浅倉秋成/俺ではない炎上 | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

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くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

浅倉秋成さんの「俺ではない炎上」を読みました

 

本作の前に読んだ「六人の嘘つきな大学生」が非常に良かったので、今回のハードルはかなり上がっています

 

ごく平凡な営業マンである主人公は、あるときネットで連続殺人犯の汚名を着せられ、あっという間にその情報は世の中に拡散されていきます

 

会社への電凸だけでなく家に凸してくる奴も当然出てきますし、逃亡しても気が休まるときはありません

 

この設定は、当然筒井康隆さんの「おれに関する噂」を現代版にしたものですね

 

主人公の一人称が「俺」ではないのにタイトルで「俺」を使っているのは、リスペクトの証なのでしょう

 

ただ、本作では、炎上のいやらしさや恐ろしさの表現がもう1つでした

 

そんなのわざわざ書かなくてもわかるだろうというであれば、賛同できません

 

やはり、その点はもっと描写してほしいところです

 

また、思い切ったトリックをとりいれているところがあるのですが、個人的には強引すぎてその点にもあまり魅力を感じませんでした

 

それにしても、「おれに関する噂」は1978年の作品だというのですから、やはり筒井康隆さんはとてつもないなあ

 

 

 

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