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小説(笑)を掲載しています。良かったら見ていってください。

「……、」

路地裏。嫌な空気が流れるこの場で一人の女性が両手に拳銃を持っていた。その前では大量の血を

流した男性が倒れている。

「ヒロミ。お前は…」

腰につけているケースに入っているループからアバターの声が聞こえる。ヒロミと呼ばれる女性は拳銃

を片側にあった焼却炉に微笑みながら投げ込むとその場から立ち去ろうとする。

「『トルネマン』、『美田 煉(みた れん)』、共にゲームオーバー。これで残るは私を含めて4人」

ゲーム開始からわずか1日。一人のゲーム参加者が殺された。


休日。いつも通り自宅警備に励む上谷 大介。デスクトップを使用して掲示板を閲覧している。

「大介。いい加減休日の過ごし方を見直したらどうだ?」

デスクトップの隣の充電台に設置してあるループからフリーズマンの声が聞こえる。マウスを動かしな

がら、

「平日はちゃんと大学行ってるから問題なし。どうせ卒業したら科学省に行くことになるし」

言葉の後にあくびをする。

しばらくして。ループがピピッ、と音を鳴らす。メールを受信したようだ。

「大介。メールだ」

「はいはい」

マウスから手をはなすと、充電台からループをはずして受信したメールの本文を読み上げる。

「…、桐谷からか。えっと…、『伝えておきたいことがある。極力インターネットへアバターをゲートインさ

せるのは控えろ。ゲーム参加者に遭遇したら自動的にゲートアウトのコードをロックされてしまう』、だっ

てさ。ということで、フリーズマンはしばらくインターネットには行けないね」

ループを充電台に再び奥と、マウスに手を置く。

「用事がない限り、どっかの誰かさんみたいに無意味にインターネットを使用することはない」

上谷をチラチラ見ながら言う。俺の事か、と心の中で思うと

「すいませんね、無意味に使ってて」

と、逆切れした時のような声でいう。

「全く、どうにかならないかね」


一夜明けて。上谷は大学の敷地内に入り、室内へ向かっていた。途中何度か周囲を見渡す。

「大介。何故さっきから周囲を警戒している」

「今日、大学でゲートインしなきゃならない授業があるんだ。その時にシンボル所有者に見つかったら大

変だろ?」

フリーズマンは適当に頷いて黙ってしまった。午前9時から10時。この時間に何も起こらなければいいと

思っていた。

「見つけた。上谷大介。この場所を使って上手くシンボルを壊す…!」

木の陰で上谷を見張っていた女性がループを見ながら言う。ヒロミだ。

「お前、自分が何をやっているのか分かっているのか!?」

ヒロミの言っていることに反発するアバター。どうやら、彼女のやり方が気に食わないようだ。

「あなたのわがままと、私たちの目的、どっちが大切かよく考えなさい。それにね、どのやり方を取ろう

が最終的には死人が出ることになるわ」

アバターは舌打ちをして黙った。ヒロミはループをしまって、横に置いていたバッグを片手で持つと別の

場所へ移動した。


授業が始まった。内容は各地で使われている、「トップサーバー」についてだ。トップサーバーとは各地

に散らばるサーバの親となって各サーバーを管理、そして信号を出して指示をする。コンピューターで言う「マザーコンピューター」だ。しかし、トップサーバーには欠点がある。それは、トップサーバーとサー

ーが連動していることだ。トップサーバーで起きた被害は各サーバーにも被害が伝わり、サーバー内

で被害が起きる。

授業中、上谷は説明を耳に入れるようにしてノートに落書きをしている。

(しっかり聞いてないと、後で後悔するぞ)

フリーズマンは小声で正論を言うが、上谷はそれを無視して落書きを続ける。フリーズマンはため息を

ついて説得することをやめた。

「えー、この大学で使われているトップサーバーは、各地にあるものと同じタイプで、大学にあるすべて

のサーバーの親となっている。言ってしまえば、トップサーバーが乗っ取られればこの学校を乗っ取られ

たも同然と言うことだ。それでは、今日はトップサーバーにアバターをゲートインさせて実際にどういうも

のなのか見てもらおう」

面倒くさそうに、ループを取り出して机に接続されている「アダプタ」に赤外線を使ってアバターをゲート

ンさせた。

(シンボルを破壊されないように、な)

