5名の作家による「脱出」を読みました
脱出というお題に基づいて書かれたオムニバスの短編集で、すべて書き下ろしです
阿久津辰海「屋上からの脱出」
織守きょうや「名取りの森」
斜線堂有紀「鳥の密室」
空木春宵「罪喰の巫女」
井上真偽「サマリア人の血潮」
の5編が収録されています
阿久津さんには、やはり絶好調ぶりを感じます
高校生のときに、天文部の活動で真冬の深夜に学校の屋上に上がった部員たち
しかし、出入口がアクシデントで開かなくなってしまい、極寒の中で持病を持つ部員の容態が急変してしまいます
果たしてどうやって屋上から脱出するのかという点もさることながら、その後部員たちが社会人になったときになされる種明かしが石持浅海さんっぽい感じで、きれいにはまっていました
他には、斜線堂さんの密室が個人的にはけっこう好みで、中世の魔女狩りを舞台にしたところがうまいですね