1976年のオールスターゲームが開幕
2-1とセ・リーグがリードのまま9回裏
パリーグは福本がワンアウトでサードに到達
ここで古葉監督はなんとライトに飛雄馬を行かせた
これに対し古葉監督へのヤジが飛びまくる
パの打者門田は、ライトへフライを打ち上げる
誰もが福本タッチアップで同点と思ったが
次の瞬間、ライトの飛雄馬は右手で
矢のような送球をホームに返した
左門に代わってライトの守備に着いた飛雄馬は
ほぼ定位置で捕球体勢
「えーっ、嘘やろおいっ、、、、、」
福本、飛雄馬の送球を見て慌てて加速
バシッ
田淵のところへレーザービームで返球が届く
『マ・・・マジか』
福本しばらく立ち上がれず
田淵も唖然としてタッチの姿勢のままフリーズw
肩の壊れた飛雄馬、そして福本の足を考えれば
同点は必至のはずだったが、思わぬ本塁憤死で
上田監督はじめ、パの選手も口ポカ~ン
勝ったセのベンチも、自分で飛雄馬のライト守備を告げた
古葉監督が唖然
その他の選手もただボー然とグラウンドを見つめた
ようやく立ち上がった福本は
狐につままれたような顔でベンチに戻る
「あ・・・・福本アウトで試合終了~~~
しっ・・・しかし今ライトの星、右で投げてませんでしたか?」
「い・・・いや、私に聞かれても困ります、、、、
まるで夢を見てるような気分ですよ」
サッポロ一番みそラーメンも返答に苦慮(笑)
「星は巨人に復帰して右投げに転向したんですかね・・・・
でもそんな簡単に利き腕変えられると思えませんし
そもそもあのレーザービームは左投げの時以上な
気がしますけど・・・・」
『な・・・長嶋さん・・・・なんかわしに余裕見せとったのは
こういうわけだったのか・・・・・
わし長嶋さんに乗せられてしもうたわい』
一方長嶋邸に詰めかけていた記者連中も唖然
「な・・・長嶋さん・・・・これはどういうわけですか?」
「ま・・まさか秘密で右投げの特訓してたとか・・・・?」
「い・・・いや、あの返球はそんなレベルじゃなかったぜ」
「んふふふふっ、驚きましたかプレスの皆さん
私の用意したサプライズ気に入ってもらえましたかぁ」
「驚きました・・・・一体どんな長嶋マジック使ったんです?」
「私は何もしていませんよー
しいて言うならですね、星は元々右利きだったんですよ、ええ」
「右利き?
じゃあなんで前は左で投げてたんっスか」
「それに、左腕壊れても元々右投げなら巨人退団する
必要なかったじゃないですか!?」
「星一徹ですよ!
星の親父さんがですねー、野球はサウスポーが有利だから
無理やり左投に変えさせたそうですよ・・・ハイ
ん~あの人スパルタですからねえ」
「私にはできませんね・・・ええ
一茂に手を上げた事なんか一度もないですし」
「・・・・・・・そうでしょうね・・・・」
「しかしこれで・・・・飛雄馬はまた破滅への道を
進みはじめおったわい、、、、、」
「あなた・・・なぜ飛雄馬は打たせてもらえなかったのかしら?
それにスクリューなんとかもやらせてもらえなかったし・・・」
「飛雄馬君の右投げを初披露するための
長嶋監督の演出だよ」
「・・・・・それに何の意味があるの?」
「つまりだな・・・セの他の球団に飛雄馬君の
投手復活もあるぞと匂わせたんだ」
『いやぁー星の右投げのレーザービームには驚きました・・・・
おやっ、左門泣いてますね』
『星君・・・・わしゃうれしか・・・・・・
これでまた星君と勝負できるとですっ』
「左門のやつ、早速飛雄馬君の投手復帰に燃えたな・・・
すでに飛雄馬君をどう打つか考えはじめてる」
「潰し合いじゃないっ、勝負だ!
僕もできればこんなゴルフクラブじゃなく、すぐにでも
バットを磨きたいくらいだよ」
「とにかく長嶋監督にアポを取れっ!
後半戦に星の登板はあるのかどうなのかを聞き出すんだ」
「いやぁ、突然テレビなんか持ち込んでスマンかったです
せっかくの談合・・・・い・・・いや、お楽しみ会を
ぶち壊してしもうて」
「いやいや、我々は満足ですよ
わしは大の巨人ファンでしてな、がははははは」
「わしがビルの阪神入りを後押しして、スクリュースピンを
ぶっ壊したかいがありましたわ!
これで星のやつは投手復帰に専念できる・・・・」
「スクリュースピンぶっ壊したってどういう意味です?」
「そういや伴常務は昔星と甲子園出たそうですな
何かご存じなんですかな?」
「おはよーーーーーーーっス」
「あっ、星さん
なんかご機嫌っスね(笑)」
「お・・・王さん・・・・・なんで寮にいるんです!?」
「大人の事情だよ」
「それより後半戦のお前の活躍、楽しみにしてるぜ!
オールスター明けのしょっぱなは、阪神戦だからな
景気づけにボンカレーかナボナ1年分送ろうかw」
「い・・・いえ・・・・・
しかしいきなり阪神戦か・・・・・・」
「山内はん、ブチもカケもええ調子に仕上がってまんなぁ
こら後半戦が楽しみやで」
「まあしょっぱなは巨人相手ですからね
この二人には、期待していいと思いますよ」
背番号からいうと、この人山内和弘コーチらしい
よっさんより歳はいっこ上だ
「ヘイ、ムッシュ・ヨシーダ
ちょっといーですか?」
「なんやビル、宗教の勧誘みたいやな」
「なっ・・・なんやてー
ブチとカケの特訓するってか?」
「今の二人の調子ならそんなもの必要ないと思うが・・・・」
「次のジャイアンツ戦に向けてどうしても必要な特訓デース
詳しくは言えませんが、これやらないとタイガース
苦しくなるかもしーれませんよ」
「おい、まさかまたスクリュースピン対策やないやろな・・・
やめてくれよ・・・ここでブチとカケにケガされたら困るで」
「ノーッ!バッティング練習でーす
ただし、投手にはビーンボール投げてもらいまーす
もちろんタブチとカケフボーイには内緒ネ」
「ビ・・・・ビーンボールやて」
「バカな・・・・なんでそんな事するんだ!?」