心で呟いて、フリーズマンをゲートインさせた。


トップサーバーの中は数字だらけで見ているだけで頭が痛くなってしまうほどだ。フリーズマンは一人で

数字を眺めている。

「一人か」

嫌味ったらしく上谷に言われる。フリーズマンはあきれた顔で、

「少なくとも、お前より交流している」

と、言い返す。その後、中央部の柱に近づくとあるものが目に入った。何かが光っている。

「あれは…。上谷、ちょっといいか」

「あ、うん」

珍しく画面に集中していた上谷は普段から持ち歩いているバッグからキーボードを取り出して、ループ

に接続すると解析を始める。この程度の解析なら、わずか5秒で終わってしまう。

「えっと、!」

突然表情を変えると、上谷はフリーズマンに向けて強制的にコードを展開させてゲートアウトさせた。突

然戻されたフリーズマンは上谷にあたる。

「おい! 何だよ突然!?」

「…、あれは最近開発された『オール』と呼ばれる、電脳世界にいるアバターに無理やり…」

ドゴォン! 言葉が途切れた。大学中にこの音が響いた。上谷はその瞬間何が起こったのか、各机に必

ず置かれているモニターですべて見ていた。

アバターの体からdreamがはみ出して見えた瞬間、爆発して消えてしまった、これが同時に起きたため

大きな爆音になってしまったのだ。

「あのままいたら、俺も…」

考えただけで鳥肌が立ってしまう。さらに今度は、部屋にある機械から火が出て燃え広がっていく。

原因は爆発時にできた膨大な情報量をコンピューターがすべて処理をしようとしてオーバーヒートしてし

まったことだ。

「…、できるだけ大学内で逃げ回ったほうが…」

上谷がバッグを持って立ち上がると、室内から飛び出した。走っている途中。フリーズマンが、

「大学内にいたら危ないぞ!? すぐに敷地外に出て…」

と上谷を敷地外に出そうとする。しかし、

「俺はシンボル所有者。他の所有者に狙われている可能性は0ではないんだ。こんなのが各地で起こ

ったら大変だろ!? だから俺は敷地内で逃げ回ってんだよ!!」

爆発の中、上谷はひたすら走っている。

「見つけた。上谷大介…」

上谷が走って向かっている先にある木の陰から、双眼鏡を使って上谷を見ている。

「こんなことのために、何でこんなに死者が出ているんだ…」

「今までもあったでしょ? まだましなほうよ。…、では行きましょうか」

どこからかナイフを取り出して、上谷が走ってきたところにいきなり飛び出す。

ナイフを持った女性を見た上谷は急ブレーキをかけて、急いで引き返した。ヒロミはそのまま走って向か

ってくる。

「ま、まさかあいつ…、シンボル所有者か…?」

走りながら呟く。再び室内に戻って中をひたすら逃げ回る。

「大介。この学校はトップサーバーがあるんだろ? だったらそこに俺を送りこめ。トップサーバーとサー

バーは連動している、 だったらトップサーバーでセキュリティを展開すれば、各サーバーでもセキュリテ

ィが展開されてオールを止めることができるはずだ」

オールを止めてしまえば、爆発のもとになっているdreamも同時にデリートできる。フリーズマンはこう考

えた。

「わかった。じゃあ、俺はお前を送り込んだらすぐに走って逃げるからな」

フリーズマンがうなづいたのを見ると、上谷は自分の机に向かった。

ヒロミも走りながらループを取り出してアバターと話す。

「……、トップサーバーにゲートインさせる気ね。こっちも行くわよ」

「し、しかし…」

「いいから。トップサーバを使えばどうとでもなるわ」

アバターは黙った。ヒロミはループをしまうと、走ることに集中した。

(必ずゲームに勝利する。そうすれば、ヘイトを…!)

机の前。アダプタ経由でトップサーバーにアバターをゲートインさせる。

「フリーズマン。爆発の原因となっている『オール』があるのはここだけだ。ここをどうにかすれば他のサーバーも元に戻…!」

ガガンッ! 銃声が響いた。上谷はしゃがんでフリーズマンに再び話しかける。

「俺はあの女から逃げてるから、終わったら自分でコードを展開してループに戻ってこい」

「…。死ぬなよ」

一言残して、フリーズマンはトップサーバーの電脳の奥へと進んでいった。

(……、どうすれば…!)

銃声が聞こえたということは、近くにいるということだ。今、迂闊に移動すれば確実にやられてしまう。ル

ープをしまって、警戒しながら部屋を出ていく。


なんとか見つからずに出れた。これだけで汗をびっしょりとかいている。

(もしもの時に、俺も何かあれば…)

何か役に立つものをと思い、上谷はひたすら走り前あるはめになる。

「……、フリーズマンをゲートインされたわ。こちらもあなたをゲートインさせるから、フリーズマンをデリー

トしなさい」

「……ッ」

アバターの返事も聞かないまま、ヒロミは上谷が走り去って行ったあとに部屋に入り込むと近くにあったアダプ

タにアバターを送り込んだ。

「いい? フリーズマンをデリートすれば上谷大介も死ぬわ。くれぐれもデリートされないように」

そう言い残すと、ループをしまって上谷を追いかけに行った。

トップサーバーの電脳の中。アバターは上を眺めてしばらくボーっとしていた。

(こんなことのために、俺は…ッ)


電脳内部。柱に設置してあった「オール」をすべて破壊し、上谷に連絡を取ろうとするフリーズマン。しかし、何

故か繋がらない。

(…おかしい。ここの敷地内には電波状況が悪くなるような場所はないはず。…! まさか!?)

後ろを振り返ると、左手をドリルに変形させたアバターが立っている。

「お前、まさかあの女の…!」

「フリーズマン、情報通りだな」

トルネマン。右手に握っていたプログラムを腰のあたりにつけて、近づいてくる。おそらく、あれが電波状況を歩く

している原因だ。フリーズマンも拳を構えて態勢を整える。

(できればデリートはしたくない。でも、この状況じゃデリートしないとこちらがやられる…!)

