似鳥鶏さんの連作短編集「目を見て話せない」を読みました
主人公は千葉にある大学の法学部に入学したばかりの大学生
コミュ障を自認しており、うまく人と話すことができないが抜群の推理力を有するとの設定です
この間の「Rawhero」でも描写されていましたが、話慣れていないために最初に声の大きさを調節することが苦手などの「コミュ障あるある」の数々が披露されますが、決してそのような人をバカにしているわけではなく、むしろ逆ですし、面白い設定だとは思います
ただ、そのような設定と謎解き自体との関連性はありません
その点では、同じく面白い設定に挑みつつ、その設定を謎解きにも生かし切った「育休刑事」(2019-07-15)の方がさらにすごかった
また、本作は謎の設定や謎解き自体にちょっと強引なところがあり、トータルとしても今一歩というところでした
もっとも、これは似鳥さんに対する期待がすごく高いせいによるもので、十分満足はできました
「育休刑事」でもそうでしたが、社会におけるフェアネスのようなものを大事する作風は、個人的に好みなので、次の作品も楽しみです
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