こだまはつみさんの「この世は戦う価値がある」を既刊の第2巻まで読みました
タイトルは、ヘミングウェイ「誰がために鐘は鳴る」に出てくる「The world is a fine place and worth fighting for.」から来ているのでしょう
このフレーズは、超絶傑作映画「セブン」でモーガン・フリーマンが引用して「後段には賛成だ」とつぶやいたことによって、更に有名になったと思われます
本作でも、25歳の伊東紀理を取り巻く世界は全く素晴らしいものではありません
パワハラ・セクハラの横行する職場でも、モラハラ彼氏との関係でも、「いい子」の紀理は周りの言うなりで、いつ潰れてもおかしくない状況まで追い詰められています
ついに限界を迎えた紀理は、自室を事故物件にしようとしますが、あることをきっかけにすべてを捨てて人生をやり直すことを思い立ちます
障害のあった弟の早い死が原因となって、「いい子でいなければ」という意識が先に立ち、本来の自分を押さえ込んでいた紀理は、やってみたかったことを次々とやっていくことにします
という設定で、2巻では完結していません
ただ、2巻の巻末に掲載されているショートストーリーをみると、この先の紀理には、ふっきれたきっかけにつながるある運命が待っているのかもしれません
「凪のお暇」や「波よ聞いてくれ」などスタート地点において似た方向性の有名成功作品がある中で、この先どのように展開するのか
そこが楽しみです
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