「…ッ」

ビュンッ。突然始まった。足で地面を思いっきり蹴ったトルネマンはそのままドリルをフリーズマンの顔面を狙っ

た。フリーズマンは腰を下げて、片手を地面につけ足を広げると、ぐるりと一回転をし転ばせようとした。だがタイ

ミングよく飛んだ相手は、ドリルを猛スピードで回して下へ落下してくる。

「速いッ!」

思わず言葉を出してしまうほど速い。足で地面をけって後ろへ下がると、拳を少し大きめのバスターに変形させ

て連射を始めた。丁度落下してきた相手はドリルを手に戻して左手を地面につけて体を支えると、一瞬だけ足を

地面につけて再び上空へ上がっていってしまう。

「何度も通じるとでも思ったか!?」

バスターを撃つ方向を相手に合わせて連射する。トルネマンは両手で守りを固めるが、バランスを崩して地面に

墜落してしまう。

「ッ!?」

フリーズマンはバスターを拳に戻してトルネマンが落下した場所へ走って突っ込む。そして、上を向いて倒れて

いるトルネマンのマーク部分を狙って殴ろうとする。しかし、

「!?」

左手で軽々と押さえられてしまう。そして、今度はこちらが飛ばされてしまった。背中から落ちて、強打する。顔

をあげて、トルネマンを見るがすでに立ちあがって左手をドリルに変えていた。

「その程度で、俺は倒せない」


大学敷地内の西側にある倉庫前で、上谷は道具を探していた。

「…、!」

何故か、倉庫にはナイフが入っている。

これを持って、相手を切ったら俺は犯罪者になるのではないか? しかし、逃げてばかりではやがてこちらが

殺される。頭の中がゴチャゴチャしている。

「ここにいたかー」

のんびりした声が背後から聞こえた。振り返ればもう数メートルのところにたっていた。彼女はマシンガンやナイ

フ、さらには多数の小型爆弾を持っている。

「…、テロリスト?」

「まあ、ここは日本だし多少の武器しか使わないが、誰であろうがかかわった人物は一人残らず抹消する」

このままでは、確実に殺される。殺され、ゲームに敗北する。何を優先すべきか。法律か? 自分の身の安全

か? 迷った末に、出た結果は…、

「そんなもんで私を殺せるとでも?」

上谷は倉庫からナイフを取り出して右手で握る。上谷の体は震えていた。

「お前みたいな一般人に、私を殺せるかよ!」

急に目つきを変えて、マシンガンを連射し始めた。倉庫の陰に隠れて、深呼吸をする。しかし、いつまでもここが

安全というわけではない。相手は近くにいるのだ。次第に近づかれ、殺される。

(…、どうすれば)

その時、同時に二人のループにノイズが入る。確認すると、シンボルが文章の書いたファイルを開いていた。内

容は、ある一定の力を手に入れられるとのこと。しかし、これはランダムだ。何が手に入るかは使ってみなくては

わからない。

(…頼む!)

