニソレオイシイノ? ワタシヨクワカンナイー」
完全なる棒読みで言った。
「…、つまり通信部(笑)ってことなんですね」
綾は「^^」という顔で冷夏に言った。俺はこの顔が一番怖いと思うんだ。冷夏の今の顔と同じぐらいの怖さを持っている。
「そうだ。通信部とは仮の名前だ。本当はな、この部活は―」
え、通信部で通ってるわけじゃないの? 真名とかあるの? 中ニ病なの?
「友達作りたいけど全然作れない。だから部活作ったら自然と友達できちゃった。てへっ☆部だ!」
「なげぇよ!? てかそれで通ってたのかよ!?」
「ああ。この部の顧問は何でもアリらしいからな。ふつうに通った」
「でもちょっと長いですね。略称とかないんですか?」
「ある。「ともさく」だ」
「わけがわからないよ」
今日の成果。
この部活の名前が「友達作りたいけど全然作れない。だから部活作ったら自然と友達できちゃった。てへっ☆部」、通称「ともさく」であることが判明した。
大事なことなので2回言います。
わけがわからないよ。
あとがき
遅れて本当にごめんなさい。疾走なんてしてません。リアルの事情です。現実って大変です。てへっ☆
と、新キャラが登場しましたがまだまだ出る予定です。増やしすぎると出なくなる人とかでてきそうなのでそこそこぐらい出します。覚えていられる範囲で。
それではまた次回。お楽しみに。
この学校で超有名人名な「霧林瑞穂」を部室に入れてから数分。相変わらず泣き続けている彼女はだいぶ落ち着いてきたようで、少し話し始めている。
「さ、最初は、その、強気で行こうと思ってあんな風になっちゃって、それで、その、うぅぅ…」
「ふん、こんな演技をするビッチなどこの部活にいらん」
「いや、これは流石に演技じゃないと思うんだけど」
「騙されるな。こういう泣けばいいと思っている女ほどビッチなんだか」
「うぅ…、はぁ」
俺と冷夏がゴチャゴチャ言っている間に、瑞穂が当然ため息をついた。
「? どうかし」
「さっきから私のことビッチとか言ってるお前の方がビッチだろうがこの糞腐れビッチが」
は?
態度が急変した為、俺は口が開いてしまっている。
「ふん、本性を見せたか。演技が下手だな」
「下手? 下手とか言うんだったらお前やってみろよ」
「私は演技などというビッチ専用技は使わない」
「専用技? 何を言ってるのかしら? あなただって日頃本性を人に見せずに、演技しているでしょう? あと、表現力があると言いなさいよ」
「そもそも私は本性を見せる相手がいない。私とは無縁のことだ」
「「なっ…」」
俺と瑞穂が息を詰まらせる。堂々と悲しいこと言えるこいつがこの中で1番残念なのかもしれない。
改めて思う。女子は怖い。
会って早々に口喧嘩を繰り広げる2人。
「…、喧嘩するほど仲がいいって言うし…」
「「言わねーよ」」
2人の声が重なった。どうやら、2人の中では言わないらしい。
「あ、あのさ。とりあえず喧嘩をやめ」
「ふん、どうした? 都合の悪いことでも言われたか?」
「黙れ。貴様みたいな無名生徒に言われたくないわよ」
「この学校で有名だからって、得することなどない。こんな規模の小さいところで有名になったところで…」
「なっ、…、し、嫉妬してるのかしらね? この私に」
「嫉妬などしていない。ただ、この規模の小さい中で有名になったところで得することなどないと言っているだけだ」
「む…」
瑞穂が押されている。この口喧嘩、ずいぶん静かだなー、と思っていた矢先。
「どうした? 正論をぶつけられて言葉も出ないか? んん?」
露骨にじわじわと責めている。正直、冷夏の方が性格が悪いようにしか見えない。
「ぐ、むぅ…」
イライラしている瑞穂。しかし、そんなことにお構いなしにどんどん言葉を出していく。
「ほら? なんとかいってみろ。有名人の霧林瑞穂さん?」
有名人という言葉を何故か主張している。それに意味あるの?
「ぐぐぐぐぐ・・・・」
瑞穂のイライラがどんどんたまっていく。
「…、何か言えよブタ」
「ッ!」
ついにイライラが爆発し、テーブルを思いっきりたたきつけて立ち上がった。
「お前みたいな糞女ビッチババアに言われたくないわよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
とか、半泣き状態で叫んでそのまま部室から飛び出してしまった。
「ふっ、やっと行ったか。しつこい奴だったな」
「……」
俺は言葉も出なかった。それだけ醜かったということだろうか。
「…、あれ?」
テーブルの上に髪が置いてある。手に取り、それを見る。
「…、あいつちゃっかり入部届け置いていってるぞ」
「……」
冷夏は無言でそれを手に取ると、バッグを手に取り部室を出て行こうとした。
「おい、どこ行くんだよ」
「…、そんなの決まってるだろう」
そう言い残すと、部室から姿を消した。
これが冷夏じゃなければどれだけ格好よかったことか。
ω
1夜開けての放課後。
俺が部室に行くと、そこには2人の女子生徒の姿があった。
1人は冷夏だが、もう1人はだれか?
「ふん、昨日入部届けを出してやったのは私だぞ? そんなこと言っていいのか?」
「なっ、ぐ、うぅ……」
瑞穂だった。2人はすでに口喧嘩をしている様子。本当に仲いいなこいつら…。
「本当に仲いいなこいつら…」
「「よくねーよッ!!!」」
どうやら口に出してしまったらしい。やっぱり女って怖いわー。
「って、こいつ入部したのか?」
「ああ。私が入部届けを出した」
「お、お前が? あり得な」
「黙れデコ助野郎」
「……」
くそっ。心の中で吐き捨てた。デコが広くて、前髪がわきに行ってしまって目立っているし、言われても仕方ないよなー。
「まあ、これでこいつは私に頭が上がらないな」
「くっ」
本当に頭が上がっていない。冷夏の方がビッチにしか見えない。
「ま、まあ今回は礼を言ってあげてもいいけど…?」
デレキター。ついにデレたよこの女。正直にありがとうって言えよ。
「ふん。素直に「ありがとうございます」と言え」
もはや命令。しかし、入部届けを出してもらってお礼を言わないのは人間として間違っていると思う。
「お礼ぐらいは言っておくべきだとおもうけど」
俺が1度口をはさむ。
「あ、あんたがそう言うなら…」
何故か俺と話すときだけ態度が全く違うが、これに関して突っ込んだら負けだと思ってる。
瑞穂が冷夏の前まで行き、顔をひきつらせながら
「あ、あり、がががが、…、あ、と、とととととと、ぅ~~…」
日本語じゃない気がする。こいつはまともに礼を言う事も出来ないのか。
「こいつはまともに礼を言う事も出来ないのか」
「あ゛あ゛?」
「……、すんません」
また口に出してしまった。今日と昨日とであわせて2回。思ったことが口に出てしまうのはすいぶん不便というか、困る。
「それで、私への礼はまだか?」
「い、今言ったじゃないの!?」
「ん? 今のはビッチ特有の言語ではないのか? 私はそのような言葉を聞き取れないのでな。すまんがもう1度言ってくれ」
「ッ~、テッメェ…」
再び瑞穂が半泣きの状態になる。
しかし、以前の泣いたことが演技であったという前科があるため、冷夏は容赦なく次々と瑞穂を罵倒していく。
「ふん、さっさと礼を言え。なんだ、貴様はツンデレという人種か? いや、ツンしかない「ツンツン」か?」
「なっ、いつ私がデレたって言う」
「さっきビッチ語を言っているときにやたらと頬を赤色に染めていたではないか。あれが「デレ」というのだろう? 全く、これだから最近のビッチは演技がうまくて困る」
冷夏が途中で言葉をはさむ。
そこで、俺がこう言ってみた。
「お前だって瑞穂の入部届け出したじゃないか。あれだって「デレ」に入るんじゃないのか? ほら、それで「べ、別にあんたのために出したんじゃないんだかんねっ!」とか言ったら完全に…」
「あ゛あ゛?」
予想通りの反応が返ってきたため、俺はそのまま下を向いて1歩引く。やっぱり女は怖いわ。こん
なことを言えば必ずと言っていいほど言葉の圧力で男を沈めにかかるんだから。
「ほ、ほらあんただって人のこと言えないじゃないッ!! あんたのほうこそ「ビッチ」じゃないの!?」
「あ、今認めたな?」
冷夏が上げ足を取る。こういうのも何だが、非常に醜い。見てて悲しくなってくるというか、こ
いつらが女であるという認識が徐々に薄れてくる。もはや人間ではない「怪獣」とでも言ってもいいかもしれない。
ひでぇなと思いつつも俺は黙って見続けることにした。
「今、「あんたのほうこそ」と言ったな? ははっ、自ら地雷を踏みに来るとは。単純に馬鹿なのだな貴様は。全国のビッチに謝れ」
「ッ! あんたこそ全国のビッチに謝りなさいよ! ビッチがこの会話を聞いててみなさい? 私たち死ぬわよ!」
お前ら2人とも今すぐに謝っとけ。
会話の方向性が危なくなってきた。このまま続けると言いたい放題言うはずだ、絶対に。
まずいと思った俺は、ここで止めに入る。
「お前ら落ちつけよ、な? 今日はもうこれで…」
「デコ助は黙ってろ。辰、お前もう帰っていいぞ」
「え?」
「私もこれに関しては冷夏と同感だわ。正直言って、あなたいる意味「ない」じゃない」
「えっ!?」
「そういうことだ。存在意義が薄れてきているから、0になる前に、」
「簡潔に言うと、「邪魔」なの。こんな会話聞いててもあなた暇でしょ? だから、」
2人の言っていることが重なった。そして、
「帰れッ!!!」
俺はよろめいた。倒れそうになった。
「…帰る」
俺は無言でバッグを手に持つと、そのまま部室を後にした。
ドアを閉めてから、部室前でしばらく立ち尽くしていると、再び2人の声が聞こえてくる。
「…、今日は厄日だ」
涙を浮かべながら、俺は帰宅した。
これは余談だが、その後2人は喧嘩は毎日のようにするもの、周りからみれば普通の「友達」と認識できる程度になっていた。
こ、こいつらコミュ力がありすぎるぜ…!
