プロ球界復帰のために、会社を無断で休んで
バッティングセンターで猛特訓の花形
そんな中、阪神にビル・サンダーからの紹介で
南米リーグから新外国人が入団
その名はロメオ・南条
不敵なロメオ・南条は、記者会見でいきなり
巨人と飛雄馬に挑戦状を叩きつける
一方、実戦体験のためハワイのチームに入った花形
だったが、長いブランクでの自らの劣化に唖然とする
「試練のテスト生・花形」
先発投手としてのスタミナ作りのため今日も
練習終わってから宿舎の周りをランニングする
飛雄馬
「他の選手はみんな飲みに行ったり
おねーちゃんと遊んでるというのに、お前は本当に
選手の鏡だよ」
「そんな・・・俺まだそんな立場じゃないです」
「そう・・・実は3日ほど前に出張に行くと
言って出て行ったまま帰らないのよ、、、、
会社じゃ出張なんてないって言うし。。。。」
『そっちに行ってないならいいわ、ガチャ』
「な・・・なんだよねーちゃん、、、、」
『花形さんが失踪・・・・まさか
俺が原因って言うんじゃないだろうな。。。。』
不安になった飛雄馬、楠木にさりげなく
相談する
「ねえ楠木さん
楠木さんはどうして実家の跡継ぎやめて
また巨人と契約したんですか?」
「なんだよ急に・・・・そりゃお前
一軍で試合に出て活躍するためだよ」
「長嶋監督から俺を押し付けられて
いやいや・・・ってわけじゃないんですよね?」
「はあ?
何言ってるんだ・・・・」
「い・・・いえ別に・・・
俺のせいじゃなかったら、それでいいです」
その頃明子は、心当たりにあちこち連絡したが
花形の行方はつかめず
「奥様、そろそろお休みになった方が・・・」
「いえ、あの人が帰って来るまで待つわ
3日したら帰るって言ってたから・・・・」
「やあ、待たせたね花形君
別に海軍の経験はないけど、海軍式野球の
広岡だよ」
「それはいいんだけど、うちに入れて欲しいって
本気なのかね?」
「はい、無理は承知で是非とも僕を
スワローズに入れて頂きたいのです!
役員やコーチじゃなく選手として!!
そのためにハワイで鍛えてきました」
「いや、かつての阪神の主力の君がうちに
来てくれるというなら大歓迎なんだけどね・・・
でもそんな高い契約金払えないし、今の君の
年収ならわざわざ復帰なんかしなくても・・・・」
「契約金なんかゼロでも構いませんし、VIP扱いも
必要ありませんっ!!
テスト生としてで結構です
いや、むしろそうしてもらいたいんです」
「ズバリ、その通りです!
飛雄馬君が復帰までにたどった道を、僕も
そのまま進みたい」
「もっとはっきり言うと、右投手として復活した
飛雄馬君と対決したいんですっ」
「でも彼は君の義弟だろ?
弟を打ち崩すためにまた現役復帰すると言うのかね?」
「関係ありませんっ
飛雄馬君は義弟ですが、僕のライバルでした
広岡監督が、飛雄馬君を打ち崩してチームを
優勝させたいと願うなら、僕は力になりたいと・・・
それだけです」
「うむ、その心意気は気に入った
うちに来てくれるというなら、私はフロントが
反対しようがどうしようが、説得して君を獲得するよ」
「ひぇぇぇっ、今の何キロ出てるんだ・・・」
「しかもあんなノーコンだったのに見違えるように
制球力良くなってる・・・こりゃなかなか打てんだろ」
翌日の新聞は、飛雄馬のノーコン克服成功を
大々的に取り上げた
『うむむむ、星君・・・・ついに本領発揮
したとですか・・・・』
『ヒューマ・ホシ・・・・
少しコントロールが良くなったからって
いい気になるなよ』
「うっ・・・上手いっ」
「とても5年ものブランクがあったなんて
信じられん・・・」
『見ていろ飛雄馬君っ
僕は必ず君と同じ土俵に上がって見せるっっっ』