プロの投手としては致命的な球の軽さに
悩み苦しむ飛雄馬
その打開策もないまま、一軍の台湾キャンプに帯同
たまたま行われた障害物競争は、飛雄馬の小柄な
体型が時には有利に働くと知り、球の軽さの打開策の
ヒントになりそうな気がしたのだったが
親友牧場からの手紙は更に飛雄馬を絶望の淵に追い込む
どうやら牧場の見せたスコアブックからライバル左門が
飛雄馬の欠陥を知ったようだ
飛雄馬は、大投手金田に変化球を教えてくれと
藁をも掴む気持ちで懇願するが、金田は
「お前自身の変化球を編み出せ」と突き放す
というわけで、今回は巨人の星雄飛編
第67話「落日の中の胴上げ」を解説していきます
そのケガが元で、一足早く台湾を後にする事に
見送りに帯同する飛雄馬
「星、もうええぞ
ここからはわしひとりで大丈夫だぎゃ」
「い・・・いやしかし・・・」
「おみゃあはまだ練習があるがね?
気にせんとさっさと帰るぎゃ」
しかし飛雄馬は改札口まで見送ると言って聞かない
結局改札口まで付いて行く飛雄馬
「おみゃーさんは、ホンマええ目しとるわ!
がんばりや」
「はい、金田さんが進言してくれた俺だけの
変化球の完成に死力をつくします」
それを聞いたカネヤン
「送ってくれたお礼に、おみゃーさんに
プレゼントだぎゃ」
と言って一通の封筒を差し出す
「お・・・お駄賃なんていりません!」
「勘違いすんな
こりゃあわしが国鉄時代に作った打倒巨人の
ための秘密データーだぎゃ」
「おみゃーさんの変化球開発のためのヒントに
必ずなるはずだぎゃ」
「えっ、打倒巨人のためのデーター・・・
こ・・・これ今拝見していいですか!?」
「ええよ」
ビリッ
「ああっ、こっ・・・これは!?
まさか、そんな」
衝撃を受ける飛雄馬
金田を探すが、もう金田は空港行きの列車に
乗り込んだ後だった
金田の残していった封筒の中身は
ホームランキング王貞治の体格と
才所俊郎という外野手の比較表だった
ちなみにこの選手が才所俊郎
1965年巨人にドラフト5位で指名され
1年目からライトで起用されたが、6年間で
60試合しか出場がなく、ほとんど代走要員
71年に戦力外で西鉄に移籍したが1年で引退した
「あの王さんが、才所さんに比べて体格的には
全然負けてる・・・勝ってるのは身長くらいだが
ストライクゾーンが広くなる分むしろ不利だ・・・」
なんの偶然か、金田が残した比較表とおあつらえ向きに
王さんと才所選手が並んでバッティング練習を
しているのを目撃する飛雄馬
打球を軽々スタンドへ運ぶ王さんに比べ
才所は凡打を繰り返す
それを見た飛雄馬は、あの比較表が
王さんと才所選手を入れ間違えたのではないかと
疑問に思った
そしてあの比較表を王さんに見せる
「あのー、この数字で間違いないですか?」
「意外にお粗末な数字で驚いた顔だな(笑)」
「い・・・いや、そんな、、、」
王さん自身も最初この数字を知った時には
ショックを受けたと言う
「だが、それは逆に僕にとっては自信になったね」
「この程度の体格でホームランのタイトルを獲れる
って事は、ホームランは決して力ではないという事だ
タイミングだ!技術だ!!
それは30歳を超えて体力が落ちても、ホームラン王の
タイトルは奪われないという自信になったのだ」
『金田さん、わかったぜ!
今こそ俺は、大リーグボール開発のスタートラインに
立った気がするぜ』
そして紅白戦が始まる
紅軍は藤田コーチ、白軍は牧野コーチが監督を
するらしい
『しかし昨日は柴田さんにあわや死球の大暴投で
即交代させられた俺が、なんだって先発に
選ばれたんだろう・・・』
だが、この試合で自分の球の軽さが露呈するかもしれない
そういう不安もあったが
『そうなったらそうなったで、いよいよ新変化球の
開発に必死になれるぜ』
と開き直る飛雄馬
通用するのか・・・・』
またも勝手に思い込んだら、妄想の道へ
突き進む
「おいイサオ、お前昨日からあのピッチャーに
狙われとるぞ(* ̄Oノ ̄*)
そいつノーコンだからな」
野次を飛ばす藤田コーチ
「変だなぁ・・・あれは普通ボテボテのゴロになる
バントなのに・・・なんであんなに飛ぶんだ」
柴田の何気ない愚痴
『ちょっとバントをしても遠くまで打ちあがる・・・
つまり・・・それだけ俺の球は軽いって事かぁぁぁ』
『くそ、今ので俺の欠点に気付いた選手はいない
だろうな、、、、』
キョロキョロする飛雄馬の肩を叩く誰かに
驚く飛雄馬
「星、ナイスピッチじゃないか!」
味方の選手たちだった(^o^;)
『大リーグボールが完成するまで、誰も俺の
欠点に気付きませんように、、、』
祈る飛雄馬であった
巨人の星(雄飛編)第67話「落日の中の胴上げ②」
につづく