こう思った時にはもう時すでに遅し。俺の周りでリア充が誕生してしまったことに、俺は不満だった。
ω
それから、代替2週間?
時間が経つのは早いもので、あれからあっという間に俺は空気になってしまった。いい加減男子生徒が入部してきてもいいんじゃないのかなーとか思ってはいるものの、もちろんこんな部活に入る人はいないわけで。
今日もいつも通り部室まで、校舎の繋ぐ渡り廊下を歩くわけなのだが、今日はそこでいつもとは違う出来事が待っていた。
「…?」
ふと、左を見てみると、しゃがみこんで「ニュフフ…」といった気持の悪い声を出している女子生徒の姿があった。どう見ても同学年ではあるが、同じ歳でこんな残念な奴がいると、とても情けなく、恥ずかしくなってくる。
俺はその場で立ち止まり、その女子がやっていることを観察することにする。もちろん、こんなことが他の生徒に見られたら、俺の疑わしい噂が流れるわけで、今は他の生徒がいないからサーフである。
「…、!?」
勝手に見ておきながら悪いが、非常に気持ち悪い。
彼女は急に立ち上がると奇妙な笑い声(さっきのニュフフにさらに気持ち悪さが追加された感じ)を上げながら、鼻血を垂らしている。しかも、大量に。
ぽと、ぽとと音を立てながら、赤色の円の数が徐々に増えていく。
「…、にゅふ、…~!?」
女子生徒がニヤニヤとして、鼻血を垂らして(奇妙な笑い声がセット)何故かこちらに顔を向け、驚愕の顔をしている。
「あ、あ、あァ…」
喉が詰まり、こんな声が漏れだす。彼女はポカーンとしてこちらを眺めながら、
「な、な…、い、今の見て…」
恐る恐る聞いてくる女子生徒に、俺は冷や汗を流してこくりとうなずく。
「………、あー見ちゃいましたかー」
しばらくの沈黙の後、俺に向かいそう言った。
「…、み、ちゃゃいィ、ましたァ…?」
何故か語尾に「?」が付いてしまった。しかも途中の言い方がいかにも自分のことを「コミュ障」と言っているようなものである。
彼女は再びポカーンとした顔でこう言ってきた。
「…ぁ、コミュ障、乙っす…」
案の定ばれた。第1印象は最悪である。相手も、俺も。
コミュ障とバレてしまった俺はこぶしを握り締め、開き直って、
「あ、あァそうだよぅ!(あれ? 何最後の(ぅ)って) おォれァ、こォ、ミュ障ゥだ、だだだ…」
完全に失敗した。とても恥ずかしい。そしてとても怖い。今すぐにでもここから立ち去りたい。ああ、そうだ立ち去ればいいんだ! そうすれば話さなくて済む!
でも、どうやって逃げる?
無言で突然ダッシュ、っていうのも浮かんだが、これって後々妙な事を言われると非常に厄介である。さらに俺のイメージダウンにもつながる。
ここで最善の案は、適当に言って逃げる。普段使っている言葉で、尚且つ逃げることが可能な言葉は、
「…あ、フレに呼ばれたんで落ちますね」
俺は「^^」という顔をして、いつもとは異なる綺麗な声で言った。相手はまたもや「( ゚д゚ )」という顔をしている。
「……、なんだ廃人か。この効率厨め」
「ちげーよ!」
確かに多種類のゲームをプレイするが、俺はそのような「効率」優先のプレイは絶対にしていない。別にそれが悪いというわけでもないが、個人的にはあまり好きではない。
「え? 違うの? コミュ障でネトゲ廃人だったら面白かったのに…、チッ」
「お前今舌打ちしたな?」
「してない」
「じゃあ今の「チッ」って何だよ!」
「空耳だよ」
「ねーよ!」
あー、話して疲れるのって何年ぶりだろう。本当に話すのに慣れていないことを、俺はここで強く痛感した。
あー、もう何か疲れた。もう部室行こう。
俺はいつの間にか自分の足元に落としていたバッグを拾うと、そのまま渡り廊下を渡ろうとした。が、
「いやいやいやいやいや」
女子生徒がこちらに走ってきた。
「バッグを拾ったと思ったら何の言葉もなしに立ち去るとか、どんだけ話すの嫌なんだよ!」
「……」
「コミュ障特有の無言の圧力ですねわかります」
ドンッ。
バッグを横に振って腰に直撃させる。反動で女子生徒はそのまま転がる。はっきり言うとシュールである。思わず鼻で笑うと、
「自分でやっといて鼻で笑うとか…、あんたは鬼か…」
立ち上がると、彼女は手で腰のあたりのほこりをはたく。その時にポニーテールがユラユラ揺れている。そちらのほうばかりに目が行ってしまう。
「…、って。あなたいつも1人でいるなんとか辰?」
「峰嶋辰(みねしまたつ)…」
「あー、そうそう。で、ぼっちの君がこんなところを何で歩いてたのかな?」
わざとらしく、挑発するかのように言う。カチンと来たので、俺は無視してスタスタと部室へ歩き始める。
「ちょっと! スルーってありかよっ!?」
ああ、追いかけてきた。面倒だな。とりあえず振り返るかな。
振り返り、睨みつける。
「何?」
「いや、だからどこ行くの?」
「部室」
「…、へー。部活入ってるのー? なんて部活?」
「通信部」
「…、面白そうだね。ちょっとついて行っていい?」
「断る」
キッパリと断り、俺は再び足を動かして、階段に1歩足を踏み入れた。その時だった。ここで不幸が俺を襲う。
「ちょっと、って、きゃああああああっ!?」
またこいつか、と心の中で思っていた矢先のこと。彼女がこけて俺にぶつかってきた。
「うあっ」
バランスを崩した俺は、そのまま彼女と一緒に転げ落ちた。
いてぇ。
この1言に尽きる。
「いつつ…」
俺が起き上がと、彼女はすでに起き上がっており、しゃがみ込んで俺に背中を向けて頭と腰を抑えている。
って、ちょっと、スカートが―
いつも気にしないはずのところに目が行ってしまった。
何やってんの俺ええええええええっ!? これはお年頃の男子中学生には刺激が強すぎるんだよ! あ、見える見えるうううううっ。
「あ、ちょっ、っと…、っ!!?」
いきなり彼女がバランスを崩して横に転がった。太ももと太ももあの間から―。
「いてて、…、あ、ごめん大丈、…、顔が赤いね」
やっと立ち上がると、こちらに駆け寄ってきて心配してくれる、はずだったが俺の顔を見て殺意へと変わった。
「…、見えそうだったとか?」
「見えてない見えてない見えてない」
ああ、そうだこれは悪い夢なんだ。そう思いたいけど、これは現実である。
「まあいいや。さ、速く部室いこ」
彼女が手を差し伸べてきた。俺は一瞬抵抗を感じたが、そのまま手を握って立ち上がる。
「そういえば、名前―」
「手毬綾(てまりあや)。よろしくね」
そういうと、綾はスタスタと階段を下りて行ってしまった。
本当に、部員になるのだろうか?
あとがき
大変お待たせしました!
リアルが大変でなかなかこちらに手がつかなくて、申し訳ありません。
あれ? 今爆発とか聞こえたような(´;ω;`)
これからは月1回は必ず更新できるよう努力していきたいと思っています。なお、どこかおかしいところ、そして「つまんねー」という方はメッセージやらコメントやらで遠慮なく申してください。どうにかして皆さんに面白いと思って貰える文章を書きあげますので…。
では、また次にお会いしましょう。
「さ、最初は、その、強気で行こうと思ってあんな風になっちゃって、それで、その、うぅぅ…」
「ふん、こんな演技をするビッチなどこの部活にいらん」
「いや、これは流石に演技じゃないと思うんだけど」
「騙されるな。こういう泣けばいいと思っている女ほどビッチなんだか」
「うぅ…、はぁ」
俺と冷夏がゴチャゴチャ言っている間に、瑞穂が当然ため息をついた。
「? どうかし」
「さっきから私のことビッチとか言ってるお前の方がビッチだろうがこの糞腐れビッチが」
は?
