大山誠一郎さんの「記憶の中の誘拐」を読みました
赤い博物館シリーズの短編が5つ収められており、以前紹介した「孤独な容疑者」も収録されています
まず最初の「夕暮れの屋上で」がうまい
聞き違いや勘違いは非常に自分の好みなので、いきなりのヒットです
とはいえ、4編目までは「孤独な容疑者」がやはりナンバーワン
5つめの「記憶の中の誘拐」は、「孤独な容疑者」を押しのけてまで短編集のタイトルになっているだけに、自ずと期待が高まりました
なるほど、確かによくできている作品で、5歳の時に誘拐されたときの記憶について、証拠とのわずかな食い違いが巧みに設定されています
記憶違いがよい効果をうんでいます
本作とは全く関係ありませんが、誘拐の記憶というと、よしながふみさんの「西洋骨董洋菓子店」を思い出してしまいますね