アンソニー・ホロヴィッツさんの「カササギ殺人事件(Magpie Murders)」を読みました
上巻のほとんどは、アラン・コンウェイという作家が書いた「カササギ殺人事件(Magpie Murders)」という作中作になっています
アティカス・ピュント(Atticus Pund)という外国人探偵が活躍する連作の9作目で、シリーズ最終作に位置付けられている作品です
コンウェイは、その作品を書き上げて出版社に渡した後、自宅の高い塔から落ちて亡くなります
出版社の社長に遺書らしき手紙が届いていることや、コンウェイがガンで余命いくばくもなかったことなどから自殺として処理されますが、出版社の女性編集者が殺人ではなかったのかと疑うという流れです
「このミステリーがすごい」最新版の海外部門でぶっちぎりの1位となっている本作ですが、前評判があまりに高くて期待しすぎていたせいで個人的にはもうひとつ
作中作のクライマックスで上巻が終わり、下巻を開いたときはちょっとした衝撃が待っていましたが、こういうみせかたは「そしてミランダを殺す」(2018-07-17)でもあったしなあ
「カーテン」の小ネタは個人的にすごく好きなので良かったのですが、ホワイダニットが弱すぎ(動機を形成する原因が面白いからやむを得ないか)、そのせいでフーダニットも強引になり、結果としてミステリとしてはやや平凡になってしまったきらいがありますね
ただ、翻訳者の方の素晴らしい工夫に思わず声を上げてしまったところがありました
興味津々でその部分だけ原書にあたってみたところ、ああなるほど!
「冠詞」か