態度が急変した為、俺は口が開いてしまっている。
「ふん、本性を見せたか。演技が下手だな」
「下手? 下手とか言うんだったらお前やってみろよ」
「私は演技などというビッチ専用技は使わない」
「専用技? 何を言ってるのかしら? あなただって日頃本性を人に見せずに、演技しているでしょう? あと、表現力があると言いなさいよ」
「そもそも私は本性を見せる相手がいない。私とは無縁のことだ」
「「なっ…」」
俺と瑞穂が息を詰まらせる。堂々と悲しいこと言えるこいつがこの中で1番残念なのかもしれない。
改めて思う。女子は怖い。
会って早々に口喧嘩を繰り広げる2人。
「…、喧嘩するほど仲がいいって言うし…」
「「言わねーよ」」
2人の声が重なった。どうやら、2人の中では言わないらしい。
「あ、あのさ。とりあえず喧嘩をやめ」
「ふん、どうした? 都合の悪いことでも言われたか?」
「黙れ。貴様みたいな無名生徒に言われたくないわよ」
「この学校で有名だからって、得することなどない。こんな規模の小さいところで有名になったところで…」
「なっ、…、し、嫉妬してるのかしらね? この私に」
「嫉妬などしていない。ただ、この規模の小さい中で有名になったところで得することなどないと言っているだけだ」
「む…」
瑞穂が押されている。この口喧嘩、ずいぶん静かだなー、と思っていた矢先。
「どうした? 正論をぶつけられて言葉も出ないか? んん?」
露骨にじわじわと責めている。正直、冷夏の方が性格が悪いようにしか見えない。
「ぐ、むぅ…」
イライラしている瑞穂。しかし、そんなことにお構いなしにどんどん言葉を出していく。
「ほら? なんとかいってみろ。有名人の霧林瑞穂さん?」
有名人という言葉を何故か主張している。それに意味あるの?
「ぐぐぐぐぐ・・・・」
瑞穂のイライラがどんどんたまっていく。
「…、何か言えよブタ」
「ッ!」
ついにイライラが爆発し、テーブルを思いっきりたたきつけて立ち上がった。
「お前みたいな糞女ビッチババアに言われたくないわよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」
とか、半泣き状態で叫んでそのまま部室から飛び出してしまった。
「ふっ、やっと行ったか。しつこい奴だったな」
「……」
俺は言葉も出なかった。それだけ醜かったということだろうか。
「…、あれ?」
テーブルの上に髪が置いてある。手に取り、それを見る。
「…、あいつちゃっかり入部届け置いていってるぞ」
「……」
冷夏は無言でそれを手に取ると、バッグを手に取り部室を出て行こうとした。
「おい、どこ行くんだよ」
「…、そんなの決まってるだろう」
そう言い残すと、部室から姿を消した。
これが冷夏じゃなければどれだけ格好よかったことか。
ω
1夜開けての放課後。
俺が部室に行くと、そこには2人の女子生徒の姿があった。
1人は冷夏だが、もう1人はだれか?
「ふん、昨日入部届けを出してやったのは私だぞ? そんなこと言っていいのか?」
「なっ、ぐ、うぅ……」
瑞穂だった。2人はすでに口喧嘩をしている様子。本当に仲いいなこいつら…。
「本当に仲いいなこいつら…」
「「よくねーよッ!!!」」
どうやら口に出してしまったらしい。やっぱり女って怖いわー。
「って、こいつ入部したのか?」
「ああ。私が入部届けを出した」
「お、お前が? あり得な」
「黙れデコ助野郎」
「……」
くそっ。心の中で吐き捨てた。デコが広くて、前髪がわきに行ってしまって目立っているし、言われても仕方ないよなー。
「まあ、これでこいつは私に頭が上がらないな」
「くっ」
本当に頭が上がっていない。冷夏の方がビッチにしか見えない。
「ま、まあ今回は礼を言ってあげてもいいけど…?」
デレキター。ついにデレたよこの女。正直にありがとうって言えよ。
「ふん。素直に「ありがとうございます」と言え」
もはや命令。しかし、入部届けを出してもらってお礼を言わないのは人間として間違っていると思う。
「お礼ぐらいは言っておくべきだとおもうけど」
俺が1度口をはさむ。
「あ、あんたがそう言うなら…」
何故か俺と話すときだけ態度が全く違うが、これに関して突っ込んだら負けだと思ってる。
瑞穂が冷夏の前まで行き、顔をひきつらせながら
「あ、あり、がががが、…、あ、と、とととととと、ぅ~~…」
日本語じゃない気がする。こいつはまともに礼を言う事も出来ないのか。
「こいつはまともに礼を言う事も出来ないのか」
「あ゛あ゛?」
「……、すんません」
また口に出してしまった。今日と昨日とであわせて2回。思ったことが口に出てしまうのはすいぶん不便というか、困る。
「それで、私への礼はまだか?」
「い、今言ったじゃないの!?」
「ん? 今のはビッチ特有の言語ではないのか? 私はそのような言葉を聞き取れないのでな。すまんがもう1度言ってくれ」
「ッ~、テッメェ…」
再び瑞穂が半泣きの状態になる。
しかし、以前の泣いたことが演技であったという前科があるため、冷夏は容赦なく次々と瑞穂を罵倒していく。
「ふん、さっさと礼を言え。なんだ、貴様はツンデレという人種か? いや、ツンしかない「ツンツン」か?」
「なっ、いつ私がデレたって言う」
「さっきビッチ語を言っているときにやたらと頬を赤色に染めていたではないか。あれが「デレ」というのだろう? 全く、これだから最近のビッチは演技がうまくて困る」
冷夏が途中で言葉をはさむ。
そこで、俺がこう言ってみた。
「お前だって瑞穂の入部届け出したじゃないか。あれだって「デレ」に入るんじゃないのか? ほら、それで「べ、別にあんたのために出したんじゃないんだかんねっ!」とか言ったら完全に…」
「あ゛あ゛?」
予想通りの反応が返ってきたため、俺はそのまま下を向いて1歩引く。やっぱり女は怖いわ。こん
なことを言えば必ずと言っていいほど言葉の圧力で男を沈めにかかるんだから。
「ほ、ほらあんただって人のこと言えないじゃないッ!! あんたのほうこそ「ビッチ」じゃないの!?」
「あ、今認めたな?」
冷夏が上げ足を取る。こういうのも何だが、非常に醜い。見てて悲しくなってくるというか、こ
いつらが女であるという認識が徐々に薄れてくる。もはや人間ではない「怪獣」とでも言ってもいいかもしれない。
ひでぇなと思いつつも俺は黙って見続けることにした。
「今、「あんたのほうこそ」と言ったな? ははっ、自ら地雷を踏みに来るとは。単純に馬鹿なのだな貴様は。全国のビッチに謝れ」
「ッ! あんたこそ全国のビッチに謝りなさいよ! ビッチがこの会話を聞いててみなさい? 私たち死ぬわよ!」
お前ら2人とも今すぐに謝っとけ。
会話の方向性が危なくなってきた。このまま続けると言いたい放題言うはずだ、絶対に。
まずいと思った俺は、ここで止めに入る。
「お前ら落ちつけよ、な? 今日はもうこれで…」
「デコ助は黙ってろ。辰、お前もう帰っていいぞ」
「え?」
「私もこれに関しては冷夏と同感だわ。正直言って、あなたいる意味「ない」じゃない」
「えっ!?」
「そういうことだ。存在意義が薄れてきているから、0になる前に、」
「簡潔に言うと、「邪魔」なの。こんな会話聞いててもあなた暇でしょ? だから、」
2人の言っていることが重なった。そして、
「帰れッ!!!」
俺はよろめいた。倒れそうになった。
「…帰る」
俺は無言でバッグを手に持つと、そのまま部室を後にした。
ドアを閉めてから、部室前でしばらく立ち尽くしていると、再び2人の声が聞こえてくる。
「…、今日は厄日だ」
涙を浮かべながら、俺は帰宅した。
これは余談だが、その後2人は喧嘩は毎日のようにするもの、周りからみれば普通の「友達」と認識できる程度になっていた。
こ、こいつらコミュ力がありすぎるぜ…!
こう思った時にはもう時すでに遅し。俺の周りでリア充が誕生してしまったことに、俺は不満だった。
ω
それから、代替2週間?
