夕木春央さんの「絞首商會」を読みました
夕木さんのデビュー作で、メフィスト賞を受賞している長編です
舞台は1921年の東京
帝大で法医学の教授をしている男性が殺害されているのが、自宅の庭で発見されます
被害者は、どうやら無政府主義者の団体である絞首商會の告発をしようとしていたらしいのです
そのことを知っていた可能性のある者が容疑者ということになりますが、容疑者4人のうちの1人が、3年前に被害者の自宅に泥棒に入って捕まった蓮野に探偵を依頼します
容疑者4人は、いずれも警察ではなく蓮野に秘密裡に真犯人を見つけてほしいと願うのですが、その理由はなかなか面白いものでしたね
さらには、なぜ被害者が殺されなければならなかったのかについても、舞台となっている時代を踏まえた横溝チックな工夫が施されていて感心しました
全体的に冗長すぎるきらいはありましたが、デビュー作であれば無理もない話です
2作目やもうすぐ出版が予定されている3作目も読んでみたいとは思っています