白井智之さんの「死体の汁を啜れ」を読みました
最近ちょっと上品になってきていた気もする白井さんですが、今回では本来のテイストを取り戻してきました
様々な死体が登場する連作短編で構成されているのですが、豚の頭の皮を被った死体や、母の死体の中に詰められていた子の死体などの狂った発想もそうですが、文体や登場人物のキャラクターなども含めて大傑作「お前の彼女は二階で茹で死に」に近い感じを受けました
そのため、ラストに向かって期待感がグングンと高まっていったのですが、最終的にトータルでの仕掛けが大爆発するということはありませんでした
登場人物らの処理も消化不良気味
その辺はちょっと残念でしたが、個々の短編では十分楽しむことができます
各短編の冒頭に当該事件を報道する記事が掲げられるのですが、その中の作家によるコメントも適当ぶりで笑わせてくれました