しかし、データを展開しても何も起こらない。一方、相手はループを武器にセットすることで、特殊な攻撃ができ

るという『武力展開』を手に入れる。

「ハハッ! お前のは役に立たない力のようだな。今すぐにでも殺してやるよ」

マシンガンにループをつなげて、連射する。すると、

ドゴォン! 威力が異常だった。頑丈なはずの倉庫を一瞬で半壊させてしまった。相手は連射をしながら笑っ

ている。

上谷は自分の手に入れた力がどのようなものなのか確認するためにシンボルの詳細を急いで確認する。どん

どん読んでいき、一番下にそれはあった。

「ハック…?」

ループを手に持って操作をするとデータが展開された。すると、ヒロミの近くにあった機械が突然爆発した。耳を

両手でおさえて、下を向いて爆風を避ける。

「何なんだよォ!?」

顔を上げると、倉庫から離れてこちらを睨みつける上谷の姿が見えた。先程とは態度が全く違う。片手にはナイ

フを、片手にはループを持っている。

「なめやがってぇぇぇええええええええッ!」

人が変わったかのような口調で叫び、ナイフを強く握って突っ込んでくる。上谷は左側に避けてもういらなくなっ

た端末を投げつけて爆発させた。

手を顔の前でクロスさせて守ったようだが、そこ代わりに腕から血が流れる。上谷を見ると、こちらを睨みつけて

まるで別人のように見える。

「『サイバーハック』」


「サーバー、電脳、すべて完璧にそろった。ここが、新たな集会所だ」

くらい一軒家で一人の男性が呟く。早速、適当に手に入れた裏の人間のメールアドレスを入力してメールを一

斉送信する。

「……、? アバターのアクセスを確認」

デスクトップにマイクを接続し、愛用の音声ファイルを展開してアバターに喋りかける。

「…、『リバイバル』か。珍しいな、お前がこんなところに来るとは」

「質問したいことがあるのだが。このメールを送信したのはお前だな?」

誰もいない空間でリバイバルはメールデータを展開する。

「そうか。このメールアドレスはお前のだったのか。では話は早い。ゲームに参加しろ」

「…、何が目的だ」

表情を変えた。拳を強く握っている。

「目的、次第に分かるさ。さあ、どうする? 参加するのか、しないのか?」

「……、くそッ」

ゲームに参加しなければここで排除され、参加すればとりあえず今は安全を確保できる。どちらの道を取るの

か、すでに見えていた。

「分かった、参加しよう。だがさっきの質問の答え、聞かせてもらうぞ」

「そうか。では、明日再度メールを送信する。指定された時間に再びここに来い。今から、何人か客が来るので

な」

「…、まだいるのか?」

あきれた顔で聞く。少し間を空けて、

「5人では足りなくなった。お前を含めて『5人』追加する」

5人の追加メンバー。参加するか、しないか。答えによって、その者の未来は変わる。


喫茶店。店内は温度調節が施されとても快適な空間となっている。現在、端の席では二人の学生が話

をしている。

「それで、『ヘイトデータ』って何なんだよ?」

上谷大介が、テーブルの上に置いてある冷えたコップを持ちながら、向かいに座る『桐谷 宗助(きりや

そうすけ)』に質問する。『桐谷 宗助』は、学生ながら裏の世界に生きる者である。どうして裏にいるの

か、その理由は誰も知らない。

左手で持って見ていた資料をテーブル上に置いて腕を組んで説明を始める。

「俺が調べて手に入れた情報によれば、最近表で犯罪を起こすようになった組織『ヘイト』が作り上げた

人の『憎しみ』をデータにしたものらしいな。何を企んでいるかは知らないが今のところは危険性はな

い」

「そうか。いつも助かるよ」

そう言って席を立とうとすると、

「あとひとつ、聞きたいことがあるのだが」

と呼び止められる。ため息をついて席に座ると、

「何?」

「先日のショッピングモールでおこった『火災事件』。あれを解決したのはお前だな?」

(な、何でばれてるんだっ!?)

