巨人の星(青雲編)第1話「めざせ栄光の星②」 | 野球侍SAKIのブログ

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ももクロの夢はモノノフの夢

昭和33年(1958年)初頭、六大学野球の
スーパースター長嶋茂雄は巨人入りを決めた

入団会見の日、長嶋の姿を見る川上哲治は
かつて巨人軍に在籍し、魔送球を操る
名三塁手星一徹の事を思い出していた

 

その時、長嶋に向かって投げられたボールは
ぶつかる寸前に急激に角度を変えた

 

「こ・・・これは魔送球!?」

 

驚く川上だったが、「魔送球」の犯人は
まだ小学校高学年くらいの少年だった

 


「おい君っ!長嶋君にもしボールが当たって
ケガでもしたら、少年院送りだぞ(`Δ´)」
飛雄馬にウソをついて脅すマスゴミたち
※この当時の少年法では小5の飛雄馬が
少年院に送致される事はない

 


「君、もしかして君の名前は星というんじゃ
ないのかい?」

川上が飛雄馬を問い詰める
しかし飛雄馬は「違う!」と言い張った

 


その時何気なく川上が見た飛雄馬の掌に
恐ろしいほどのボールダコを見つける
『こんな子供なのにこの手はまるで20年も
野球を続けてたような手だ・・・ガーン

 


隙を見て逃亡する飛雄馬

 


川上さん、長嶋さんを放ったらかして
飛雄馬を追う笑い泣き

 


川上の脳裏に親友星一徹との過去が蘇る
『星一徹は、昭和17年巨人に入ってきた
しかしすぐに兵隊に獲られ出兵
昭和23年に帰ってきたあいつは、肩を
完全に壊していた・・・・』



そんな中行われた巨人の紅白戦
川上のチームは、川上がファースト
サードには一徹がスタメンで出場していた

 


一徹の前に転がったサードゴロ
一徹の壊れた肩では間に合わないと思ったその時
送球はランナーの走路の目の前に飛び
ぶつかると思ったランナーは足を止めた

 


しかしその後信じられない曲がり方で
川上のファーストミットに収まった
これが魔送球の初披露だビックリマーク

 


最初は偶然にああいう変化をしたのだと思った
川上だが、何度か魔送球は使われたことで
一徹が意図的に投げている事を察した

 


試合後、川上は一徹を呼び出す

 


「見たか川上、肩を壊したわしが苦心の末に
編み出した魔送球を」
「うむむむ・・・君はなんという恐るべき男だ」
川上も唸るしかなかった

 


「勿論魔送球ばかりだといずれランナーは
気が付いて立ち止まる事はなくなるだろう
しかし、時折わざとぶつけてやれば問題はない

 


その一徹の言葉に川上は激高
「星くんっ!悪いが君は今すぐ巨人を去りたまえ!!」

 


「我が巨人軍は紳士の球団なのだ(`・ω・´)
ボールをわざとぶつけるなんてビーンボールと
変わらんじゃないか!
そんな選手は我が巨人軍の面汚しだムキー

 


川上のこの言葉にショックを受けた一徹は
そのまま本当に巨人を去ったあせる

 


さて、飛雄馬が会見場から逃走し家に帰ってみると
家の前に人だかりが・・・

 


怒りの表情の姉明子は飛雄馬の腕を掴むと
家の中に引っ張り込んだ
「見なさい飛雄馬!アンタのせいでお父さんが・・・」

 


一徹親父、飲み屋から帰ってたまたま見たテレビで
あの魔送球騒動を目撃し、大暴れしてテレビを
ぶっ壊したらしい(苦笑)

 


アニメではなかったが、原作の飛雄馬はこの有様を
見て嘆く
昭和33年当時のテレビ1台の値段は6~7万くらい
この当時のサラリーマンの初任給が1万円ほど
だった事を考えると、今なら70万とか80万の時代だ

 


「途中で中継終わったんでアンタの顔は映らなかった
けど、魔送球なのはすぐにわかったわ
ホントになんて事するのよむかっ

 


「ウィ~ヒック、帰って来たかこの大バカ者が
落ちぶれたとは言え、元巨人軍の選手として
恥ずかしいわ 貴様は星家の恥さらしもんだムキーッ

 


「違うっ!父ちゃんはウソついてるぜ
自分が編み出した魔送球をいともあっさり
長嶋に見抜かれたのが悔しくて暴れたクセに

 


