紀蔚然さんの「DV8 台北プライベートアイ2」(舩山むつみ訳)を読みました
2011年に発表された前作の続編として、2021年に台湾で発表されていた作品です
前作は、主人公が大学教授を辞めてしがない私立探偵になって四苦八苦するところから描かれており、そこから思いがけない展開に話が進んでいく非常に面白い作品でした
台湾の文化や生活がよく伝わってくるところもよかったです
それだけに続編も楽しみしていましたが、結論からいうと本作はいまいち
台湾の文化や生活が伝わってくるところは相変わらず楽しいのですが、主人公がスーパーマンになりすぎたのではないでしょうか
客の皆が狙っているバーの女性店主のハートも、後から出てきて簡単に射止めてしまいます
島耕作か!
先日ツイッターでみかけたのですが、文学賞に応募してくる作品によくある展開として、年配の男性が隠されていた不正を暴いていく過程でコンビとなる若い女性から惚れられるというのがあるそうで、選考のために応募作を読んでいるとあまりに多くてうんざりしてくるため、もうそのパターンは禁止にしてほしいとのことでした
本作にもそういう匂いを感じてしまいます
前作から時間が空きすぎて時代の空気が変わってしまったのか、それとも作者が年を取り過ぎたのか
また、私が期待しすぎたのがよくなかったのかもしれません
シリーズ第三弾の構想もあるそうですが、現時点では手に取ることはないかもしれないという印象です
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