戸惑いを隠せないまま席について手を握る。手には汗がたくさんついている。

「コンピューターのアクセスログを調べさせてもらった。そうしたら、お前のループのアドレスが出てきて

な」

「そ、それを誰かに伝えたり、情報を流したりしたのか?」

「別に。個人で調べたものだからな」

下を向いてため息をついた。桐谷はそれを見て席を立つと、肩を叩くと

「上谷。お前が人の関わることを恐れていることは分かっている。俺はいつまでも待っている」

レジで会計を済まして店を出ていく。上谷は桐谷が姿を消すのを見ると席を立って店を出た。

「……」

店の影で謎の端末を持って桐谷と上谷を見ている男性。二人がいなくなるを確認すると彼もまた姿を消

した。


上谷には、思い出すだけで嫌になるような過去がある。毎年、家の近くのキャンプ場を通るとそれが頭

に浮かんで嫌な気分になる。何週間前は引っ越しも考えていたが、なんとか乗り越えて今の上谷がい

る。今、上谷はループをデスクトップにつないで掲示板を見ている。

「上谷。お前は何故そんなことばかり…」

サビゲーションプログラムとしてデスクトップ内で活動をしながら言う。それに対し上谷は、

「これは俺の趣味だ。人に口出しされる覚えはない」

と、いつもと同じ返事を返す。フリーズマンはため息をつくと再び作業に戻った。

「……?」

しばらくして。ループを見ると、謎のメールを受信していた。メールを展開するとそこにはこんな文面が書

かれていた。

「『場所X60pw』…? 何だこれ? フリーズマン、ちょっといいか」

上谷がデスクトップに向かって声をかける。フリーズマンはループに一度戻り、展開されているメールの

データを見る。

「これか? あー、これ『シンボルの電脳』の事だね。で、ここに行けと?」

「まだそんなこと言ってない…、って言いたいけど。できれば…ね?」

「もっとストレートに言えよ。わかった、行くよ」

あきれた顔で言うと、デスクトップの中に行き勝手にアドレスを入力して『シンボルの電脳』についた。

あっという間に電脳に行けるなど、3年前までは考えられないことだ。中では他にアバターがいる。そし

て、一人見たことのあるアバターが。

「シャープマン?」

近くによると、向こうを気がついた。『シャープマン』とは、桐谷のアバターだ。

「フリーズマン。何故お前がここにいる?」

「いやさ、なんかループに変なメールが送られてきて。好奇心が旺盛なのでつい来てしまいました」

回答したのは上谷。何故かベロを出して言うが、二人ともそれを無視して話を続ける。

「そうか。じつは、俺のところにもきたんだ。まぁ、俺は裏の関係もあってきてるんだが、普段ならこんな

ところ行かないな」

しばらく話していると、電脳世界に謎の音声が流れる。

『まずは、これだ』

いきなり言うと、ゴゴゴという音とともに周りのアバターが建っている床の下に穴があいて落ちて行って

しまった。電脳世界には絶叫が響く。

「こ、これは…?」

しかし、一部のアバターの床の下には穴はできず、とうとう5人だけになってしまった。

『選ばれし5人よ。貴様たちには、これからゲームをしてもらう』

「ちょ、ちょっと。いきなり何なんだよ!?」

一人のアバターが声を出して言う。正論だ、と心の中だけで呟くフリーズマン。

『まあそう焦るな。では、説明をする。これからやってもらうのは命をかけたゲームだ。ループ一つにつき

一つの『シンボル』を転送する。これが壊されたり、自分がデリートされればそこでゲームオーバーだ。

時間制限はないが、定期的にここに集まってもらう』

「そんな勝手なこと言われてもな。俺は帰る」

『お前らに拒否権はない。では、検討を祈ろう。選ばれし5人よ』

ブツッ。という音とともに音声はもう流れることはなかった。そして、本当にループに『シンボル』というフ

ァイル名のデータが届いて、アバターと連動している。

「どうする?」

「とりあえず今日はゲートアウトだ。桐谷もいることだし、明日にでも相談しよう」

フリーズマンは頷くとゲートアウトをするためにコードを展開する。しかい、何故かコードにロックがかけら

れていてゲートアウトができない。

「コードがロックされてるな。おそらく…、」

言葉を区切り、指をさしてから

「あいつが原因だ」

指をさしたのは一番奥にいるアバター。自分の手の上にモニターを出して何かを操作している。そして、

さらにデスクトップにそれぞれのアバターの情報が表示されている。

「…、閉じ込められたな」

奥にいるアバターを警戒していると、後ろからシャープマンが歩いてくる。

「あいつをデリートしなければ、ここからは出られない」

一言言うと、急に速度を上げて走ると、奥にいるアバターに向けてソードを向ける。しかし、彼は、モニタ

ーを見たまま足で壁を蹴って別の場所へ移動する。

「『バルカマン』。貴様をデリートする」

どうやら、あのアバターは『バルカマン』と言い主にバルカンを使って戦うアバターのようだ。素早い動き

と、忍びのような動きもできる。

上谷も自分のデスクトップの画面で確認すると、

「フリーズマン。シャープマンと一緒に戦って、コードのロックを解除してくれ」

「了解」

すると、防御型のボディをアタック型のボディに変えた。アタック型のボディの特徴は右手が少し大きめ

な拳になっおり、攻撃力はノーマルの何十倍もある。その他能力もノーマルより3倍あるため、一番使い

やすいボディだ。フリーズマンは『ボディチェンジ』と言われる自分の能力を変える機能にロックをかけると、拳を握ってバルカマンの移動した場所に突っ込んでいく。

「……、フリーズマン。他のアバターの持っていない能力を持つ特殊なアバター。…、その力。すべてコ

ピーしてやる」

両手をバルカンに変えると正面を見たままシャープマンとフリーズマンを狙って弾を連射し始めた。正面

を見ているのにもかかわらず、すべて足元に当たっている。

「厄介なことをッ!」

フリーズマンは、拳を地面にぶつけてバルカマンめがけて亀裂を作る。当然、亀裂にはまらないようにして壁を蹴って回避するわけだが、

「甘いッ」

シャープマンが壁を蹴って飛んだところまで自力で地面をけって飛ぶと、剣を振りまわしてバルカマンの

頭にヒットさせて落とす。

「くそッ!」

落ちている間にバルカンを連射するが、すべてうまく避けられてしまう。そして、落ちた先には

「ロック解除」

丁度バルカマンが落ちたところでフリーズマンが拳を勢いをつけて体にぶつける。

ビュンッ! という音と共に壁に向かって飛んでいき、壁に背中を強打する。

「ロックが…!」

体につけていたロックを壊されてしまったため、ゲートアウトのコードが解除された。

「フリーズマン。ゲートアウトだ。こんな無駄な争いもうやめ…」

言葉が途切れた。原因は無関係のアバターだ。左手のドリルを、壁にめり込んだバルカマンの腹に直

ぶつけたのだ、当然ものすごい音が電脳中に響く。

「余計なことを。もう二度と何もできない体にしてやる」

力を入れて、ついには腹を貫通させてそのままドリルを抜いた。壁には腹から大量のバグが出たバル

カンがいる。あれでもまだ生きている。

「いいか。次はお前らを潰すにかかる」

シャープマンとフリーズマンを指さして、ゲートアウトしてしまった。

「分かっただろう? これが『ヘイト』が目的を達成するために募集をかけて行っている『ゲーム』だ」

「『ヘイト』…?」

「言ってなかったか? 今までもこのようなゲームは裏では日々日常的に行われてきている。しかし今回のこれは『何か』を収集している、と情報が入ったんだよ」

「まさか、それって…」

シャープマンは頷くと、少し間を空けて

「ヘイトデータ。これしか考えられないな」

組織「ヘイト」と、再び戦いの幕が上がろうとしていた。


とあるサーバの設置してある一軒家で。暗い部屋の中、カタカタとキーボードをうつ音だけが聞こえる。

パソコンを操作している男は「テレビ電話」を使って誰かと話していた。

「ヘイトデータ。今回の収集データを転送します」

パソコンに受信データのデータが表示される。データを見ながら、

「これなら、後3回で足りるな。これからも期待しているぞ」

ブツン、と音を立てて電話が切れた。暗闇の中、一人の男が立ち上がって近くの棚の上からデータ保

存端末を取って眺める。

「『Ⅹ』。あの方のために回収させてもらう。…、『ヘイト』を使ってな」



近未来。

極限まで発達したこのネットワーク社会は3つのサーバーによって管理されていた。

「アタック」。インターネットでの不正行為を検知して、ワイヤレスを遮断する。

「シールド」。サーバーへの不正アクセスをブロックし、それを破壊する。

「エグゼ」。2つのサーバーと24時間いつでも情報共有をして、政府にインターネットの情報を全角カタカナに変換して送信する。また、インターネットで発生したバグ検知して修正する。

