宮崎キャンプも進み、大リーグボール養成ギプス
右投用で、完全にノーコンは克服した飛雄馬
そんな飛雄馬に長嶋監督は、先発ローテ入りを
期待していた
飛雄馬は、完投できるスタミナを作る段階に入る
一方帰国したビル・サンダーの紹介で
新外国人が阪神入りするという
その選手は自らを「ミスター・タイガー」と自称
花形・伴はその選手の事が気になり始めていた
「あの飛行機に乗っとるはずじゃ・・・」
何故か吉田監督に同行して羽田空港に来る伴
この当時成田空港はまだ完成していない
「一体どんなやつなんじゃい・・・・
ミスター・タイガーとは」
「間違いないっ、多分あいつじゃ」
「お・・・おい伴、わしにも見せてくれや
わしもそいつの顔は初めて見るんや」
「ようねーちゃん、今晩暇か?
良かったら一緒に子作りしねーか」
やけに軽い男だw
『空港着いていきなりスッチーをナンパかい・・・
花形やオズマとも違うタイプじゃのう・・・』
「ちょっとどけっ、わしに見せんかいっ」
「あっ・・・ヨッさん、わしが金入れてんだぞい、、、」
「おおっ、あいつか・・・・ええ体しとるわ
名前はたしか、ロメオ・南条とか言うらしいで
日系人やな」
「すまんねアミーゴ・・・・
なんか俺と同じ匂いしたんで・・・・」
『まてよ、そういえば阪神の新外国人が来るの
今日だったな・・・・こいつがそうか』
「あー、紹介します
これがうちに入る事になったロメオ・南条くんです」
「ロメオ・南条選手の球歴は?」
「どこを守るんですか?」
「右打ちですか、左打ちですか?」
「なんで伴常務がいるんですか?」
「おいおい、いっぺんにそんなに聞かれても
困るがな、、、、」
「えーと、ロメオ・南条
南米リーグ所属、守備位置は外野
右投両打のスイッチヒッター
去年は打率.391、盗塁80個くらいで
首位打者と盗塁王・・・・」
カンペを読み出すヨッさんw
「まあ正直いうて、南米のわけわからんリーグ
でっからなぁ・・・
なんかホームランの数もハンク・アーロン以上打つやつとか
4割バッターゴロゴロいるらしいんで、あんまりあてには
なりまへんけどな・・・ははは」
「な・・・なんだよ、日本語話せるのか」
「吉田監督に文句言ってるぜ・・・」
『ほほう・・・なんか猛虎魂の塊みたいやなやつじゃな
最初はチャラいやつと思うとったが・・・』
「とりあえず4割近く打ったのは事実だし
実力は、試合に出してみりゃあわかるぜ」
『・・・妙に自信家じゃ・・・・』
『まあアレだよ、俺が入団した以上
今年の優勝はハンシンに決まりだなw
6月には独走してアレ確定だぜ』
「うーん、自信満々なプレイヤーですね・・・・」
「僕はちょっと好きになれないタイプだな・・・・
例えるなら新グロモントかククレカレーだ」
『ビル師匠から言われたぜ
ヨミウリとかヒューマ・ホシとか言うやつには
絶対負けるなとな』
「ま、俺がそんなやつに負けるわけないし
とりあえずレベルの低い日本野球踏み台に
そのうちメジャーに行くけどな」
「なんかムカつくやつだな・・・星
うちとお前を名指しでディスってやがる」
「・・・・・・・」
「そもそもタイガースと名乗ってるくせに
10年以上優勝してないってのは何なんだ
タイガーと名乗る以上は俺のように強くなければ
ならんのだっ」
『むほほほほ、ますます猛虎魂じゃな
わしこういうやつ嫌いじゃないぞい』
「おいロメオ・・・わしにしゃべらせよ・・・
せっかくこんな紙もろたんやから
それにあんまりビッグマウスは後で
恥かくで、、、」
「・・・・・」
「まあ今のロメオの言葉は、ただの
意気込み思ててください
しばらくはファームで基本からきっちり
やらせまっさ」
「おいコラ、お前さっきから南米リーグは
レベル低いから俺が4割打てたとか
ファームとか、何寝ぼけた事いってるんだ」
「・・・・え・・・えっ、、、」
「ははーん、お前みたいな無能が監督やってるから
ハンシンは優勝できないんだな
今わかったぜ、このタコ」
「た・・・タコ!?」
「おいお前・・・わしは監督やぞ・・・・
これからお前のボスになんねやで」
「チッ、なんかムカつく
おいそこのデブっ、どこか踊れる場所に案内しろ」
「そこのデブって、わしの事か、、、」
「俺は誰かをぶん殴りたくなると
踊りに行って気分転換する事にしてるんだ」
「・・・・・・・」
突然会見会場から出て行くロメオ・南条
伴は唖然、吉田監督はモーレツに激怒していた(笑)
「いやぁ、しかしとんでもないやつが阪神に入ったなw
あれじゃあヨッさん開幕前に発狂するぜ」
「でもビル・サンダーが自信をもって紹介したやつだ
きっと俺への試練のために送り込んできたに違い
ないんです・・・」
「ほう・・・試練ねえ」
「でも俺は負けませんっ
楠木さん、今から1000球の投げ込みやります」
「ははは、わかった
でも500球くらいにしてくれ・・・・」
「楠木さん・・・・」
「ははははは、これでムナクソ悪い事は
すべて解消だぜ」
ご機嫌なロメオ・南条
「とほほほほ、なんでわしが付きあわなきゃ
ならんのじゃ、、、、
吉田監督怒って帰っちまうし。。。。」
金に物を言わせて地元のリーグに入れてもらい
実戦経験を積もうという魂胆らしい
スカン
「あれっ、、、、、」
「ストラーーーイクバッターアウトーーーッ」
『嘘だろ・・・・この僕がこの程度の球の投手から
三振なんて。。。。』
ショックを受ける花形
宮崎の海岸ではいつまでも
飛雄馬の球を受けるミットの音が
響き渡っていた