伴はアメリカからビル・サンダーをコーチとして招聘
しかも大洋左門から、一軍投手のデーターを
細かく書き留めた左門メモも入手し
ビル・サンダーがそれを元に各チームの
一軍投手をコピーして打撃練習を開始した
一方謎の大どんでん返しを恐れる一徹は
花形になんとしてでも飛雄馬の巨人復帰を
阻止しろと命令した
花形は、ビルを飛雄馬から引き離す計画を実行
それは阪神の四番田淵の専属コーチに
ビルを就任させる事だった
ビルの宿泊するホテルまで送り届ける伴と飛雄馬
「サンキューミスター伴」
ビルと伴たちが離れたところで
隠れていた花形がビルの方に向かう
「突然声をかけてエクスキューズミー
私はミツル・ハナガタと言います」
「ハナガタ?
オー、知っていまーす
日本の天才バッターね!」
「そう言っていただけて光栄です」
「実はあなたに是非見ていただきたいものが
あるんです
御足労ですが僕と一緒に来ていただけませんか?」
「オ~ワンダフルなバッターね!
まるで若い頃のジョー・ディマジオ
そっくりでーす」
「どうですかミスタービル・サンダー
彼こそ日本が誇るホームランアーティスト
コーイチ・タブチです」
♪飲むんだったらUCC
いつでもどこでもUCCコーヒ~!
こんなCМ覚えてるやついないだろうな(笑)
「ビルはん、田淵はええバッターでっけど
たまに打ち損ねてポップフライになりまんねん・・・
なんかアドバイスしてもらえまへんかな」
「おおっ、こら150メーターは行っとる
こんな当たりさすがの田淵でも
なかなか打てんで・・・・・・
たったちょっとイジったくらいでこんなに
飛ぶんかい」
「ミスター・ビル!
実は田淵さんを見せたのは、あなたを
阪神タイガースの特別打撃コーチ・・・・
しかも田淵さん専用のコーチとして
迎え入れたいからなんです」
「そうでんねん、わしはアンタに惚れましたわ
ちょっとフォームイジっただけで田淵の打球が
見違えるようにようなりました
どうかうちに来てくれまへんやろか
縦じまを横じまにかえまっせ」
「タブチは素晴らしいバッターね
本音は是非育ててみたいデース
タブチはジョー・ディマジオのヤングな時と
そっくりネ」
「どうですミスター・ビル
あなたにもいい話だと思いますが?」
「うー----ん」
「いや、やはりこの話はノーサンキューでーす
ミーは今真剣に育ててるバッターいまーす
その選手とはオトコとオトコの約束したね
一心同体でやると」
『こ・・・こいつ、阪神の四番より
実績の全くない飛雄馬君を選びやがった・・・』
『一筋縄ではいかないと思い、一応一流
ホームランバッターの田淵を見せたのに
こんなにあっさり断られるとは、、、、』
「ハハハハ、田淵より真剣に育てたい選手
おると言われたらしょうがないですな・・・・
どこのアホか知りまへんけど、うちとしてもそうまでして
引き留める気はおまへんし」
「ま・・・待ってください吉田さん
そんな簡単に引き下がるから阪神は優勝
できないんですよ」
「なんやて花形」
「もう少し僕に時間くれませんか?
彼を必ず説得してみせます!」
「なんやねん花形
お前にそんなタイガース愛が残ってたとは
知らんかったわ」
『阪神も田淵もどっちでもいい!
僕はどうしても飛雄馬君からビル・サンダーを
引き離さないといけないんだよ』
というわけで花形
第二段階ではビルを自宅に強引に招待する作戦に
「ようこそお越しいただきました」
「ミスター・ビル
妻の明子です」
「オ~ベリーキュートな奥さんネ
なんだかジェニーを思い出しまーす
ジェニー、ミーの元カノネ
でもオトウトって誰でーすか?
もしかしてミスター伴かな?」
ビルはここではじめて明子が
飛雄馬の実姉である事を明かす
「オ~そうでしたか
ヒューマ・ホシの・・・・するとミスター・ハナガタは
ヒューマ・ホシのオニイサンネ」
「そうです、だから飛雄馬君の家族として
あなたにお願いがあるんです
そのためにうちに来ていただきました」
「ファミリーとしてのお願い?
ミーはヒューマ・ホシを全力でサポート
してまーすが・・・・」
「だからそれを辞めていただきたいっ!
はっきり言うと、飛雄馬君から手を引いて
いただきたいのですっっっ」
「それはどういう意味でーすか?
ミーはヒューマ・ホシをジャイアンツに復帰させる
そのために来ましーた
何が不満なんでーす」
「それが家族としては余計な事なんですよ」
「ヨケイなコト?
わーかりませんネ
もしかしーて、今日ミーにタブチを見せたのは
ミーをヒューマ・ホシから引き離すためでーすか」
「そうですっ!
僕たちは飛雄馬君の巨人復帰なぞ望んでないんです」
「うぐぐぐぐ・・・・ユーはやり方がダーティーでーす
言ってる意味もわーかりません」
「お願いですサンダーさん・・・・
飛雄馬を私たちに返してくださいっっっ」
「飛雄馬を・・・・また野球地獄に連れていかないで・・・
お願いしますっっっっ」
「そのままの意味です
私は飛雄馬を野球地獄から解放してやりたいんです」
ついに泣き落としの明子ねーちゃん
「この通りでございます
サンダーさん・・・・・」
「・・・・・・・・・」
ビルは現役時代ジェニーという女と付き合って
結婚の約束もしていたという
肩を壊して野球生命が終わったビルを
支えていたのがジェニーで、ビルも一時は
野球を諦めかけていた
しかし打者転向の道を歩み出した事から
ジェニーとの関係がギクシャクしはじめる
だがジェニーはそれを歓迎しなかったらしい
自分より野球を選び、デートは勿論
ろくに会う事さえなくなったビルにジェニーは
絶望したという
『ミーはジェニーより野球をチョイスした・・・
ジェニーもそれを理解してくれる事を
期待していたが、それは甘かった、、、、』
『ジェニーはやがてミーのもとを去っていった・・・・
でもミーはそれを責める事できなーい
ジェニーの気持ちもわかるからでーす』
「わかりまーした、ミーはヒューマ・ホシから
手を引きまーす・・・・」
ついにビルは明子に説得されてしまった。。。。
「なっ・・・なんじゃとっ!
阪神からコーチの依頼・・・それも田淵専属に
なれと勧誘されたじゃとっ!?」
「ソーリー・・・ミスター伴・・・・」
「ふざけんなー----っ」
「許してくださーい・・・・・
ミーにはそうするしかなかったのでーす・・・」
『涙?
なんで泣くんだビルっっっっ
田淵のコーチは自ら選択したんじゃないのか!?』