時間が経つのは早いもので、あれからあっという間に俺は空気になってしまった。いい加減男子生徒が入部してきてもいいんじゃないのかなーとか思ってはいるものの、もちろんこんな部活に入る人はいないわけで。
今日もいつも通り部室まで、校舎の繋ぐ渡り廊下を歩くわけなのだが、今日はそこでいつもとは違う出来事が待っていた。
「…?」
ふと、左を見てみると、しゃがみこんで「ニュフフ…」といった気持の悪い声を出している女子生徒の姿があった。どう見ても同学年ではあるが、同じ歳でこんな残念な奴がいると、とても情けなく、恥ずかしくなってくる。
俺はその場で立ち止まり、その女子がやっていることを観察することにする。もちろん、こんなことが他の生徒に見られたら、俺の疑わしい噂が流れるわけで、今は他の生徒がいないからサーフである。
「…、!?」
勝手に見ておきながら悪いが、非常に気持ち悪い。
彼女は急に立ち上がると奇妙な笑い声(さっきのニュフフにさらに気持ち悪さが追加された感じ)を上げながら、鼻血を垂らしている。しかも、大量に。
ぽと、ぽとと音を立てながら、赤色の円の数が徐々に増えていく。
「…、にゅふ、…~!?」
女子生徒がニヤニヤとして、鼻血を垂らして(奇妙な笑い声がセット)何故かこちらに顔を向け、驚愕の顔をしている。
「あ、あ、あァ…」
喉が詰まり、こんな声が漏れだす。彼女はポカーンとしてこちらを眺めながら、
「な、な…、い、今の見て…」
恐る恐る聞いてくる女子生徒に、俺は冷や汗を流してこくりとうなずく。
「………、あー見ちゃいましたかー」
しばらくの沈黙の後、俺に向かいそう言った。
「…、み、ちゃゃいィ、ましたァ…?」
何故か語尾に「?」が付いてしまった。しかも途中の言い方がいかにも自分のことを「コミュ障」と言っているようなものである。
彼女は再びポカーンとした顔でこう言ってきた。
「…ぁ、コミュ障、乙っす…」
案の定ばれた。第1印象は最悪である。相手も、俺も。
コミュ障とバレてしまった俺はこぶしを握り締め、開き直って、
「あ、あァそうだよぅ!(あれ? 何最後の(ぅ)って) おォれァ、こォ、ミュ障ゥだ、だだだ…」
完全に失敗した。とても恥ずかしい。そしてとても怖い。今すぐにでもここから立ち去りたい。ああ、そうだ立ち去ればいいんだ! そうすれば話さなくて済む!
でも、どうやって逃げる?
無言で突然ダッシュ、っていうのも浮かんだが、これって後々妙な事を言われると非常に厄介である。さらに俺のイメージダウンにもつながる。
ここで最善の案は、適当に言って逃げる。普段使っている言葉で、尚且つ逃げることが可能な言葉は、
「…あ、フレに呼ばれたんで落ちますね」
俺は「^^」という顔をして、いつもとは異なる綺麗な声で言った。相手はまたもや「( ゚д゚ )」という顔をしている。
「……、なんだ廃人か。この効率厨め」
「ちげーよ!」
確かに多種類のゲームをプレイするが、俺はそのような「効率」優先のプレイは絶対にしていない。別にそれが悪いというわけでもないが、個人的にはあまり好きではない。
「え? 違うの? コミュ障でネトゲ廃人だったら面白かったのに…、チッ」
「お前今舌打ちしたな?」
「してない」
「じゃあ今の「チッ」って何だよ!」
「空耳だよ」
「ねーよ!」
あー、話して疲れるのって何年ぶりだろう。本当に話すのに慣れていないことを、俺はここで強く痛感した。
あー、もう何か疲れた。もう部室行こう。
俺はいつの間にか自分の足元に落としていたバッグを拾うと、そのまま渡り廊下を渡ろうとした。が、
「いやいやいやいやいや」
女子生徒がこちらに走ってきた。
「バッグを拾ったと思ったら何の言葉もなしに立ち去るとか、どんだけ話すの嫌なんだよ!」
「……」
「コミュ障特有の無言の圧力ですねわかります」
ドンッ。
バッグを横に振って腰に直撃させる。反動で女子生徒はそのまま転がる。はっきり言うとシュールである。思わず鼻で笑うと、
「自分でやっといて鼻で笑うとか…、あんたは鬼か…」
立ち上がると、彼女は手で腰のあたりのほこりをはたく。その時にポニーテールがユラユラ揺れている。そちらのほうばかりに目が行ってしまう。
「…、って。あなたいつも1人でいるなんとか辰?」
「峰嶋辰(みねしまたつ)…」
「あー、そうそう。で、ぼっちの君がこんなところを何で歩いてたのかな?」
わざとらしく、挑発するかのように言う。カチンと来たので、俺は無視してスタスタと部室へ歩き始める。
「ちょっと! スルーってありかよっ!?」
ああ、追いかけてきた。面倒だな。とりあえず振り返るかな。
振り返り、睨みつける。
「何?」
「いや、だからどこ行くの?」
「部室」
「…、へー。部活入ってるのー? なんて部活?」
「通信部」
「…、面白そうだね。ちょっとついて行っていい?」
「断る」
キッパリと断り、俺は再び足を動かして、階段に1歩足を踏み入れた。その時だった。ここで不幸が俺を襲う。
「ちょっと、って、きゃああああああっ!?」
またこいつか、と心の中で思っていた矢先のこと。彼女がこけて俺にぶつかってきた。
「うあっ」
バランスを崩した俺は、そのまま彼女と一緒に転げ落ちた。
いてぇ。
この1言に尽きる。
「いつつ…」
俺が起き上がと、彼女はすでに起き上がっており、しゃがみ込んで俺に背中を向けて頭と腰を抑えている。
って、ちょっと、スカートが―
いつも気にしないはずのところに目が行ってしまった。
何やってんの俺ええええええええっ!? これはお年頃の男子中学生には刺激が強すぎるんだよ! あ、見える見えるうううううっ。
「あ、ちょっ、っと…、っ!!?」
いきなり彼女がバランスを崩して横に転がった。太ももと太ももあの間から―。
「いてて、…、あ、ごめん大丈、…、顔が赤いね」
やっと立ち上がると、こちらに駆け寄ってきて心配してくれる、はずだったが俺の顔を見て殺意へと変わった。
「…、見えそうだったとか?」
「見えてない見えてない見えてない」
ああ、そうだこれは悪い夢なんだ。そう思いたいけど、これは現実である。
「まあいいや。さ、速く部室いこ」
彼女が手を差し伸べてきた。俺は一瞬抵抗を感じたが、そのまま手を握って立ち上がる。
「そういえば、名前―」
「手毬綾(てまりあや)。よろしくね」
そういうと、綾はスタスタと階段を下りて行ってしまった。
本当に、部員になるのだろうか?
あとがき
大変お待たせしました!
リアルが大変でなかなかこちらに手がつかなくて、申し訳ありません。
あれ? 今爆発とか聞こえたような(´;ω;`)
これからは月1回は必ず更新できるよう努力していきたいと思っています。なお、どこかおかしいところ、そして「つまんねー」という方はメッセージやらコメントやらで遠慮なく申してください。どうにかして皆さんに面白いと思って貰える文章を書きあげますので…。
では、また次にお会いしましょう。
学校。
そこは学生が集う「リア充のたまり場」である。しかし、例外がある。
クラスに馴染めない、人と関わるのが苦手、これらの学生たちは基本的に「1人」で過ごす。修学旅行の班決めの時はいつもあまってしまいとりあえず空いてるところに入る、休み時間はトイレで過ごしたり、テスト前は1人で勉強したり、など。
1人でいることは悪いことではない。友達が少ない=悪いこと、という考えは少し違う気がする。しかし、やはり1人では生活に支障がでることが多々ある。
これは、そんな学生たちが集まると、どうなるかの話。
「―と、今日の授業はここまでです」
チャイムの音が学校中に響き、同時に教室の空気も一変した。当然だと言える。この説明はもう小学生から何度も聞かされているのだから。俺は、心のどこかでこれを「洗脳教育」と言っていたりする。多分、洗脳が目的ではないのだろうが、11年間もこれを聞かせれているとこういう考えも自然に生まれてしまうだけだ。
この「中央情報高等学校」にはHR(ホームルーム)はない。授業が終了した時点で、生徒は自由の身となる。そのあと何をしてもおっけー、というのがこの学校だ。他の学校の比べて自由すぎるのもどうかと思うが、まあこれもいいのではと思っている。
帰りの支度を済ませてからすぐに教室を出る。もちろん、誰にも話しかけられない。このクラスに友達なんていないからね。
この学校の校舎は4つの3階建ての校舎がきれいに四角形を描いている。その西側に体育館があり、北側に校庭、そして南側と東側に駐輪場と校門がある。俺は、隣の校舎へ向かっている。どこへ行っても隣の校舎なのだが。正確には、南側の西校舎、「第4校舎」に向かっている。
第4校舎に入り、右側の階段を下りて2階へ向かう。
2階階段の右側すぐに、「文化室」というものがある。あまり存在意義がない部屋だが、現在ここは「部室」として使われている。
扉を開けて入ると、いつものように2人の男子生徒と、4人の女子生徒の姿があった。
「あ、きたか辰」
眼鏡の掛けた男子生徒が言った。もう1人の男子生徒はというと、本を読んでニヤニヤとしている。
あー、気持ち悪い。
いつのもように心の中で吐き捨て、中央のテーブルに荷物を投げ、ソファに腰をかける。
「あ、来てたの? ちーっす」
「おう」
ツインテールの茶髪女子生徒に珍しく挨拶されたので、とりあえず返事を返す。
「岬(みさき)先輩が挨拶…だと…? あぁ、やっぱり最終的には「bed end」なんですか」
「黙れ変態キモヲタ」
本を読んでいた、1つ学年が下の男子生徒が、顔を上げておかしなことを言った。そしていつも通り暴言を吐かれる。
照れなくなっていいんですよ? と、訳のわからないことを言って再び本を読み始めた。
これが俺の居場所、「通信部」だ。
学校の通信管理という上辺だけの活動内容で成立しているこの部活。実際は違う活動内容なので
ある。
それは、
「ねぇねぇ、聞いてよ! 私ね、今日ペン拾って貰ったんだよ!」
「リア充氏ね」
「ちょ、何それ!? 普通さ、そこ羨ましがるところでしょうが!」
この会話、かなり低レベルというか、聞いてて悲しくなる内容だ。それに、それだけのことで羨ましがる奴いるのかよ?
