第17話 ガッツ10番 17-1 | 野球侍SAKIのブログ

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ももクロの夢はモノノフの夢

新潟西高校野球部の富樫平八郎はライバル日下部了の
影に隠れ、高校3年間のほとんどを補欠で過ごすも
愚痴ひとつこぼさず、黙々と野球に励んでいた
付いたあだ名は「ウォッス10番」
そんな平八郎にも夏の甲子園出場をかけた地方予選の
決勝にチャンスは回ってきた
負傷の日下部に代わりマウンドに登ると最後の打者を
三振に打ち取り、甲子園出場を決めた
だが平八郎の父は病におかされ、余命はもって1年と宣告
されてしまう
平八郎の実家は貧乏な魚屋で、父の入院費用も出せない
そんな中平八郎はなんと東京メッツからドラフトで指名
されたのだ

 


この回の冒頭は、平八郎が東京にたつ時から始まる

 


キッチリ富樫の見送りに来る幼馴染みの夕子

 


親父が病気のため家族が来れないのはわかる気がするが
見送りが夕子だけとはなんとも寂しい旅立ちだ( ´(ェ)`)

 


『見ててくれ親父!親父が生きてる間に東京で必ず
ひと花咲かせてみせるぜ!!』

 


『頑張ってね、平八君・・・私は最後まで平八君を
応援してるわ
ラブラブ

 


それから4年の月日が流れた
夕子は高校卒業後、看護士の資格を取り今や列記とした
ナースになっていた

 


テレビでは六大学野球の優勝決定戦が行われていた
早稲田のマウンドに立っているのは、あの日下部だ

 


『日下部君、大学ではすっかりスター選手だわ・・・』

 


日下部の力投により、早稲田はリーグ優勝を果たす

 


この年のドラフトでは間違いなく1位指名される逸材に
成長していた

 


『平八君・・・・今頃どうしてるのかしら・・・・』

 


ここでサブタイトル
なお平八郎のエピソードは、原作では「ウォッス10番」
「ガッツ10番」「スラッガー10番」の三部作だ
その全てに渡り、女性キャラは里中満智子先生が担当
連続した連載ではなく、不定期だったためそのたびに
呼び出されてさぞかし大変だっただろう
ちなみにアニメ版は「ガッツ10番」に「スラッガー10番」も
併合されている


平八郎はメッツに入って4年
いまだに一軍には上がれず、夕子も心配していた

 


「日下部君ってステキねえ~、まさに郷里の大スターだわ!
そういえば日下部君のチームメイトでプロに入った人
いたわねえ・・・名前は忘れちゃったけど(`∀´)」

 


「日下部君の影に隠れてた人でしょ、でもいまだに名前
聞かないって事はどーせもうクビになったんじゃないの
アハハハハハ( ゚∀゚ )ハァーハッハッ!!」

 


彼氏の事をボロクソに言われて気が気じゃない夕子
「ク・・クビになんかなってないわ!今も彼は頑張って・・・・あせる

 


しかしいまだに一軍にも上がれない平八郎を擁護
したところで虚しいだけだった(´_`。)

 


女の世界も残酷なのである、、、

 


「ハァ・・・あの人たちに何言っても無駄ね・・・」

 


平八郎の親父は、その夕子の勤める病院に入院していた
これは、平八郎から送られてきた手紙だ

 


「お父さん具合はどうですか、俺は東京で元気にやって
います・・・・だと?」

いつの間にかガミラス人になった親父・・・・(^▽^;)

 


「バカかアノヤローはっムキー
手紙を丸めて投げ捨てる親父

 


「デカイ口聞いて東京に出てったのはいいが、4年も
二軍とは、やっぱりあいつにプロなんて無理だったんだ」
お・・・お父さん、、、、汗

 


プロでなかなか芽が出ない息子平八郎に、母親も胸を痛めていた
『あのまま家の魚屋を継いでてくれればねえ、、、』

 


「お父さん!気分はどうですか?」
おおっ、夕ちゃんか・・・いつも済まないねえ

 


うちのバカ息子のやつは、こんな良い子放っぽり出して
ホントに大バカ野郎だぜ、、、

 


さて、その平八郎
二軍戦に登板するも、ここでも成績は芳しくない

 


この日もカープとの練習試合で打ちこまれていた

 


