シーズンオフに入り、各球団にトレード等の動きが始まった中
中日のオズマの退団が決まった
オズマを空港に見送りに行く飛雄馬、花形、左門
ライバルの一人オズマはこうして日本を去ったが
花形と左門は打倒大リーグボール2号に更なる執念を燃やす
飛雄馬もその気迫を肌をもって感じていた
「と・・・・・父ちゃんっっっっっ」
一徹親父、オズマに隠れてちゃっかり来ていた
『やっぱり父ちゃん、オズマを本気で見切ったわけじゃ
なかったんだ・・・・』
おめでとうございます」
「まず星コーチ、愛弟子のオズマ選手の帰国について
ご感想を一言」
「ふん、帰ってしまったやつの感想などないわ!
それより諸君らにここで重大発表をしてやろう」
トレードを正式に
申し込むっっっ」
「え・・・・・伴のトレード・・・・」
「えーーーーーーーーーーーーーっ」
ガーーーーーーーーーーーーーン
「ちょっと星コーチ、伴宙太って
捕手の伴の事ですよね?」
「星投手とは高校時代からの黄金のバッテリーだ
それを引き離すんですか」
「黄金だか鉄くずだかは知らんが、トレードの
申し込みは事実じゃ!
それ以上でもそれ以下でもないわい」
「見るがいい、このアホ面下げた星投手の顔を!
こいつならやりそうな事と顔に書いてあるじゃろ」
鬼じゃからな」
『た・・・確かに父ちゃんは勝負の鬼だし
勝つためには何でもやる・・・・しかしこの手だけは
禁断の裏技のはず、、、、』
「僕はあなたを今まで尊敬してましたが、これは
卑怯すぎますっっっっ
あなたは超卑怯者だっ」
「あなた、大リーグボール2号の秘密がわからないものだから
秘密を知ってる伴豪傑をトレードで獲って
秘密を聞き出すおつもりですよね!
そんな方法は邪道、いや、人間として最低だ」
同じじゃないですか」
「うむ、盗泉の水を飲むどころか
これは泉自体を買収して水を強奪するようなもんですたい」
「でもこんなトレード、そもそも巨人が了承するはずが
ありませんけどね
あなたらしくないバカげた妄想だ」
「そうだ、よく考えたら巨人が大リーグボール2号の秘密を
わざわざ中日に渡すなんてあり得ない」
ハハハハハハ」
「なあ花形君、左門君
君たちはいつまでも消える魔球にキリキリ舞いしたまま
シーズン迎えて、このアホとチィチィパッパと
遊んどるつもりなのか?」
「いや、そんなつもりは毛頭ありませんが
このやり方はいくらなんでも卑怯だと・・・・・」
「わしのやり方など関係なかろう!
君たちに本気で消える魔球を打ち崩す気はあるのかと
聞いておるのじゃ!」
「勿論ありますっ!
今年は必ず消える魔球の秘密を暴き
打ち崩して見せますっっっ」
「君たちは君たちなりに、打倒消える魔球に励めばよい
それだけの話じゃ」
「しっ・・・・しかし・・・」
「父ちゃん・・・・本気で俺の大リーグボール2号の秘密を
伴から聞いて、打とうと考えてるのか?
だとしたら父ちゃんらしくないぞ」
「バカかお前はっ
わしがたかが大リーグボール2号打倒のためだけに伴君を
獲ると思っておるのかっっっっ」
「ち・・・・違うのか・・・・だったらなぜ・・・・」
「決まっておろうが」
「わしは伴君がオズマに匹敵するか、それ以上の実力を秘めておると
見ておるから伴君が欲しいのじゃ!
大リーグボール2号も3号も4号も関係ないわい
そんなもんは花形君や左門君がやってくれるじゃろう」
「そうじゃ!
伴くんはわしの力で恐るべきバッターに成長させて見せる
どんな魔球も打ち崩せるバッターにな」
「了承しないというのか?
そこの花形君や左門君が消える魔球の秘密を暴き打ち込めば
秘密も秘密でなくなる
巨人軍が伴君の流出を拒む理由もなくなるわけじゃ」
「でも・・・こいつらに大リーグボール2号が打てればの
話だろ・・・・」
「星君っ、今の言葉は聞き捨てならないな
僕たちを見くびらんでほしい」
「大リーグボール2号、消える魔球は命にかけても
この僕が打ち崩して見せるっっっ
それだけは覚えておいてくれたまえ」
「なんだか君と一緒にいるのが気まずくなった・・・・・
悪いが帰りはタクシーでも拾ってくれ」
「左門君はどうする?
ミツルハナガタ2000GTで送ってやってもいいぞ」
「断りますたいっ
君もバットではライバルですけん、一緒に帰りたくはなか
わしはモノレールで帰りますたいっ」
「そうか・・・・じゃあな」
「ええっ
星君っ、そりゃないよ~
半分タクシー代払うから、送ってってよ、、、、、」
「帰りに事故りそうだからやめとく
自分で電車に乗るなりタクシー拾うなり歩くなりしてくれ
俺のそばに寄らないでくれ」
「お・・・おいおい、そんな性格なのか君はっ」
「ふっ、今のとこ君の漫画に描いていいぜ・・・・・
こんな世界なんだよ、勝負の世界って
結局はひとりぼっちで戦わないといけない世界なんだよ」
「ほ・・・星君・・・・」