アメリカ合衆国では、1973年のロー対ウェイド判決において妊娠中絶を禁止する法律は憲法違反とされていました
しかし、同国に根強い保守派はこの結論に大反対をしており、共和党の大統領は最高裁に妊娠中絶反対派の判事を送り込み続けていました
それが功を奏して、このたびドブス対ジャクソン女性健康機構事件において、ついに事態を逆転させる判決が出ました
ドブスだから女性の権利を否定するなんて、ルッキズムの極みですね!
とかいうのはさておき、中絶をする医者を暗殺しまくる狂信的な連中もいるらしいですし、アメリカ合衆国という国の「異常性」はやはりすごい
ロー対ウェイドの原告であったノーマ・マコービーが、後に中絶反対派に転向して、「自分は弁護士に利用されていた」と言い出したという展開も、ドラマチックでとても面白いです
ところで、かなり前の本ですが、シカゴ大学経済学部の教授であるスティーヴン・レヴィットによる「ヤバい経済学」では、アメリカの犯罪率の低下は妊娠中絶が可能になったせいであるという非常に興味深い仮説が紹介されていました
これが当たっているのであれば、15~20年後のアメリカ合衆国の犯罪率には注目ですね