「うむむむむ・・・・(-""-;)」
痛いところを突かれて帰す言葉をなくす一徹

 


「ちくしょーーーーーっ、長嶋のヤローむかっ
俺たちの苦労を一瞬にしてぶっ壊しやがってーむかっむかっ
どうやっても俺たちはあいつにかなわねーんだ
俺たち一家は野球に呪われてるんだーえーん

 


クビグビグビ

 


「ああ、可哀そうな飛雄馬・・・・
こんな家に生まれなければ、普通の男の子の
生活ができてたのに、、、」

 


飛雄馬のあとをつけて来た川上もこの様子を
外で盗み聞きしていた
「星くん・・・ここまで落ちぶれていたのか
私にも多少の責任はある・・・」

 


その時、家の壁に空いたボール1個分くらいの
風穴を見つける

 


原作ではここで、星一家を憐れんだ川上は
財布から3000円ほどを出して恵んでやろうとする
親切に思えるが、完全に蔑んでいるのだ
アニメではこのシーンはさすがにカット

 


「俺がガキの頃からの唯一の遊びって言ったら
これだけだぜ・・・」

 


突然飛雄馬は、風穴に向かってボールを投げる

 


「ぬおおっ!?」
風穴から飛び出したボールに驚く川上

 


しかもその投球は、風穴正面の木に当たって
跳ね返ると、再び風穴の中に

 


「バカな・・・信じられん
うちの投手でさえこんなマネできるやつは
おらんぞ、、、」

かなり前に角さんだったか定岡さんだったかが

テレビの企画でこれに挑戦

300球くらいでやっと成功していた(^▽^;)

 


何度も繰り返される飛雄馬の風穴通し
キャッチボールに川上のプロとしての意地が燃えた
「よし、打ち返したろニヤリ

 


カキーンドンッ

 


突然思った以上に速く跳ね返ってきたボールに
今度は飛雄馬が驚く
「姉ちゃん危ないっ!」

 


このボールを一徹親父は機敏な動きでキャッチ
さすがは元名三塁手である

 


「すげえや父ちゃん!やっぱり父ちゃんこそ
史上最強の三塁手だよ」
改めて一徹親父を尊敬し直す飛雄馬

 


「うむ・・・さすがは星一徹だ汗
川上は一徹に飛雄馬をプロの選手に育てられる
力量があるのか試したらしい

 


「飛雄馬、しくじったな・・・こんなミスを
するなんてお前もまだまだだ」

 


「違うよ父ちゃん!誰かが壁の向こうで
打ち返しやがったんだ!!」

 


「バカを言え!そんな事ができるのはただ一人
弾丸ライナーの川上哲治しかおらん」

この場面、後年初めて見た川上さん(本物)のコメント

「もっと言ってくれ(≧∇≦)」

 


「か・・・川上哲治!?」
顔を見合す星親子

 


急いで表に出ると、川上の後ろ姿が・・・

 


そして川上の後ろ姿を見た一徹親父
何を思ったか唐突に夜空の星を指さす

 


「見ろ飛雄馬!夜空にひときわ大きく輝く
あの星こそ、王者の星、巨人の星だ!」

 


「いつか必ず、お前はあの星に駆け登るのだビックリマーク
後の有名なセリフである

 


巨人の星(青雲編)第1話
「めざせ栄光の星②」おわり

第2話「悪魔のギブス」につづく



さて、この年巨人入りを決めた長嶋さん
ドラフトなどなく自由競争だった時代
長嶋争奪には巨人の他、南海ホークスも
動いていた事は有名な話


ことに南海は、長嶋さんの大学の先輩の
大沢啓二氏(故人)の強い勧めもあり、一時は
南海入り濃厚だった
この時南海が提示した契約金は2000万
今なら2億~3億くらいの価値か


一方巨人の提示額は南海より200万少ない
1800万だったという
先輩の大沢親分の頼みのうえ、契約金も南海の
方が多かったにもかかわらず長嶋さんは
巨人を選び、結局巨人入りが決定した

 


当時からセ・リーグはパ・リーグより人気があり
地域限定の地方球団南海より、やはり全国区の
巨人の方が目立ったのは間違いないからねσ(^_^;)

 


後に大沢親分も「長嶋がもし南海に来てたら
今の長嶋はなかっただろう」
と語ったという