「あー、リア充アピールうぜぇ。1回鉛筆拾ってもらったぐらいで調子のんなこのく」
「そ、そんなことより! 今日新しいゲーム持ってきたんですけど誰かやりませんか!?」
ツインテールの紺色と黒の中間の色の髪の女子生徒が会話に割り込み、無理やり話を変えた。ナ
イスだ。
「え? ゲーム? なんてゲーム?」
「いやいや、人気ゲームのマイナーチェンジ版、「大暴走 物理シスターズ」ですよ! 前回よりさらに萌える戦いが繰り広げられているらしいですよ!」
「へぇ、燃える戦いね」
あれ? 2人の「もえる」、それぞれ漢字が違う気がするな。まあ気のせいだよね。
「じゃあ、」
「絶対やる! たまにはいいことするな腐れビッチイヤッフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」
ああ、やっぱり真っ先に食いついたのこいつか。本を読んでいたはずの男子生徒が、その手にコントローラーを持ち、すでにゲーム機本体のセットも完了している状態で叫んだ。
「あ、やっぱりお前かキモヲタ。私のことを「ビッチ」呼ばわりして。いいわよ、ゲームで私がビッチじゃないってことを証明してやるわ」
「は? お前ビッチだろバーカ。しかも、「腐れ」。ははっ、ゲームで勝ってお前がビッチだってことを改めて証明してやるよ」
こいつらやっぱりリア充だわ。見ててイライラする。
2人はコントローラーを持ち、約1分でさっそくバトルしている。
「死ねよクソビッチ」「CPと一緒に死んでろキモヲタ」など、聞き苦しいコメントが聞こえてくるが、他の部員は2人の会話をスルーする。最初に話に乗った女子生徒は、(´・ω・`)という顔をしている。
―おわかりいただけただろうか?
これだけでも、残念な奴らの集まりだということが分かるであろう。それで、本来の目的というのは、
「リア充に、俺はなる!」、である。
もう十分リア充だと思うのだが、こいつらはこれだけではまだリア充じゃないと言い張る。
ちなみに、俺は部活でも空気状態でたまに口を出す程度である。
一言言えるとしたら、「俺のまわりはリア充ばかり」ということである。ああまじリア充氏ねよ。
現在、部員は俺を含め7人である。現在に至るまで、約2カ月程度だ。2カ月でここまでなれるらしい。俺はなれないが。
ω
4月。学年が上がったのにもかかわらず、相変わらず俺には友達がいない。何がいけないのかはだいたい分かっているのだが、それはどうにもならないことなのである。
目つきが悪い、暗い。これらの原因を1時期なおそうとはしたが、駄目だった。今は完全に諦めているし、いまさら直す気もない。
1年の最初、俺は話しかけられたりした。しかし、それに対しての反応が「あ゛あ゛?」である。初対面の相手は当然「なんだこいつ」と思ったのだろう。そして、中学校が一緒だった奴に過去
どうだったー、とかさんざん言われて誰も俺に寄らなくなった。原因は同級生のDQN生徒だが、俺にも原因がある。俺は人とかかわるのは苦手だ。そのため、小学校の時は誰にも近寄られないよう、わざわざ目つきを悪くしていた。そして、近寄ってきたらすぐさま睨みつけて、どこかへ行く。あー、完全に小学校の時点で失敗してるわ俺。なぜ目つきを悪くしたし。
ともあれ、放課後になると俺はすぐに教室を出て、走って学校を出る。人のじろじろ見られるのも嫌いだからという理由もあるが、1番はこの環境に耐えられないからだ。こんな人がたくさんいるところ、来たくない、というのが本音。
下校途中、俺は忘れものに気付いた。
(教科書忘れた…)
面倒臭いと思いながら、俺はすぐさま学校へ戻り、「第3校舎」に向かう。教室は3階にある。「2-B」と書かれた札の下を通り、自席から教科書を取り出しバッグにしまう。そこで、すぐに帰っていれば、俺は今までどおりの学校生活を送っていた。しかし、俺は聞いてしまったのだ。
隣の教室から聞こえる笑い声を。
こんな時間に笑い声、明らかにおかしい。興味本心で、俺はわざわざ遠回りの道を選び、「2-C」の教室を覗こうとする。扉が閉まっていたが、音をたてないように扉を少しだけ開け、隙間からなかをのぞく。
窓側に1人の女子生徒が立っていた。黒髪のショートカット。胸は、まあまあ?
(え、おい1人じゃないか…)
1人なのに笑い声って、怪しすぎるだろ。少し観察しよう。
ストーカーみたいな行為を行っていることに、反省はしている。そして後悔もしている。
と、ここで女子生徒が何か言い始めた。
「あいつ、また私の噂たてやがって…、リア充死ね」
予想してたより、少し暗い声で言った。
ポカーンとした顔で眺めていたら、彼女は行動を起こした。
ガゴンッ! 机を蹴飛ばし、それをまた元に戻して再び蹴って…
蹴るたびに、「はははっ」とか、「ひひひっ」とか、気持ち悪い笑い声が聞こえてくる。ああ、悪魔だ。
「ひっ」
彼女をやっていること、そして笑い声に、思わず声を上げてしまった。それほど怖い。あまりよくない光景だ。あわてて口をふさぐが、彼女は今の声が聞こえてしまったらしい。こちらを見てスタスタと歩いてくる。近くで見てみると、目つきが俺のように悪い。
あ、俺終わったな。人生オワタな。
心の中で覚悟を決めた。彼女がドアを開けて、いよいよ。
と、予想通りの言葉が飛んできた。
「君、今の見てた?」
デスヨネー。でも、どう反応したらいいんだろう?
考えた末、出た言葉は
「ゆ、愉快…ですね」
あーあ、やっちまった。もう後戻りできねーよ。
「え?」
もちろん、相手は言葉が出ないんだが何だかで口をポカーンと開けている。そして、
「…、ははっ。君面白いな」
「え?」
心の底から言いたい。「え?」
なぜ今ので面白いってなるんですかねえ?
「あ、あの…」
「まさか、今のを愉快だけで終わらせる非リアだったとはな」
「あ゛?」
何故か主張された「非リア」という言葉にカチンときた。てか、なんで知ってるの?
「あ、えっと、何で知って…」
「いやだって、B組の前通る時、中を見るといつも君1人で本読んでるじゃないか。しかも、毎日」
「う…」
本当のことを言われて、のどが詰まる。
「私も人のこと言えないんだがな。あー、やっぱり私と仲間だったか。いやー、うれしいなー」
「……」
初対面でここまで話せたの初めてかも。そう思うと、少し顔がニヤけてくる。
「? 何ニヤニヤしてるんだ?」
「え、あ、その…」
「やっぱり、君面白いな」
えー。こうとしか言いようがない。
「名前は?」
「へ?」
「だから、名前だ。面白いから名前ぐらい聞いておきたい」
他人から名前を聞かれるのは初めてだ。と、いうより初めてのことばかりで発狂しそうだ。
「え、えっと…、「峰嶋 辰(みねしまたつ)」…」
「「峰嶋 辰」? 良い名前だな。私は「月縞 冷夏(つきしまれいか)」。よろしくな、辰」
「いきなり呼び捨て?」
「別にいいだろう? 私のことも「冷夏」と呼んでいいぞ」
「いいぞって、お前何様だよ」
「何か言ったか?」
「なんでもないです」
こいつと関わると、さらに俺の生活が崩壊していく気がする。なんでだろう、すごい胸騒ぎが。
「…あ、いいこと思いついた」
「え?」
「いや、何でもない。んー、帰ろ」
「は?」
冷夏は突然思いついた言葉を並べるようにして口を動かし、バッグを持って教室を出て行こうとする。
「え、あ、」
ガタン。
行ってしまった。
「えー」
ますます分からない人だなーと思う。愉快というより、「不思議」のほうがあってる気がする。
俺も、もう学校の用はないので、廊下に置きっぱなしのバッグを回収し、学校を後にした。
ω
自宅は学校から電車で20分程度のところ。駅を出て、少し歩けば、だ。
「ただいまー」
靴を脱ぎ捨て、リビングに入る。ソファにバッグを置くと、台所付近に垂れさがるエプロンを身につけて、そのまま夕食の用意をする。
父も母もいない。
父は海外に出張中だ。そして母は…、分からない。
父が言うには「離婚」したということらしいが、本当にそうか分からない。父を疑っているわけではないが、俺は何か違う事情が、とか思ってる。まあないと思うけどね。
テレビからは聞きなれた、アニメのキャラクターの声が聞こえてくる。おそらく、見ているのは俺の弟だが、弟のことは後に。
(冷夏…)
彼女のことが、頭から離れない。印象が強すぎる。やっぱり最初のあれは衝撃的すぎた。
放課後に、同級生の机を蹴飛ばす奴がどこにいるんだよ。しかも、あの笑い声。変態かよ。
ツッコミどころが多すぎるため、これ以上は触れないことにしよう、そう心に決めた。気にしても仕方ないし。
さて、じゃあさっそく料理を、
シュー、この音が俺の思考回路を止めた。
周りを見渡し、音の発信源を探すと、
「あ、うわあああああああっ!? 段ボール箱から煙ー!?」
弟の叫び声。ああ、あのテレビの寿命か。新しいの買わないとなー。
今日って、もしかして厄日なのか?
