左門に打たれ、二軍落ちした飛雄馬は
ある程度の結果は残すものの、二軍監督からの
一軍行を拒否してしまう
そんな頃、不祥事で高校を中退した丸目は
長嶋監督の要望からドラフト外で巨人入りする
しかし入寮一日目から遅刻をしたうえ
他の選手にも迷惑をかけてしまう
飛雄馬と同室になった丸目は、夜中に室内練習場で
ひとり謎の特訓をする飛雄馬を目撃
更に何かに怯えて夜中にうなされる飛雄馬の
姿も見てしまった
「じゃあ行くぞ、横断幕ちゃんと持ったな?」
「おーっ、完璧でやんす」
「おっ、なんでえ巨人寿司の
全員でお出かけかい?」
「そうよ、多摩川で巨人二軍の練習試合があるの」
投げてる背番号62は、当時で言えば
外園正(ほかぞのただし)という投手だが、外園は左腕の
はずなんだけどね
「バーロっ、二軍の底辺投手打って
喜ぶなっマルハーーーっ」
ベンチでヤジを飛ばす丸目
「なんか巨人ベンチにガラの悪いのいるぞ・・・」
「あれで紳士の球団なんかねえ」
「おいっ背番号62っ!
どんだけ打たれりゃ気が済むんだ~
お前はバッティングセンターかっっっ」
味方もヤジりはじめる、、、
「ちょっと・・・大炎上してんじゃん、、、、」
「練習試合でもこれは酷いでやんす。。。。」
「監督ぅ、早くピッチャー代えなさいよっ
飛雄馬君だせーーーーーっ」
「ありがとう監督ーーーーっ!
ガンバレガンバレほーーーーーしっ」
「ちょ・・・そのおじさんっちゅうのはやめてくれんか
わしゃまだ20代だぞい、、、、」
「ははっ、まーた会社サボってるんだ
今日はクライスラーとの取引って嘘言って来たの」
「ジ・・・GМじゃ・・・・って
デカい声で言うなよ、、、、、、、」
バシッ
「ストラーーーーーイク」
飛雄馬の球に全く手が出ない大洋打線
「監督、星は・・・・いや星さんはなんで
一軍に行かないんです?
何が悪いんです??」
「悪くはないさ・・・・むしろゼッコーチョだ
だがあいつの方から一軍行きを拒否するんだ」
『そういやなんかうなされてたなあ・・・・・
ダメだとか怖いとか・・・・・』
『全然わけわかんねーぜ・・・・・
何考えてるんだ・・・・あの人』
「おい、あのデブ出て来たぞ」
「ふふっ、ちょっとプロの洗礼してやるか」
「へへっじょうずじょうず
アホのくせに避け方だけは上手いぜ」
「よお丸目ぇ~
相手さんから褒められてるぜ~」
「安心して当たってよーし
こっちは痛くもかゆくもねーしよ」
「くそっ、どいつもこいつもチンカスばっかりだぜ
そんなだから万年二軍なんだよっ」
ちなみにこの横浜大洋の48番は架空選手です
当時48番は空白でした
大洋のピッチャーにつかみかかる丸目
「てめえ生きて球場から出れると思うなっ」
「あ・・・・当ててねえだろうが・・・・・」
「そんなもん関係ねーぜ
どーせ当てるつもりだったんだろうがっ」
「相手にケガさせてどうするっ」
「知らねーよ、こいつがビーンボールをっ・・・」
「よく聞け丸目っ
二軍の選手はみんな一軍に上がるため必死なんだっ
ケガをする事の怖さも知ってるっ!
そんな選手が
わざとぶつけるなんて
恥ずかしいマネ
するはずないだろっ」
「えっ・・・・そうなんスか?」
これには大洋の選手たちも耳が痛くて
顔を伏せてしまう(苦笑)
「審判の判断で丸目選手は退場とするっ!
この試合は警告試合だっ!!」
「くそっ、なんで殴られた俺だけが退場なんだっ
ふざけんなっ」
「お前は星に救われたんだぞい・・・・
あのまま乱闘してたらお前は袋叩きにされ
ちょったわい」
「そんな事をしたらお前は永久追放じゃ・・・・
せっかく巨人に入って、初打席で終わりたいのか?」
「星先輩はあんだけ良いピッチングしてんのに
なんで一軍に行かねーんだ?
本来俺の事なんか相手にもしねえ身分なのによ」
「あいつはそういうやつなんじゃ・・・・
自分の事で精一杯でも、常に人の事を考えてしまう」
「なあ丸目よ、改めてお前に頼みたいんじゃが・・・
あいつの手助けしてやってくれないか?
わしに代わってあいつの女房役を・・・」
「はあっ?」
「そんなもんまっぴらゴメンだぜっ!
そんなつもりで俺を巨人に入れたならなおさらだっ」
「ま・・・丸目・・・・」
「丸目か・・・・・さっきは殴ったりして済まなかったな
あの時はああするしかなかったんだ」
「そんなのはどーでもいいぜっ
それよりなんでアンタ二軍にいるんだっ
バリバリ一軍選手なのにグラウンド整備
してるんだっ」
「いいだろ別に・・・・好きでやってるだけだ」
「よくねーなっ」
「あんた何に怖がってるんだっ!?
何と戦ってるんだっっっっ!??」
「お前こそ何言ってるんだ?」
「嘘つけっ、俺はあんたがうなされてるの見たんだっ!
怖くてダメだって寝言を聞いたんだぞっ」
「実は伴先輩からアンタの手助けを頼まれたんだ
ま・・・まあ本意じゃないが、アンタが何に
苦しんでるのか教えてくれねーか」
「・・・・・・・・」
「おっ・・・・俺はっ・・・・俺は・・・・
伴先輩に代わって、あんたの女房役に・・・・
なりてえんだ・・・・チクショーーーーーッ」
「そうか・・・・・ならお前を信頼しよう
そして今完全に決意が固まったぜ」
「かつて俺の左腕を壊した魔球・・・・・
大リーグボール開発に
本腰で挑戦しようと」
だっ」
ボウッ
つづく