「大リーグボール2号は伴によって打ち砕かれるだろう」
開幕前の一徹コーチの不吉な予告
そしてついに開幕の日が来た
打倒消える魔球破りの秘策をほのめかす川上監督
そして全て計算ずくとうそぶく一徹コーチ
ここでも別の火花が飛びかっていた
中日のスタメンが発表される
1番バビー、2番中、3番高木守道、4番ミラー、5番木俣
6番一枝、7番谷沢、8番島谷、9番星野仙一
『伴はスタメンマスクじゃなかったか・・・・・
やはり俺専用の代打の切り札ってわけだな、、、、
』
一方巨人のスタメン
1番高田、2番土井、3番王、4番長嶋、5番国松、6番黒江
7番森、8番高橋一三、9番柴田
川上監督がよくやった8番ピッチャーというオーダーだ
先発高橋一三と聞いて、早速ドラファンが野次を飛ばす
「おらぁ、何逃げてんだよカワカミぃ～
」
「星を出せっ、星をよぉ
」
「ふっ、高橋一三か・・・気の強い堀内と違って
あいつはノミの心臓よ・・・こりゃ意外に早く星を
投入してくるかもしれんな
」
「・・・・・・・」
「バカめ、そんな簡単に星を引っ張り出されてたまるか
」
「ふふっ、もしそうなってもこっちにも秘策はあるからな
」
無言のまま三塁コーチャーズボックスに立つ一徹コーチ
『しかし今更ながら実の息子をぶち壊すために
俺の親友を奪い、俺と勝負させるキ〇〇イオヤジ・・・
一体何を考えてるんだ・・・・あの人は
』
いよいよプレーボール
一番の新助っ人バビーが打席に立つ
本名ジム・バビエリ
実際のこの年の開幕戦では山内新一からグラスラを放ったが
最終打率は2割にも達せず、1年でクビになった
パコーーーーーーン
いきなりセンター前ヒット
「おっと、高橋一三いきなりヒット打たれましたよ・・・」
「うむ・・・一三は立ち上がりに問題あるがや、、、
」
2番の中は打ち取るも、バッターは三番高木守道
パコーーーーン
レフト前へヒット
初回から一死一三塁のピンチ、、、、
「ぬほほ、こりゃ早くも伴の出番が来るかもしれんな
」
「・・・・・・・」
しかし四番ミラーの当たりは強烈なサードライナー
長嶋さんこれをファインプレー
一塁を飛び出した高木守道戻れずゲッツー
「チッ、これはついておらんわい。。。。
」
初回のピンチはなんとか切り抜けた高橋一三だが
ベンチに戻ると中尾コーチから怒られてしまう
「一三っ、立ち上がりは気を付けろと何度言ったら
わかるんだっ
」
「まあいいよ中尾君、とりあえず先制点は奪われずに済んだ
とにかく今日は出来る限り長く投げて、星投入は避けたい！
この後はしっかり頼むぞ
」
『とは言ったものの、こいつボール先行で
球数多いからな・・・・』
だが中尾コーチの檄が効いたか、2回からは
好投を見せる高橋一三
立ち上がりが悪いが、それさえ乗り切ればなんとかなる・・・
今も続く巨人左腕投手の伝統か・・・これは（苦笑）
意外にも試合は投手戦となり、6回まで両軍
0-0のまま試合は進む
一時は伴の代わりに刺客候補に名前のあがったミラーも
快音が出ない
「おい星(一徹)っ、全然打てねーじゃねーかよ
」
「大口叩いといて、なんだよこのザマはよ」
一徹コーチにも容赦なく野次が飛んだ
「ほ・・・星君、このままだと拙いよ・・・・・
本当に星を引きずり出せるのかねえ？」
「水原さん、あんたらしくもないですぞ
勝負はこれからです
」
7回表、ワンアウトから一枝にヒット
ここでバッターは谷沢
ここらあたりからまた高橋一三がおかしくなる
パコーーーーーーン
谷沢ヒットで二死一二塁
高橋一三の球数も増え、苦しくなる
高橋一三は「元祖フルハウスの男」と呼ばれ
やたらフルカウントにするので有名なピッチャーだった
「むっ、なんかチャンスになったぞ
」
8番島谷は内野フライ
ツーアウトで次はピッチャーの星野仙だ
「これでなんとかこの回は投げ切ってくれそうだな」
川上監督は安心したが、星野仙の打席で・・・・
一徹コーチが動いた
中日、ダブスチを慣行
これに慌てた森捕手、サードへ悪送球
ボールはレフトを転々
この間に勿論二塁ランナーホームイン
ついに巨人、先制点を奪われてしまった、、、、
「こらダメだぎゃ・・・・
一三はもう限界だわ。。。。」
なおも二死三塁
ここでピッチャーの星野仙にもタイムリー
2点目を失った
しかも動揺した高橋一三、ストライクが入らなくなり
1番バビーにストレートの四球
肩で息を切り始める高橋一三
2番中にも連続四球
ついにルイマンにしてしまう
続くバッターは3番高木守道
巨人ナインマウンドに集まるが・・・・
ここで川上監督ピッチャー交代を告げる
「ピッチャー星っ！」
『ええっ、ちょっと待ってくれよ、、、、、
俺ブルペンにも入ってないのに。。。。』
これにニヤリと笑う一徹コーチ
監督無視してコーチなのに選手交代を告げる
「ピンチヒッター伴っ」
なんとクリーナアップで、しかも当たってる高木守道に代打
「よっしゃー！」
ズンズンズン
『ぬぉっ、出てきやがった、、、、、
いよいよ大リーグボール2号の最期か。。。。。
』
ビビる飛雄馬
気の抜けたような飛雄馬に川上監督が声をかける
「星っ、さっさとマウンドへ行けっ
」
「大丈夫だ！
わしも打たれるとわかっていて出すようなバカな真似はせん
秘策はあるっ」
『ふはははは、川上破れたりっ』
「さあ来い星よぉっ
消える魔球、わしがこの手で葬ってやるわいっ
」
『うぐぐぐ、、、、投げなきゃいかんのか。。。。
』
第153話魔球打たる！」
につづく