ω
1夜開けての放課後。いつも通り走って下校しようとしたところ、
「待て、辰」
校門付近で聞き覚えのあるような声に呼び止められた。
「あ、冷夏」
やっぱり冷夏だった。やはり夕日に照らせれていようが、照らされていなかろうが可愛い。自分でも顔が熱くなってくるのが分かる。
「どうした顔を赤くして?」
「い、いやなんでも……」
「そうか。まあいい。今日はお前に用がある」
「用? 何だよそれ?」
こんな俺に用事があるなんて、暇な奴だなーとつくづく思う。
「辰。「通信部」に入れ」
「は?」
意味が分からない。話を聞いてみたら、いきなり部活に入れと命令される。
それより、この学校に通信部なんてあったっけ?
「えーっと、この学校に通信部なんて…」
「昨日作った」
「えー」
何だこの読めない展開は…!?
まるでリア充みたい。って、もしかして俺の人生に天気が…!
「まあ、「小湊(こみなと)先生」に無理やり頼んだら、部屋を貸してくれたってだけだ。第4校舎2階にある文化室だ」
「無理やり?」
冷夏が無理やりというと何だか怖い。無理やりって何したんだろう?
「あー、そう。じゃあ、ガンバ」
「は? 辰も入るんだ」
「え、俺は入らな」
「もう入部届け出しちゃったからな。強制入部だ」
「えー」
無茶苦茶すぎる。もう反抗する気もない。とりあえず全部任せちゃおうかな。
「ほら行くぞ」
ぼんやりしていたら、制服の襟を掴まれて引きずられるようにして校舎に引き戻された。
第4校舎2階にある「文化室」。
中はとても綺麗に整理されている。中央低めのテーブルが設置されており、その高さにあわせたソファが置かれている。それなりに高スペックのパソコンもおかれているし、最新の超薄型テレビもおかれているし、エアコンもあるし。何だこの部屋は。やけに金かかってるな。こんな金どこから出てくるんだかね。
「はあ…」
あまりに豪華な部屋にため息が出てしまう。
「はあじゃないぞ。さ、バッグを置け」
指示されるがままにバッグをテーブルに置く。冷夏はソファに座り早速くつろいでいる。俺もとりあえずソファに座る。
「で、何するんだよ」
「部員が足りん。だから募集かける」
「え、でも何かあるの?」
「ないな。でも」
「非リアならばこの部活の存在に気付くであろうさ」
「えっと、ここ通信部ですよね?」
「上辺だけな」
「えー」
こりゃ即効廃部になるな。あーあ、終わったなー。
そう思ってた時期が俺にもありました。
ドアから聞こえるノックする音。
「え? 嘘だろ!?」
「釣れたぞ! この私が華麗に釣りあげてやる!」
そういい、とてもうれしそうにドアの前まで行き、
ガチャ。ドアを開けると
「通信部ってここ? 入部したいんだけど」
「「……」」
こ、こんな奴が非リアな訳ない。
黒髪が太ももまで垂れ下がり、胸が尊重されている気がするほどでかい。そのうえスタイルの抜群だ。
この学校に通っていて知らない人などいない。彼女こそは、
「誰だ貴様。リア充は帰って死んでろ」
ガチャン。暴言を浴びせて勢いよくドアを閉めた。
「お、おい何してんだよ!? 入部希望者だぞ!?」
「え、だってあいつリア充オーラだしてるじゃないか」
「お、お前な…。それに、あいつはこの学校で有名な「霧林 瑞穂(きりばやしみずほ)」だぞ?」
「誰だそれは?」
「お、お前…」
話していると、ドアからドンドンと音が聞こえてくる。
「…、はあ」
冷夏がため息をつくと、仕方なさそうにドアノブに手を置く。
彼女にしては珍しく優しいのではないだろうか?
しかし、一瞬の出来事でその考えは崩壊した。
ガチャリ。ドアを開けると冷夏は上から目線で、
「ここはお前みたいなビッチが来る場所じゃない。帰って死んでろ」
ガチャン。再び暴言を浴びせてドアを勢いよく閉めた。
「お前最低だな。お前のほうがビッチだよ!」
「は? しつこいあの糞女のほうがビッチであろう? 私をあのような腐れビッチと一緒にするな」
「デスヨネー」
何回言っても聞きそうにない。俺はソファに深く座り込み、ため息をつく。
あ、いいこと思いついた。
俺は覚悟を決めて(決める必要なんてない)、
「あーあ、でもこのままだとこの部活廃部になっちゃうなー。せっかく作った意味がなくなっちゃうなー」
チラチラと冷夏を見ながら、挑発気味に言った。
これで釣れる。確信した。この勝負、もらったあああああああああ!
「ビッチを入れてまでこの部活を続けるつもりはない」
負けました。
「ふん、私を釣りあげるなど100年早い。出直すんだな」
しかも見抜かれていた。
やっぱり廃部か。まあ当然だよな。こんな部活が残るなんてあり得ない…
ドンドンッ。
え?
再びドアから音が聞こえてくる。しかも、先ほどより大きくなっている。
「…、無視するぞ」
「お、おう…」
とりあえず乗ってみることにする。
それから何回か音がして、やんだ。
「ふっ、諦めたか」
しかし、
ドンドンッ!!
再び音が大きくなった。
「…、流石にこれは」
俺でもこれは少ししつこすぎると思った。しかし、冷夏はそれには反応せずに普通に突っ立っている。
「…、音がしなくなったか。ようやく諦めたかあのビッ」
ドンドンドンドンドンドンドドドドドドンッ!!
「…、開けてやれよ」
「し、しかし…」
「流石に可哀そうだろう。あ、お前が開けないなら俺があけるぞ」
「あ、……むぅ」
少し不機嫌そうな顔をしてドアノブに手をかける。
ガチャリという音とともに姿を見せた「霧林 瑞穂」は、顔を赤くし、プルプル震え、半泣き状態だった。
あとがき
みなさんお久しぶり、かな?
初めての方は、初めまして。閲覧ありがとうございます。
さて、今回から「俺のまわりはリア充ばかりだ」というのを公開していきたいのですが、更新は不定期になります。疾走なんてもう2度としない。絶対に。(フラグ乙
さて、これ見ての通りこんな感じ何ですがね、面白いのかな?
見てて「つまんねーよ」と思った方はコメントに残してください。頑張って面白いのにしてみせるんだからね!
それでは、次回をお楽しみに。いつになるかはわかりませんが。
そこは学生が集う「リア充のたまり場」である。しかし、例外がある。
クラスに馴染めない、人と関わるのが苦手、これらの学生たちは基本的に「1人」で過ごす。修学旅行の班決めの時はいつもあまってしまいとりあえず空いてるところに入る、休み時間はトイレで過ごしたり、テスト前は1人で勉強したり、など。
1人でいることは悪いことではない。友達が少ない=悪いこと、という考えは少し違う気がする。しかし、やはり1人では生活に支障がでることが多々ある。
これは、そんな学生たちが集まると、どうなるかの話。
「―と、今日の授業はここまでです」
チャイムの音が学校中に響き、同時に教室の空気も一変した。当然だと言える。この説明はもう小学生から何度も聞かされているのだから。俺は、心のどこかでこれを「洗脳教育」と言っていたりする。多分、洗脳が目的ではないのだろうが、11年間もこれを聞かせれているとこういう考えも自然に生まれてしまうだけだ。
この「中央情報高等学校」にはHR(ホームルーム)はない。授業が終了した時点で、生徒は自由の身となる。そのあと何をしてもおっけー、というのがこの学校だ。他の学校の比べて自由すぎるのもどうかと思うが、まあこれもいいのではと思っている。
帰りの支度を済ませてからすぐに教室を出る。もちろん、誰にも話しかけられない。このクラスに友達なんていないからね。
この学校の校舎は4つの3階建ての校舎がきれいに四角形を描いている。その西側に体育館があり、北側に校庭、そして南側と東側に駐輪場と校門がある。俺は、隣の校舎へ向かっている。どこへ行っても隣の校舎なのだが。正確には、南側の西校舎、「第4校舎」に向かっている。
第4校舎に入り、右側の階段を下りて2階へ向かう。
2階階段の右側すぐに、「文化室」というものがある。あまり存在意義がない部屋だが、現在ここは「部室」として使われている。
扉を開けて入ると、いつものように2人の男子生徒と、4人の女子生徒の姿があった。
「あ、きたか辰」
眼鏡の掛けた男子生徒が言った。もう1人の男子生徒はというと、本を読んでニヤニヤとしている。
あー、気持ち悪い。
いつのもように心の中で吐き捨て、中央のテーブルに荷物を投げ、ソファに腰をかける。
「あ、来てたの? ちーっす」
「おう」
ツインテールの茶髪女子生徒に珍しく挨拶されたので、とりあえず返事を返す。
「岬(みさき)先輩が挨拶…だと…? あぁ、やっぱり最終的には「bed end」なんですか」
「黙れ変態キモヲタ」
本を読んでいた、1つ学年が下の男子生徒が、顔を上げておかしなことを言った。そしていつも通り暴言を吐かれる。
照れなくなっていいんですよ? と、訳のわからないことを言って再び本を読み始めた。
これが俺の居場所、「通信部」だ。
学校の通信管理という上辺だけの活動内容で成立しているこの部活。実際は違う活動内容なので
ある。
それは、
「ねぇねぇ、聞いてよ! 私ね、今日ペン拾って貰ったんだよ!」
「リア充氏ね」
「ちょ、何それ!? 普通さ、そこ羨ましがるところでしょうが!」
この会話、かなり低レベルというか、聞いてて悲しくなる内容だ。それに、それだけのことで羨ましがる奴いるのかよ?