『クソ~、やっぱりプロでは俺は通用しないのか、、、笑い泣き

 


二軍の選手にもバカスカ打たれ、炎上中

 


「鉄っつあん・・・やっぱり富樫指名したの間違い
やったんやないか?高い買い物やった気がして仕方ないで。。。」

 


「もう4年や!ここまで成長せんとはなぁ・・・
そろそろ戦力外通告も考えた方がええかもしれん」

 


「五利よ、お前も新潟予選の決勝であいつのピッチング
見たやろ?」

 


「あの時のあいつ・・・たった1球やったけど、わしは
プロでも十分やれるやつやと思とる!今もそれは変わらん」

 


「何かのきっかけやねん!それさえあったら・・・」

 


パコーン!

 


「あーもう、、、言ってるさきからこれや・・・・
鉄っつあんの目ぇも、もうろくしまくりやがな(x_x;)」

 


この日も平八郎は大量失点してマウンドを降りた

 


そしてこの年のドラフトの日がやってきた

 


「毎年クジ運に泣かされとるからなぁ・・・今年こそは
1番クジ引いて、日下部獲ったるで!」

 


この頃のドラフトは、事前にクジ引きをして1番クジを
引き当てたチームから順に、好きな選手を1本釣りできるという
システムだった

 


「ほれパンチョ伊東、これは1番クジや!大事に扱えよ」

 


ありゃ!本当に1番だ∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
「せやろ、せやろ!当然やでニヒヒ

 


がははははは、ついに1番クジや!五利どうやわしのクジ運グラサン

 


って、ホンマに1番やんけポーン
冗談で言うとったら、ホンマに引いてもたで

 


というわけで鉄五郎、当然の事ながら1位は日下部を指名した

このニュースは瞬く間に世間の話題を独占した

 


そんな事はつゆ知らず、オフになり平八郎は久しぶりに
故郷の新潟に戻ってきた

 


親父の病院を訪れるも医師からは悲観的な言葉しか出ない、、、ゲッソリ
「正直ここまでもっているのが奇跡です・・・お父さんの
精神力の強さには驚きました、しかし現実的には
いつお迎えが来てもおかしくない状況です」

 


「平八テメーコノヤロー!よくもおめおめと顔が出せるなむかっ

 


「俺ゃあ、二軍で球拾いさせるためにおめえを東京に
やったんじゃねえぞ!とっとと帰えりやがれ」
いや・・・別に俺球拾いはしてねえし・・・

 


「とにかく俺、来年こそ必ず一軍に上がってみせるよ!(`・ω・´)」

 


平八帰郷の話を聞いてすぐに病室に駆け寄る夕子

 


「お帰りなさい、平八クン!ラブ

 


「ただいま夕ちゃん、これつまらないもんだけど
お土産だよ」

 


包みを受け取る時、夕子は偶然平八郎の手に触れた

 


『つ・・・冷たい・・・まるで指先が氷みたい・・・』

 


「平八クン、ちょっと指を見せて」
平八の手は、指先だけが氷のように冷たかった

 


「平八クン・・・あなたひょっとして・・・・・汗
すぐに先生に診てもらった方がいいわ」

 


「な・・・なんでもないよ!今日は外が寒かったもんでさ・・・」

 


夕子の忠告にも耳を貸さず立ち去る平八郎

 


『もしかしたら・・・腱鞘炎じゃないかしら・・・』
ちなみに俺も腱鞘炎です・・・
そう言えばたしかに冬場は、指先が冷たくなって
動かすと激痛が走る時があるなぁ・・・・( ̄_ ̄ i)

 


病院の帰り、たまたまテレビでドラフトの結果を知る平八郎

 


「メッツが日下部を指名した、、、、また俺は日下部の
影に隠れてしまうのか。。。。」

 


その頃メッツの球団事務所では日下部に指名の挨拶の
電話を入れていた

 


「ああ・・ゴホンっ、日下部かぁ・・・わし岩田や
今度お前指名したから、うちに来いや」

 


「コラ、鉄ぅむかっ お前バカか!そんなヤクザな口の聞き方があるか
もし日下部がヘソを曲げたらどうするんだ」
日下部は高校時、ホークスからの指名を拒否した前歴があるため
オーナーも対応には慎重になっていたのだ

 


「ああ?何??回りがうるそうて聞こえんかった、もう一回
言ってくれ、日下部」

 


「指名された以上、ボクはメッツさんにお世話になるつもりです
これからよろしくお願いします、と言ったんです」

 


「たとえ親が反対しても、ボクはメッツに入団しますビックリマーク

 


「あ・・・・( ̄□ ̄;)・」
おいっ、鉄!日下部は何と言っておるんだ!?