人々はこの3つのサーバにより管理された日本で、携帯端末「ループ」と、人格を持ったインターネットサポート

ナビゲーション「アバター」の二つを活用し、ネットワークを受け入れていた。

しかし、同時にネットワークを利用した犯罪を数を増している。

大学生の「上谷 大介(かみや だいすけ)と、アバター「フリーズマン」が、裏で暗躍する組織を壊滅させるべく、

今動き出す。


あらゆる分野でネットワークを活用しているこの社会では、電化製品さえもインターネットに接続されていた。それを利用した犯罪が、今各地で起こっている。

「……、大介。起きろ」

「…?」

ベットから立ち上がり机の上で充電をしていた「ループ」の画面を見る。目をこすりながら寝ぼけた声で、

「……、何だよフリーズマン」

「今日は近くのショッピングモールでなんかの展示会あるんだろ? わすれてるんだろ?」

あきれた顔で指摘する。すると、今思い出したように部屋を飛び出して約5分後。すべてを終えて部屋に戻ってく

る。

「…、じゃあ行こうか」

何もなかったかのようにループを充電台から撮ると、ズボンについてるケースにしまって家を出た。

「大介。父から練習用のプログラムが転送されてきたぞ」

歩いている途中、フリーズマンが上谷に伝える。ケースからループを取り出して画面を見る。

「練習用? 「dream」のか?」

「最近のウィルスは全部dreamだろ? じゃあ、早速展開するぞ」

フリーズマンが言うと、画面がバトル画面に切り替わって練習用のプログラムが始まった。

「そういえば、お前は防御に特化したアバターだったんだっけな」

「一応「アックス」も装備してるから攻撃も可能だけど、雑魚相手ならリフレクトで…」

画面ではフリーズマンがdream3体相手に構えていた。上谷は最近平和な日々を送っていたためにあまりdream

をデリートしていない。おそらく、腕が落ちないように送ってきてくれているものだろう。

早速動いた。相手の遠距離攻撃をリフレクトで簡単に弾いて、今度は防御しながら突っ込みアックスでいっきに

3体をデリートする。

デリートが完了すると練習用プログラムが自動で終了されていつもの画面に戻った。

「でも、お前って他のアバターとは少し違うよな」

「それは以前に話したと思うが…、って。お前急がなくていいのか? 例の『家電製品』の展示会が…」

言われると、今思い出したかのようにループをケースにしまうと走ってショッピングモールに向かった。


展示会につくと早速中に入り、家電製品を見て回る。

「でも、何で突然…?」

「えっと…、とりあえず一人暮らし始めて数カ月だけどさ。家にあるものなんかほとんど使いにくいじゃない? だから買い替えようと思ってさ」

その後、適当に頷かれて説明する気が失せたのか。黙々と見て回る。

しばらく時間が経過して。

「あれ、なんか煙くさい…」

誰か一人の女性がぽつりとつぶやいた。上谷も、振り向いて臭いをかぐ。

「お、おい。なんか煙臭いぞ…」

しばらく警戒していると、突然展示品が炎をあげてどんどん周りの展示品も炎を上げる。会場は大パニックだ。

「これって、最近流行りの…」

「インターネットを利用した犯罪、だっけ」

上谷は急いで会場に設置されている『ゲートイン』するための機器の前に行って、フリーズマンを電脳世界へ送

る。

「コード1330 フリーズマン ゲートイン!」

今までの携帯端末機とは違い赤外線でアバターをゲートインさせる「ループ」は、アバターを送りさえすればど

こでもオペレートが可能だ。もちろん、ゲートアウトも可能。上谷は会場の外に出ようとするが、入口付近に炎が

うつり、出られなくなってしまう。

「くそっ! こんなときに!?」

仕方なく機器の前に戻りループの画面に集中する。

「上谷。俺にどうしろって言うんだ?」

「この炎を止めるんだよ。電脳世界で問題が発生しているから、現実でもこうなるんだろ?」

「でも、お前は昔みたいに自由に事件を解決できる身ではな…」

「そんなこと言ってる場合か? このままだと、ここにいる人達が危ないんだッ!」

フリーズマンは仕方なく前を向いて走って奥に向かった。二人が事件を解決するのは約3年ぶりだ。


奥に進むにつれて電脳内の温度も高くなってくる。フリーズマンは上谷に送ってもらった『アクア』と呼ばれるプ

ログラムを使い炎を消しながら進んでいく。

「でも、何でまだこんなもの持ってるんだよ?」