「あー、リア充アピールうぜぇ。1回鉛筆拾ってもらったぐらいで調子のんなこのく」
「そ、そんなことより! 今日新しいゲーム持ってきたんですけど誰かやりませんか!?」
ツインテールの紺色と黒の中間の色の髪の女子生徒が会話に割り込み、無理やり話を変えた。ナ
イスだ。
「え? ゲーム? なんてゲーム?」
「いやいや、人気ゲームのマイナーチェンジ版、「大暴走 物理シスターズ」ですよ! 前回よりさらに萌える戦いが繰り広げられているらしいですよ!」
「へぇ、燃える戦いね」
あれ? 2人の「もえる」、それぞれ漢字が違う気がするな。まあ気のせいだよね。
「じゃあ、」
「絶対やる! たまにはいいことするな腐れビッチイヤッフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」
ああ、やっぱり真っ先に食いついたのこいつか。本を読んでいたはずの男子生徒が、その手にコントローラーを持ち、すでにゲーム機本体のセットも完了している状態で叫んだ。
「あ、やっぱりお前かキモヲタ。私のことを「ビッチ」呼ばわりして。いいわよ、ゲームで私がビッチじゃないってことを証明してやるわ」
「は? お前ビッチだろバーカ。しかも、「腐れ」。ははっ、ゲームで勝ってお前がビッチだってことを改めて証明してやるよ」
こいつらやっぱりリア充だわ。見ててイライラする。
2人はコントローラーを持ち、約1分でさっそくバトルしている。
「死ねよクソビッチ」「CPと一緒に死んでろキモヲタ」など、聞き苦しいコメントが聞こえてくるが、他の部員は2人の会話をスルーする。最初に話に乗った女子生徒は、(´・ω・`)という顔をしている。
―おわかりいただけただろうか?
これだけでも、残念な奴らの集まりだということが分かるであろう。それで、本来の目的というのは、
「リア充に、俺はなる!」、である。
もう十分リア充だと思うのだが、こいつらはこれだけではまだリア充じゃないと言い張る。
ちなみに、俺は部活でも空気状態でたまに口を出す程度である。
一言言えるとしたら、「俺のまわりはリア充ばかり」ということである。ああまじリア充氏ねよ。
現在、部員は俺を含め7人である。現在に至るまで、約2カ月程度だ。2カ月でここまでなれるらしい。俺はなれないが。
ω
4月。学年が上がったのにもかかわらず、相変わらず俺には友達がいない。何がいけないのかはだいたい分かっているのだが、それはどうにもならないことなのである。
目つきが悪い、暗い。これらの原因を1時期なおそうとはしたが、駄目だった。今は完全に諦めているし、いまさら直す気もない。
1年の最初、俺は話しかけられたりした。しかし、それに対しての反応が「あ゛あ゛?」である。初対面の相手は当然「なんだこいつ」と思ったのだろう。そして、中学校が一緒だった奴に過去
どうだったー、とかさんざん言われて誰も俺に寄らなくなった。原因は同級生のDQN生徒だが、俺にも原因がある。俺は人とかかわるのは苦手だ。そのため、小学校の時は誰にも近寄られないよう、わざわざ目つきを悪くしていた。そして、近寄ってきたらすぐさま睨みつけて、どこかへ行く。あー、完全に小学校の時点で失敗してるわ俺。なぜ目つきを悪くしたし。
ともあれ、放課後になると俺はすぐに教室を出て、走って学校を出る。人のじろじろ見られるのも嫌いだからという理由もあるが、1番はこの環境に耐えられないからだ。こんな人がたくさんいるところ、来たくない、というのが本音。
下校途中、俺は忘れものに気付いた。
(教科書忘れた…)
面倒臭いと思いながら、俺はすぐさま学校へ戻り、「第3校舎」に向かう。教室は3階にある。「2-B」と書かれた札の下を通り、自席から教科書を取り出しバッグにしまう。そこで、すぐに帰っていれば、俺は今までどおりの学校生活を送っていた。しかし、俺は聞いてしまったのだ。
隣の教室から聞こえる笑い声を。
こんな時間に笑い声、明らかにおかしい。興味本心で、俺はわざわざ遠回りの道を選び、「2-C」の教室を覗こうとする。扉が閉まっていたが、音をたてないように扉を少しだけ開け、隙間からなかをのぞく。
窓側に1人の女子生徒が立っていた。黒髪のショートカット。胸は、まあまあ?
(え、おい1人じゃないか…)
1人なのに笑い声って、怪しすぎるだろ。少し観察しよう。
ストーカーみたいな行為を行っていることに、反省はしている。そして後悔もしている。
と、ここで女子生徒が何か言い始めた。
「あいつ、また私の噂たてやがって…、リア充死ね」
予想してたより、少し暗い声で言った。
ポカーンとした顔で眺めていたら、彼女は行動を起こした。
ガゴンッ! 机を蹴飛ばし、それをまた元に戻して再び蹴って…
蹴るたびに、「はははっ」とか、「ひひひっ」とか、気持ち悪い笑い声が聞こえてくる。ああ、悪魔だ。
「ひっ」
彼女をやっていること、そして笑い声に、思わず声を上げてしまった。それほど怖い。あまりよくない光景だ。あわてて口をふさぐが、彼女は今の声が聞こえてしまったらしい。こちらを見てスタスタと歩いてくる。近くで見てみると、目つきが俺のように悪い。
あ、俺終わったな。人生オワタな。
心の中で覚悟を決めた。彼女がドアを開けて、いよいよ。
と、予想通りの言葉が飛んできた。
「君、今の見てた?」
デスヨネー。でも、どう反応したらいいんだろう?
考えた末、出た言葉は
「ゆ、愉快…ですね」
あーあ、やっちまった。もう後戻りできねーよ。
「え?」
もちろん、相手は言葉が出ないんだが何だかで口をポカーンと開けている。そして、
「…、ははっ。君面白いな」
「え?」
心の底から言いたい。「え?」
なぜ今ので面白いってなるんですかねえ?
「あ、あの…」
「まさか、今のを愉快だけで終わらせる非リアだったとはな」
「あ゛?」
何故か主張された「非リア」という言葉にカチンときた。てか、なんで知ってるの?
「あ、えっと、何で知って…」
「いやだって、B組の前通る時、中を見るといつも君1人で本読んでるじゃないか。しかも、毎日」
「う…」
本当のことを言われて、のどが詰まる。
「私も人のこと言えないんだがな。あー、やっぱり私と仲間だったか。いやー、うれしいなー」
「……」
初対面でここまで話せたの初めてかも。そう思うと、少し顔がニヤけてくる。
「? 何ニヤニヤしてるんだ?」
「え、あ、その…」
「やっぱり、君面白いな」
えー。こうとしか言いようがない。
「名前は?」
「へ?」
「だから、名前だ。面白いから名前ぐらい聞いておきたい」
他人から名前を聞かれるのは初めてだ。と、いうより初めてのことばかりで発狂しそうだ。
「え、えっと…、「峰嶋 辰(みねしまたつ)」…」
「「峰嶋 辰」? 良い名前だな。私は「月縞 冷夏(つきしまれいか)」。よろしくな、辰」
「いきなり呼び捨て?」
「別にいいだろう? 私のことも「冷夏」と呼んでいいぞ」
「いいぞって、お前何様だよ」
「何か言ったか?」
「なんでもないです」
こいつと関わると、さらに俺の生活が崩壊していく気がする。なんでだろう、すごい胸騒ぎが。
「…あ、いいこと思いついた」
「え?」
「いや、何でもない。んー、帰ろ」
「は?」
冷夏は突然思いついた言葉を並べるようにして口を動かし、バッグを持って教室を出て行こうとする。
「え、あ、」
ガタン。
行ってしまった。
「えー」
ますます分からない人だなーと思う。愉快というより、「不思議」のほうがあってる気がする。
俺も、もう学校の用はないので、廊下に置きっぱなしのバッグを回収し、学校を後にした。
ω
自宅は学校から電車で20分程度のところ。駅を出て、少し歩けば、だ。
「ただいまー」
靴を脱ぎ捨て、リビングに入る。ソファにバッグを置くと、台所付近に垂れさがるエプロンを身につけて、そのまま夕食の用意をする。
父も母もいない。
父は海外に出張中だ。そして母は…、分からない。
父が言うには「離婚」したということらしいが、本当にそうか分からない。父を疑っているわけではないが、俺は何か違う事情が、とか思ってる。まあないと思うけどね。
テレビからは聞きなれた、アニメのキャラクターの声が聞こえてくる。おそらく、見ているのは俺の弟だが、弟のことは後に。
(冷夏…)
彼女のことが、頭から離れない。印象が強すぎる。やっぱり最初のあれは衝撃的すぎた。
放課後に、同級生の机を蹴飛ばす奴がどこにいるんだよ。しかも、あの笑い声。変態かよ。
ツッコミどころが多すぎるため、これ以上は触れないことにしよう、そう心に決めた。気にしても仕方ないし。
さて、じゃあさっそく料理を、
シュー、この音が俺の思考回路を止めた。
周りを見渡し、音の発信源を探すと、
「あ、うわあああああああっ!? 段ボール箱から煙ー!?」
弟の叫び声。ああ、あのテレビの寿命か。新しいの買わないとなー。
今日って、もしかして厄日なのか?
