伊坂幸太郎さんの「シーソーモンスター」を読みました
「シーソーモンスター」という昭和から平成に移り変わる時期を舞台にした中編と「スピンモンスター」という近未来を舞台にした中編からなる作品です
いずれも「太古の昔から海の一族と山の一族は争いを続けてきた」という設定の下で、8人の作家さんが時代ごとに分担を決めて競作するという面白いイベントの一環として生み出されたものです
「シーソーモンスター」は、伊坂さんの巧みなストーリーテリングを思いっきり楽しめる作品で、嫁姑問題がこんな風に料理されるなんて最高すぎでした
そうくるか!そうくるか!の連続です
他方で「スピンモンスター」は、人工知能をテーマにした苦いテイストの作品
「シーソーモンスター」の登場人物が登場する点にはニヤリとさせられますが、現代の閉塞感をさらに加速させたような状況に対して、巻き込まれた主人公が風穴を開けられそうになるも、最後は・・・
こないだ読んだ「フーガはユーガ」(2019-05-21)でもそうでしたが、あえてカタルシスを放棄したのでしょうね
ただ、こちらの作品も伏線がすごくて、やはりそうくるか!そうくるか!の連続でした
というわけで、非常に満足できる作品集でした
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