伊坂幸太郎さんの「フーガはユーガ」を読みました
幼い頃から父親に虐待を受けてきた双子が主人公
ある日父親から逃れたいという気持ちの強さが奇跡を起こしたのか、二人は毎年の誕生日にだけ2時間ごとに入れ替わるという能力を身につけます
二人と同じく理不尽な暴力にさらされている者たちを巡って、ヒリヒリするような物語が展開します
三部ケイさんの「僕だけがいない街」や「夢で見たあの子のために」などと似たようなイメージでしょうか
あれっ!?と感じたのは、入れ替わり能力の利用方法が意外と地味なこと
せっかくの設定なので、「そのナイフでは殺せない」(2019-04-03)のようなトリック合戦をついつい期待してしまいました
ただ、これはわざとなんでしょうね
踏みつけられている者たちが超能力を使って楽になれたらそれなりのカタルシスはあるわけですが、そう簡単にはいかないという現実をみせてモヤモヤさせるという展開
それはそれで悪くないのですが、個人的にはもう少し派手な展開でもよかったかな
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