ω
1夜開けての放課後。いつも通り走って下校しようとしたところ、
「待て、辰」
校門付近で聞き覚えのあるような声に呼び止められた。
「あ、冷夏」
やっぱり冷夏だった。やはり夕日に照らせれていようが、照らされていなかろうが可愛い。自分でも顔が熱くなってくるのが分かる。
「どうした顔を赤くして?」
「い、いやなんでも……」
「そうか。まあいい。今日はお前に用がある」
「用? 何だよそれ?」
こんな俺に用事があるなんて、暇な奴だなーとつくづく思う。
「辰。「通信部」に入れ」
「は?」
意味が分からない。話を聞いてみたら、いきなり部活に入れと命令される。
それより、この学校に通信部なんてあったっけ?
「えーっと、この学校に通信部なんて…」
「昨日作った」
「えー」
何だこの読めない展開は…!?
まるでリア充みたい。って、もしかして俺の人生に天気が…!
「まあ、「小湊(こみなと)先生」に無理やり頼んだら、部屋を貸してくれたってだけだ。第4校舎2階にある文化室だ」
「無理やり?」
冷夏が無理やりというと何だか怖い。無理やりって何したんだろう?
「あー、そう。じゃあ、ガンバ」
「は? 辰も入るんだ」
「え、俺は入らな」
「もう入部届け出しちゃったからな。強制入部だ」
「えー」
無茶苦茶すぎる。もう反抗する気もない。とりあえず全部任せちゃおうかな。
「ほら行くぞ」
ぼんやりしていたら、制服の襟を掴まれて引きずられるようにして校舎に引き戻された。
第4校舎2階にある「文化室」。
中はとても綺麗に整理されている。中央低めのテーブルが設置されており、その高さにあわせたソファが置かれている。それなりに高スペックのパソコンもおかれているし、最新の超薄型テレビもおかれているし、エアコンもあるし。何だこの部屋は。やけに金かかってるな。こんな金どこから出てくるんだかね。
「はあ…」
あまりに豪華な部屋にため息が出てしまう。
「はあじゃないぞ。さ、バッグを置け」
指示されるがままにバッグをテーブルに置く。冷夏はソファに座り早速くつろいでいる。俺もとりあえずソファに座る。
「で、何するんだよ」
「部員が足りん。だから募集かける」
「え、でも何かあるの?」
「ないな。でも」
「非リアならばこの部活の存在に気付くであろうさ」
「えっと、ここ通信部ですよね?」
「上辺だけな」
「えー」
こりゃ即効廃部になるな。あーあ、終わったなー。
そう思ってた時期が俺にもありました。
ドアから聞こえるノックする音。
「え? 嘘だろ!?」
「釣れたぞ! この私が華麗に釣りあげてやる!」
そういい、とてもうれしそうにドアの前まで行き、
ガチャ。ドアを開けると
「通信部ってここ? 入部したいんだけど」
「「……」」
こ、こんな奴が非リアな訳ない。
黒髪が太ももまで垂れ下がり、胸が尊重されている気がするほどでかい。そのうえスタイルの抜群だ。
この学校に通っていて知らない人などいない。彼女こそは、
「誰だ貴様。リア充は帰って死んでろ」
ガチャン。暴言を浴びせて勢いよくドアを閉めた。
「お、おい何してんだよ!? 入部希望者だぞ!?」
「え、だってあいつリア充オーラだしてるじゃないか」
「お、お前な…。それに、あいつはこの学校で有名な「霧林 瑞穂(きりばやしみずほ)」だぞ?」
「誰だそれは?」
「お、お前…」
話していると、ドアからドンドンと音が聞こえてくる。
「…、はあ」
冷夏がため息をつくと、仕方なさそうにドアノブに手を置く。
彼女にしては珍しく優しいのではないだろうか?
しかし、一瞬の出来事でその考えは崩壊した。
ガチャリ。ドアを開けると冷夏は上から目線で、
「ここはお前みたいなビッチが来る場所じゃない。帰って死んでろ」
ガチャン。再び暴言を浴びせてドアを勢いよく閉めた。
「お前最低だな。お前のほうがビッチだよ!」
「は? しつこいあの糞女のほうがビッチであろう? 私をあのような腐れビッチと一緒にするな」
「デスヨネー」
何回言っても聞きそうにない。俺はソファに深く座り込み、ため息をつく。
あ、いいこと思いついた。
俺は覚悟を決めて(決める必要なんてない)、
「あーあ、でもこのままだとこの部活廃部になっちゃうなー。せっかく作った意味がなくなっちゃうなー」
チラチラと冷夏を見ながら、挑発気味に言った。
これで釣れる。確信した。この勝負、もらったあああああああああ!
「ビッチを入れてまでこの部活を続けるつもりはない」
負けました。
「ふん、私を釣りあげるなど100年早い。出直すんだな」
しかも見抜かれていた。
やっぱり廃部か。まあ当然だよな。こんな部活が残るなんてあり得ない…
ドンドンッ。
え?
再びドアから音が聞こえてくる。しかも、先ほどより大きくなっている。
「…、無視するぞ」
「お、おう…」
とりあえず乗ってみることにする。
それから何回か音がして、やんだ。
「ふっ、諦めたか」
しかし、
ドンドンッ!!
再び音が大きくなった。
「…、流石にこれは」
俺でもこれは少ししつこすぎると思った。しかし、冷夏はそれには反応せずに普通に突っ立っている。
「…、音がしなくなったか。ようやく諦めたかあのビッ」
ドンドンドンドンドンドンドドドドドドンッ!!
「…、開けてやれよ」
「し、しかし…」
「流石に可哀そうだろう。あ、お前が開けないなら俺があけるぞ」
「あ、……むぅ」
少し不機嫌そうな顔をしてドアノブに手をかける。
ガチャリという音とともに姿を見せた「霧林 瑞穂」は、顔を赤くし、プルプル震え、半泣き状態だった。
あとがき
みなさんお久しぶり、かな?
初めての方は、初めまして。閲覧ありがとうございます。
さて、今回から「俺のまわりはリア充ばかりだ」というのを公開していきたいのですが、更新は不定期になります。疾走なんてもう2度としない。絶対に。(フラグ乙
さて、これ見ての通りこんな感じ何ですがね、面白いのかな?
見てて「つまんねーよ」と思った方はコメントに残してください。頑張って面白いのにしてみせるんだからね!
それでは、次回をお楽しみに。いつになるかはわかりませんが。
えー、久しぶりの更新になるわけですが。たぶん皆さんこう思ってますよね?
「疾走ですねわかります^^」
してねーから!疾走なんてねーから!
と、こんな話よりも大事なことがあるわけですが。
えー、以前に更新していた「エネミー」ですが、設定とか、ストーリーとかただいまゴチャゴチャ状態です。て、いうよりやっぱり「あれ」のパクリにしか見えませんよね。
と、いうことですので。
更新を無期限にストップさせていただきます。
すいません。心からお詫びを申し上げます。ですが、その代わりにちょっと新しく考えているものがあります。代理ってやつですね。たぶんですけど、前のより面白いと思います。参考にしたものが一切ないのでオリジナル感が満載かもしれません。自分で何言ってんだおれ。恥ずかしー///
と、いうことで。次回作楽しみに待っててください。
追記
もうちょっとだけ待ってください!お願い!
書く時間がないの!いろんな意味で忙しい の!あ、別にリア充とかじゃないですよ?(チラッ
まあリア充だったらこんなこと書かないですむんですけどね^^
「疾走ですねわかります^^」
してねーから!疾走なんてねーから!
と、こんな話よりも大事なことがあるわけですが。
えー、以前に更新していた「エネミー」ですが、設定とか、ストーリーとかただいまゴチャゴチャ状態です。て、いうよりやっぱり「あれ」のパクリにしか見えませんよね。
と、いうことですので。
更新を無期限にストップさせていただきます。
すいません。心からお詫びを申し上げます。ですが、その代わりにちょっと新しく考えているものがあります。代理ってやつですね。たぶんですけど、前のより面白いと思います。参考にしたものが一切ないのでオリジナル感が満載かもしれません。自分で何言ってんだおれ。恥ずかしー///
と、いうことで。次回作楽しみに待っててください。
追記
もうちょっとだけ待ってください!お願い!
書く時間がないの!いろんな意味で忙しい の!あ、別にリア充とかじゃないですよ?(チラッ
まあリア充だったらこんなこと書かないですむんですけどね^^
