南勝久/ザ・ファブル | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

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くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

ものすごく今さらですが、南勝久さんの「ザ・ファブル」を第1巻から最終の第22巻まで読みました

 

主人公は若くして伝説的な存在となっている凄腕の殺し屋ですが、突然ボスから1年間の完全休養を言い渡されます

 

相棒「ヨウコ」を妹ということにして、いっしょに大阪で一般人として暮らすことになった「アキラ」ですが、預けられた先が殺し屋組織の取引先であるヤクザの親分だったこともあって、なかなか落ち着いて普通の暮らしを送ることはできません

 

昼間は小さな印刷事務所で時給800円のアルバイトをしながらも、ヤクザたちが引き起こすトラブルにどうしても巻き込まれてしまう「アキラ」ですが、知恵と工夫で誰も殺さずに乗り切るという流れです

 

主人公のビジュアルは、辰吉丈一郎ですね

 

親の顔も知らないで殺し屋組織のボスに育てられたという謎めいたキャラクターがうまく描かれています

 

また、相棒の「ヨウコ」のキャラクターも素晴らしく、言い寄る男性たちを飲み比べに誘い込んで潰すところは立ち会うバーのマスターの言動も含めて爆笑必至ですし、ものすごく腹が座っていて圧倒的な戦闘力をあわせもっているところがいいですね

 

最初の「小島」編が極めて優れたデキで、続く「宇津帆」編はそれに比べれば少々落ちる感じでした

 

宇津帆や鈴木のキャラクターが弱くて、残酷さや非道ぶりがやや中途半端だったためです

 

それでも十分に面白く、このまま主要人物たちが無事であることを祈るようになっていきますが、同時に「どうせそうはならないのだろう」という予感も強まっていきます

 

かつて同じヤンマガに掲載されていた「代紋TAKE2」の終盤が頭をよぎりましたね

 

続く「山岡」編は、ヤクザの親分が暗殺されていよいよ風雲急を告げる流れに

 

殺し屋組織の幹部で超サイコパスな山岡は、ヤクザの組をひっかきまわしてゲーム感覚で関係者の皆殺しを企みます

 

「アキラ」との勝負を望む山岡は、さすがに本作最悪のキャラクターで、終盤を大いに盛り上げてくれます

 

どこか昭和の匂いのするマンガでしたが、やはりそこは最近のマンガというべきか、最終的には思っていたような流れにはなりませんでした

 

とはいえ、「そうなるか!」というビッグサプライズがあり、最後まで非常に面白く読むことができました

 

とてもきれいにたたんだ作品ですが、この7月に第2部がスタートしていますね

 

果たしてどのように続けるのかが楽しみでなりません

 

 

 

 

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