1970年(昭和45年)を迎え、いよい各球団がペナントレースに
向けて動き出した
そんな中花形はいまだに消える魔球の残り20%の謎が解けず
毎晩悪夢に苦しんでいた
そんな事とは知らない村山阪神新監督はテレビに出演し
花形の打倒消える魔球に大きな期待を寄せた
一方飛雄馬は、大リーグボール2号に自信はあるものの
花形左門の執念に不安を感じていた
そして新監督村山のもとを訪れた花形は、ついにそこで
消える魔球の全ての秘密を暴いてしまった
「今年こそは花形君より先に消える魔球ば
打って見せますとばいっ」
「とは言っても、消える魔球の残り20%の秘密ば
わしはなーんも解けとらんばってん。。。。」
「お・・・お前たちっ・・・・」
家族そろってギスギスしてる星家とはえらい違いである
「豊作あんちゃんがほちとうちゅを打てるように
みんなでお年玉出し合って買ったばいっ」
「そ・・・そうか
みんなありがとう」
ちなみに原作にもこのシーンはあるが、破魔矢は
登場しない
「豊作あんちゃん、去年はセ・リーグ打率14位じゃったけん
今年は星投手打ってベストテン入りして欲しいばい」
「よし頑張るたい」
「そいでもって、豊作あんちゃん美人のかわいいお嫁さん
もらうんじゃ
俺たちもいいとこのおぼっちゃんおじょうちゃんと
呼ばれたいばい」
嫁さんの方は実現してしまうのだ
「左門さんちのお子様と呼ばれるために頑張ってくれよ
あんちゃん」
「お前ら・・・・・都合がよかけんねえ」
「タクシー乗り回してスパイとかするんじゃなかとよ」
「わあぃ、それは言いっ子なしたいっっっ、、、」
「お正月に余ったお餅を安倍川餅にしたけん」
「わぁいアベカワだいちゅきたい」
「こら、良いとこの子供ばそんな騒いだりせんたい
おとなしく食べるばい」
「あーぁ、こんだけしかないたい・・・・
なんでこんなに少ないんじゃ?」
「当たり前たい
あんたたちお正月に散々食べてたばってん、余りものは
少ないに決まってるばい」
「豊作あんちゃんは高校では秀才じゃったのに
その弟のあんたたちはホントにバカじゃねえ、、、」
指でクルクルパーをするチヨちゃん
弟妹たちには意外にキツイ事言うのだ
「スマンなチヨ・・・来年はもっと餅ば買えるように
頑張るばってん」
「なーに言ってるんだあんちゃん
ちゃんと引き算すればお餅がどれだけ余るかなんて
わかってたはずばい!
それもできずガッカリする方がバカたい」
「ひ・・・引き算っっっっ!?
ちゃんと計算すればっっっっっっ!」
この瞬間左門の頭にも神が降りてきた
「ブツブツブツブツ・・・・・」
こりゃチヨもビビるわ、、、、
「あ・・・あんちゃんゴメンたい、、、、、
もう少ないなんて言わないから。。。。」
ばいっっっっ!
消える魔球の残り20%の秘密ば・・・・・」
「消える魔球ば100として、土煙が80%
この80%を引いてしまえば、おのずと20%の秘密ば
見えてきたばってん」
「魔送球が起こす土煙ば除去する方法は
わしの中では3つはありますたい、
そればやればボールは完全には消えないはず・・・・
つまり消える魔球ば打てるヒントはいくらでも
あるはずばいっ」
「ふふふっ、まさか星も川上監督も花形が消える魔球の
全てを見破ったとは気づいておらんやろ
シーズン始まったらビビりよるで、ハハハハハ」
「・・・・・」
『それは同時に明子さんが僕からまた一歩遠ざかると
いう事だ・・・・』
『今度はただ打たれて悔しいだけでは終わるまい・・・
明子さんは僕を心底憎むかもしれないっっっ』
『僕が大リーグボール2号を打ち砕くという事は
同時に・・・・伴豪傑と星君の仲を引き裂く事でもあるんだ・・・
勝負の世界とはいえ、明子さんには到底理解できまい』
「僕も勝負のためには鬼にならなければならんっっっ
大リーグボール2号は必ず・・・」
やるっっっっ」
『父ちゃんは伴を和製ベーブルースに育てると言ってたが・・・』
育て上げ
立派にお前の最大の敵に育てあげてやるわい
ガッハッハッハッハ』
『お前と一緒におっても伴は安全無害なただの休火山じゃ
わしはそれを大噴火させて見せると言うとるのじゃ』
燻っとる哀れな伴を
お前から救ってやりたいから
のう・・・』
ハハハハハハ
早く伴をよーこーせー』
グワッハッハッハ』
「あんたでなくとも俺が伴を育ててやるっっっっ
和製ベーブルースにでも和製レジー・ジャクソンにもっ」
打ってみろっっっ」
巨人の星(栄光の星編)第138話 「しごかれる伴宙太」
につづく