大山誠一郎さんの「赤い博物館」を読みました
いわゆる迷宮入りになった事件の資料が収められている犯罪資料館の所長をしているキャリアで美人の警察官が、資料から真相を解き明かすという話です
本作も一種の安楽椅子探偵ものですが、面白い設定ですね
また、犯罪資料館は三鷹にあることになっているのですが、大山さんの作品は吉祥寺から国立にかけての地域がよく登場するところも親しみがわきます
5つの短編が収録されていますが、個人的には、ラストの書き下ろしが一番好きです
26年前に起きた迷宮入り殺人事件とあらゆる状況がほぼ同じという犯行が起きます
唯一の違いは、被害者の衣服についた犯人と思われる者の血液が、左袖についていたか右袖についていたかの点だけ
本作の設定を生かしきった展開が優れていましたし、何より意外な動機が素晴らしかったです
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