炎を消しながら話しかける。

「いや、記念に取っておこうと…。基本的にはいつも持ち歩いている1つだ」

適当に返事をすると、最後の一つの炎を消して立ち止まった。

「終わったぞ。そっちはどうだ?」

「ま、まだ消えてもないし、弱まってもないぞ?」

「え、でも…。じゃあ、何で…?」

しばらく茫然としていると、奥のほうから一体のアバターが現れた。手からは炎を出して、高熱をはなっている。

「ほう。貴様が炎を…。せっかくの心地のいい空間を…」

「ま、まさかこいつがッ!?」

「そうだ。この『ブレスマン』が起こしたものだ。今までのもなぁ!」

声を上げて笑う。フリーズマンは戦う態勢を取って、

「今すぐ炎を消すんだ!」

「そんなこと言われて、消すと思うかぁ? もし、消してほしいなら…、俺を跡形もなく消してみろッ!」

突然こちらに向かって走ってきて手で殴ってきた。リフレクトで防いで身を守る。しかし、跳ね返った攻撃を相手

はかわして今度は蹴りで背中を攻撃する。前に倒れようとするが、前にはブレスマンがいるため手をつかまれて

炎をもろに受けてしまう。

「このッ!」

痛みに耐えながら、先程送ってもらった「アクア」を使って炎を消す。ブレスマンは、アクアが発動した瞬間に後

ろに下がって様子を見る。

「ほう。その様子だと、この手の戦闘は慣れているようだな…。だがッ!」

手から出す炎をソードに変えると、地面に突き刺して電脳全体の地面から炎を噴射させる。フリーズマンはアク

アをまとって、炎を気にすることなく突っ込んでいくとアックスでソードを無理やり折って、今度はブレスマンを顎

を足で蹴り、ひるんだところを後ろに回ってアックスで背中を攻撃する。前に飛んで、なんとか踏ん張り態勢を

整える。

「これは…、プラズマンのメモリ内に記録されて…。まさか、貴様が『GATE』をッ!?」

「…、まさか『GATE』の残党!? まだいたのか…!」

「今は『GATE』ではない。ともかく、そうと分かれば貴様を排除しなければならない…!」

両手から炎を噴射させ、またもや突っ込んできた。フリーズマンはアクアを発動して水で体を覆う。

「馬鹿めッ!」

「え?」

両手を水に入れてすぐに抜くと炎が固まった。これを使ってフリーズマンの頭を殴ってひるませると、今度は足

や手を狙って攻撃する。最初の何発かは避けたが、どんどん攻撃を喰らうようになってくる。

「フリーズマン!」

思わず声を出すが、もちろん上谷は何もできずにただ見ていることしかできなかった。

「貴様は徹底的に倒す!」

「何故そこまでして…。もう『GATE』は壊滅したんだ! 一体いつまで引きずるんだッ!」

一発攻撃を避けて勢いに乗ると、しゃがんで相手の足に自分の足を引っ掛けて転ばせた。相手は倒れた状態

で両手に左にすらして起き上る。しかし、その瞬間にアックスが目の前に飛んでくる。しゃがんで避けると、今度

は右側に飛んで、態勢を整える。フリーズマンは飛んで行ってしまったアックスを素早くとってブレスマンを見つ

める。

「……、ハハッ! もう十分『ヘイトデータ』は集まった。もうここは用済みだ」

突然開き直ったかのように言うと、手に持ったどす黒い丸いデータを手に持って見せつける。

「それは…?」

「俺達のほんとうの目的は貴様への復讐ではない! 人や、アバターの憎しみを集めることだ!」

「そんなことをしてどうする!?」

「そんなこと、そのうちわかるさ。では、俺はこの辺で行くとしよう」

「待てッ!」

ブレスマンにアックスを向けて突っ込んだが、その前にゲートアウトしてしまった。電脳世界はもとに戻り、現実

世界の炎を消えた。

「……、『ヘイトデータ』…」

ブレスマンの言った言葉が頭から離れなかった。


上谷は、事件の後こっそり現場から抜け出して帰宅した。ループを充電台に設置して、テレビをつけると、ショッ

ピングモールで起こった事件関連のニュースがやっていた。しばらく眺めていると、

『突然火が出て…、でも一人の男性が入って行った後、何十分かして火は消えました』

と、気になるコメントが。上谷は冷や汗をかいて、急いでデスクトップの電源をつけて確認すると、どこの掲示板

にも目撃情報が載っていた。それを陰で見ていたフリーズマンは、

「まぁ、当然だろうな」

と、落ち着いた感じで言う。フリーズマンの言葉を無視して、ベットに転がった。

(…、どうしよう)

