ボルダリングをやってみた話 | 濃密ナチュラル、そんなオシャレマガジン

ボルダリングで意外なこと

 

・頭使う

ケインコスギのファイト~、一発!のCMの崖登りのような肉体で登りきるスポーツかと思ったら、フェイクのルートとか、右手で持つところを左手で持ってたりすると進めなかったりする謎の迷路。

 

・あのカラフルなデッパリは硬い

勝手に想像で柔らかいボヨンボヨンしたのだと思っていたら普通に石みたいな感じ。あんな子供っぽい色彩でカラフルなのに硬いなんてなんかビックリ。

 

・小さい靴

ジャストサイズより2㎝とか小さい靴を、足を縮こませて履いて、ってそんなことやるのはクライミング、ボルダリングくらいだろう。不健康そうなこの行為に最初はビックリ、大して小さい靴を履かずに終了した。

 

・流行りそうで流行らない

身一つでできるはず、都会にもポンとジムがある環境なのにランニングみたいに流行らないのはわかりやすく汗をかかないからか。ランニング、ホットヨガ、サウナ。どうせなら汗をかきたい、やった感が大事なのか。

 

・部活もあるらしい

店のスタッフが高校がボルダリング部って言ってた。多感な時期になんというストイックな協議なんでしょうか。

 

・指の力が大事

手でガシっとつかむんでなくて指でつまむようにホールドしなき落っこちちゃうコースがあって、こんなに強く何かをつまむの人生で初、みたいな体験ができる、プルプル。

 

 

2年前の新年に始め、年がスタートする1月は区切りが良く、今年はあれをやろう、これをやろう!って、意気込む時期だ。新しい年、そして新しい自分、明るい未来、目標達成、夢実現だ。

 

 

家から徒歩20分圏内。とりあえず気分が上がりそうな一番オシャンなボルダリングジムに行ってみた。オシャレカフェ、オシャレ自転車屋、オシャレホステルとくっついていて、そこのジムに入ると自分が雑誌ブルータスの記事「思考の遊び、ボルダリング」(←たぶんそんな号はない)の記事を作りにきたような気分だ。哲学的なミニマルテクノミュージックがかかっていて天井も高くて気持ちがいい。

 

レンタルシューズを借りてさっそく一番簡単な緑色の石のコースを登ってみたら、もう、これハシゴと変わんないじゃん、簡単だ。次に難しいピンクの石のコースもまあ簡単。次は赤か、ん、ん、って結構難しい。そんなこんなで筋肉痛が当日にくるほど腕が痛くなり2時間くらい終えて帰宅。

 

他のジムも行ってみたらオシャレさ落ちるけど石の数が多い。同じ難易度でも8~10種類くらいあるから、もうここがホームグラウンドだ。ジムによって結構違いあるけど、初心者こそジム選び大事そうだ。暇そうなスタッフにヒントもらえるとことかいいよね。そんで通い放題に入会し、週に3回くらい通った。

 

靴は小さめがいい。小さい石にちょこっと、つま先だけのせなきゃいけない時があって、なので上級者は魔女とか、ダメージジーンズにウォレットチェーンつけてる男とかの靴みたいに、先のとがった感じで土踏まずのアーチが強いヘンテコリンな靴を上る時に装着して、登ってない時は裸足で休む。普段は靴はちょっと大き目のものを履くのが好きなので小さい靴を装着しているのにやたらストレスを感じた。マイシューズを買ったけど初心者向き、あんまりアーチが強くない、履きっぱなしでも疲れない程度の大きさだ。とりあえずマイシューズを出費するとやる気が出る。

 

手長猿体系の僕は有利で5級とか、たまに4級とか、まあまあ大変なコースがクリアできた。動き方、石の掴み方、壁の蹴り方も慣れてくる。

 

難易度が上がると、めちゃくちゃ小さい石に片足だけつけて、片手を離して、例えば右手と右足だけ石をつないで、左手足が宙ぶらりんみたいな状態が結構ハードだ。ハードかつ2階とか3階みたいな高さでそんな状態だと結構怖い。ボルダリングをしながら薄々再認識していたけど僕は高所恐怖症だ。前世はきっと大西洋なんて飛行機で渡れないだろうという世の中で、俺は渡るぞ、って実験的に飛行機を運転して敢え無く散ったパイロットか何かかもしれない。みんなの海外旅行は前世の僕のような大量の墜落者の恩恵で成り立っているのだ。

 

3か月間、高所恐怖症を騙し騙ししながら、「もういいか」と思って退会した。今もまあ、たまにやるならガクブルでも新鮮な気持ちで良いのだが、日常、いつもいつも自ら高いところにいるのは無理なので退会した。

 

なんか気になってたことをやって、「ああ、なんか違うな」って段々思ってくるのは生きていく上でよくあること。仕事だったり人間関係だったり習い事だったり住む町だったり使ってる家電だったり。

 

何か違うな、って思う体験って、居心地が最高に約束されている何かからちょっと飛び出てみる冒険から起こるから、何か違うな、をもっともっと味わって冒険を詰め込んだ人生にしたいものだ。違うかもしれない何かを探す小さな冒険、と思いながら「ほろ酔い」って書いてあるアルコール3%の酒を買って飲んでみたら思いの他よかった。