 


「やったぞー、日下部メッツ入り内定や」

 


一方日下部のメッツ入りに不安を隠せない平八郎

 


「くそー、日下部でもなんでも来やがれ!
今回ばっかりは絶対あいつにマウンドは譲らねえぞ!!」
これは目立ちたいからではなく、親父に死ぬ前にプロで
活躍している自分を見せたい一心からの、平八郎魂の叫び
だった

第17話 ガッツ10番 17-2

 


さて、このエピソードでは高校時代ホークスに指名されたものの
大学でのドラフトでは、弱小球団メッツに日下部は気持ちよく
入団を承諾したのだが、野球狂の詩連載当時のプロ野球界
実は毎年何人もプロ入り拒否をする選手がいた

いまやレジェンドになっているような有名選手も
意外にプロ入り拒否の経験があったりする

元大洋平松政次

 


元南海門田博光

 


元阪急山田久志

 


元中日谷沢健一

 


元阪神江本猛紀

 


元広島川口和久

この人たちは、理由は様々だがたいていは指名順位が下位で
評価が低かったとか、大学進学が元々の希望だったとか
そういうのが多いかな
当時のドラフトは、プロ志望届なんかなく
プロのスカウトが「こいつは使える」と睨んだら
本人の希望とか関係なく、好き勝手に誰でも指名できたのだ

 


一方で、江川さんのように特定球団以外お断りの選手や
指名した球団が気に入らないなどの理由で拒否する選手も
少なからずいた

 


1969年のドラフトで大洋から1位指名された荒川尭は
「巨人とヤクルト以外はお断り」と最初から豪語しており
大洋ファンと思われる人物に襲撃されて選手生命にかかわる
大ケガ負わされた選手もいた

 


あと1998年オリックスに1位指名された新垣渚のように
交渉に当たったスカウトが、新垣の入団拒否が理由で
自殺してしまい、拒否した新垣が一方的な悪者にされた
ケースもあったなぁ・・・

 


しかし中でもやっぱり印象深かったのは、小池秀郎だな
1990年、なんと8球団から1位指名を受けた小池は
抽選の結果ロッテが当たりクジを引き当てた
当時小池は、大学№1左腕として注目を集め
ドラフトの日には母校亜細亜大学で記者会見の席も用意され
ドラフトの様子を小池本人も席に着きながら見ていた

 


ところが当たりクジをロッテが引き当てた瞬間、小池の
顔色がはっきりと変わり、明らかにガッカリしている様子が
テレビ中継で全国に放送されてしまった

 


しかも小池本人はその後の記者会見をボイコット
更に亜細亜大学の小池の同級生から「小池がかわいそう」と
言ってる模様まで放送されてしまう
今思うとここまで言われるロッテが逆にかわいそうだった

なんでも小池はドラフト前から「巨人と西武とヤクルト以外は
行かない」と言ってたようだが、巨人は小池を指名していない
まあ当時のロッテはたしかにクソみたいに弱いチームだったけどね

 


当時ロッテの愛甲は「俺があいつの先輩だったらぶん殴る」と
発言していたが、愛甲もドラフトでロッテから指名された時は
口には出さなかったものの「ロッテは一番行きたくない球団」と
周囲には漏らし、記者会見もメッチャふて腐れてた
記憶があるのだが・・・

 


ちなみに元中日の藤沢公也という投手は5回ドラフトで指名され
そのうち4回を入団拒否したという伝説を持っている
それ故にプロ入りした時は28歳とか29歳だった
この人の現役時代は知ってるけど、悪いけどそんなに
凄い投手には思えなかった
1年目こそ13勝したものの、2年目は1勝15敗だぜ、、、

しかし今更だけど、なんで自由獲得枠とか廃止しちゃった
んだろうな
あれに特に問題はなく、すごい平和的だったけどねえ( ̄ー ̄;