鮎川哲也さんの「下り”はつかり”ー鮎川哲也短編傑作選<2>」を読みました
11の作品が収められた短編集です
1950年代に発表された作品が中心になっているだけあって、価値観や風俗の古さが際立っていますが、それが非常に良い味になっています
「碑文谷事件」の動機は、現代の日本で生活している我々には想像もつかないものでしたが、逆にとても新鮮でした
犯人当てイベント用に制作されたという「達也が嗤う」は、いかにも「犯人当てゲーム」のための強引な設定はあるものの、ラストで明かされる稚気にあふれるアイデアには脱帽
「死が二人を分かつまで」における意外な真相のみせ方も素晴らしかったです
「地虫」や「絵のない絵本」のようなファンタジックな作品も不穏な雰囲気が巧みに演出されており、惹きつけられました
鮎川哲也さんの作品は、これまで読んだことがなかったのですが、他の作品も読んでみたいですね