後の事を考えると、体がゾッとした。


あとがき

さて、これから掲載していくのは、『Custom Computer』の続編、『Custom Computer F』です。やらない気でいた

のですが、よく考えてみたところあのあとどうなったのか、それを見たかった人が多いのでは? と、そう思いま

して続編を掲載いたしました。

今回は『プロローグ』的なものなので、少し短めでしたが、これから少し長めに書こうと思っています。

話は飛びますが、時系列では『GATE』壊滅後から3年後の話です。つまり、もう上谷君は大学生ですね。これ

から、どのように進行していくのか、楽しみにしていてください。

それでは、次回も見ていただけることを願いつつ、今回はこの辺で失礼させていただきます。これからも

『Custom Computer F』をよろしくお願いいたします。










ブログ観覧ありがとうございます。

さて、昨日公開した記事、『SEED』についてなのですが、公開後に『同じような物語をやるなら別のを』というお言葉をもらいました。私も、観覧者の要望にはできるだけお答えしたいと思っていますので、

誠に勝手ながら、『SEED』は白紙にさせていただきます。たびたび申し訳ありません。

今回の件につきまして、別の作品を代わりにやっていこうかと思っています。

これからもよろしくお願いします。

『10年前…、まだネットワーク社会ができたての頃だ。科学省には、「上谷 未来」、「上谷 由来」という優秀な科学者がいた。この二人のおかげで、3年でまだ不安定だったこの社会を安定した社会へと変えた。しかし、二人は疲労とストレスで突然倒れてしまい、入院した。そして、二人は入院中に部下に自分たちの精神データを取らせて、最後の時を迎えた。そして、その時科学省にいた二人の弟、「上谷 悠木」は何か残そうと思った。そして、思いついたのが、「精神データを使ってAvatarを作る」と案だった。科学省の皆はこの案に賛成し、協力してくれた。そして、Avatarの最終制作段階であてる「バッチ」をあてる瞬間に、突然謎のフリーズがおこり、それに気づかぬまま、あててしまった。そうしてできたのが二つの「FREEZE.exe」。他のAvatarとは違った力をもち、人間のように感情あふれるAvatarだった。しかし、バッチをあてる前におこったフリーズの影響で、「0.01%」だけ精神データとは違っていたが、二人は「上谷 未来」と「上谷 由来」としての自覚はあったために問題なく活動した。そして、次に始まったのはオペレーター探しだ。そして、選ばれたのは「上谷 大介」と「上谷 宗助」。俺の息子だった。しかし、私たちは互いに同じAvatarを持って不自然に思わぬように、二人を離れた場所で暮らさせた』

「…、つまり、フリーズマンとシャープマンは科学省の人間だったの?」

「そして、俺達は双子…」

しかし、二人は混乱することなくすべてを受け入れた。

『それで、そのチップデータを使えば「0.01%」を修復できる。そうすれば、二人に力が芽生えるだろう』

「「…」」

互いに顔を見合って、頷くとチップデータをバッテリーパックの後ろにセットした。すると、リーダーズコンピューターはオートモードに切り替わった。画面では二人が光り出して、電脳が揺れ始めた。

「「ォォォオオオオオオオオオオッ!」」

起き上った二人は力を自分のものにして、一斉に手を振った。そして、瞬時に獣は跡形もなく消え去った。そして、光が止んだ。

「…、上谷?」

「俺達、すべてを知ったよ」

「…、そうか。でも、お前たちは…」

フリーズマンが不安そうに言うが、桐谷は

「別にいいんだ。俺達は、また会えたんだからな」

「じゃあ、行くぞ…」

フリーズマンとシャープマンはは最終決戦の場へ足を踏み込んだ。


GATEのサーバーに入り込むと中央には謎のAvatarが立っていた。そして、しばらく眺めていると音声が流れ始めた。

『どうだ? 私がお前たちの精神データをコピーして作った、「X(エックス)」はッ!?」

「な、何故そんなことを…」

「すべては、この世界を終わらせるため…、そして真の世界を作り上げるのだァッ!」

説得が効く相手ではないと悟った2人はXにつないであったケーブルを切断すると、真上に移動して、光を発射させた。

「……、このままいけば…、この試作段階のプログラム「X」を…ッ」

そして、画面が光って何も見えなくなった。

光が止んで、上谷が画面を見るとXは消えていた。そして、フリーズマンは手に証拠となるプログラムを持っていた。

「…」

すべてが終わった。


その後、GATEのトップに立つ男は逮捕された。そして、各国の政府はGATEを廃止にしてネットワークも警察が監視することに決定した。こうして、世界は再び安定を取り戻して、平和になったのだ。

上谷も、普段の日常生活を取り戻して再びヨシノシティで生活していた。

(やっとの思いでできたこの平和を、絶対に守ってみせる)

決心は固かった。


Custom Computer ~END~


あとがき

今までありがとうございました。さて、何故こんなにすんなり終わってしまったのか、それは原作者「ほみ」さんのアメーバ退会によるものです。もともと、この作品は二人で話し合って作っていたようなものなのです。ですから、「もふ」さんがいなくなってしまうと、続行が不可能になってしまいます。なら一人で頑張れよ、そういう方もいらっしゃると思いますが、私としては、「ほみ」さんが作った作品ですので、ほみさんにも協力してもらってこその「Custom Computer」だと思ってでのことです。

このような形で終わってしまって、大変残念に思いますが、

次回からは設定をすべて変更して、「SEED」をやっていきます。今後とも、わたくし「もふ」をよろしくお願いいたします。