温暖化と騒がれている。
子供の頃の当地、北海道は夏場に30度を超えることは殆ど無かった。
年によっては、30度に達しないこともあった。
子供の頃の海水浴は、冷えた身体を温める熱い豚汁が定番であったが、近年海水浴場の豚汁は全く見なくなった。
しかしながら、昨今は30度越が珍しくなく、今年にいたっては30度越えが連続して10日以上続いた。
また、以前の道内は冬も氷点下30度以下は珍しくなく、年によっては氷点下40度前後にもなった。
これが、近年では氷点下30度に達しないことが多くなった。
百年単位で見れば、寒暖の波はあるとはいえ暖かくなっている。
なお、面白いことに温暖化と訴える地域は高緯度地域が多い。
暖かいと雪氷に直接影響が現れるので、分かりやすいからだと思う。
さて、温暖化の正否だが、これは分からない。
しかしながら、その訴えには正否双方とも胡散臭いものが少なくない。
全くもって、政治や経済の商売のために言っているのではないかと勘繰ってしまう。
先ずは温暖化しているという論者だが、これは二者に分かれる。
双方とも温暖化防止のために二酸化炭素(CO2)排出を防がなければならないと言う。
そして、ここからが違う。
政治的な方向で違うのだ。
その一つが左派だ。
彼らはCO2削減のために石炭発電を止め、再生可能エネルギーとされる風力や太陽光等の自然エネルギー系に転換せよという。
加えて、石油系エンジン車を止めて電気自動車(EV)に転換せよという。
しかし自然エネルギーなど、現在の未熟な蓄電技術では、不安定で危険だ。
また、EVなど積雪寒冷地では通行止め等で立ち往生した場合は、暖房で電気を使い果たし生命にかかわる。
ハイブリッドを含む内燃機関で、決定的に劣る欧州や中国の自動車メーカーがEV以外の排斥に逃げているだけだ。
そもそもが、EVに充電するのは主に夜間になるが金曜の夜など電力需要に耐えられないだろう。
また、現状の発電そのものに火力系があり、それ自体がCO2発生源である。
さて、もう一方は右派である。
CO2削減のため原発を増設せよという。
核融合炉や高速増殖炉は、実用商用炉にはほど遠い。
しかしながら、高温ガス炉等の小型原発は今後の主役になるだろう。
CO2削減のための不安定な自然エネルギーや、備蓄が極少で供給に限りがある上、紛争時の運搬にも不安が残る天然ガスなど狂気の沙汰でしかない。
現実的には、原発は外しようがない。
さて、温暖化否定論である。
一定の温暖化は認めるが、それが進むと極地の雪氷が融けて海水温が低下し海流に異変をきたし寒冷化の方向に向かうという真っ当な見解は頷ける。
また、化石燃料関連業者が存続のために温暖化を否定したいのは、是非はともかく十分理解はできる。
しかしながら、単なる逆張り系が少なくない。
一つの潮流が出来ると、逆張りはどの分野に現れる。
主に温暖地域在住者に多い。
彼等は、世界的な高緯度積雪寒地の異変は目に入らぬようだ。
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