山口雅也/キッド・ピストルズの醜態 | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

弁護士宇都宮隆展の徒然日記

くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

山口雅也さんの「キッド・ピストルズの醜態」を読みました

 

2009年から2010年にかけて発表された3つの中編が収録されています

 

本作もまた、パンクファッション刑事キッド・ピストルズとピンク・ベラドンナが、パラレルワールドのイギリスで、探偵士の手伝いをしてマザーグースの歌詞にまつわる事件を解決していきます

 

2つ目の「<<革服の男>>が多過ぎる」はすごくよかった

 

まずは冒頭で、「羊たちの沈黙」の犯人のように人を殺して革を剥ぎ、衣服を作っていた男が逮捕され、まだ殺されていなかった2人の女性が救出されます

 

その1年後、ジョギング中のジルは、近所に越してきたエレンを怪しい革服の人物が追いかけているのをみて後をつけます

 

廃工場の中に入っていった2人を追いかけるも、2人はミニクーパーに乗ってどこかに消えてしまいます

 

ジルが捜査官らとエレンの家に向かったところ、エレンは上記の出来事を否定し、そんなことは全くなかったというのです

 

しかし、その後に工場で革を剥がれた人間の死体が発見されます

 

いったい何が起こったのか?

 

なかなかの組み立てでミステリとしてとても満足しました

 

3つ目の超不可能犯罪が連発する作品も、設定に工夫が凝らされており、悪くなかったです