三部けい/僕だけがいない街 | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

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くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

三部けいさんの「僕だけがいない街」を第1巻から第4巻まで読みました

現在連載中の作品ですが、ここまではかなり素晴らしいデキ!

主人公は28歳の売れない漫画家

身の回りで命の危険が迫りそうになっている人がいると、時間が少し過去にさかのぼる「再上映(リバイバル)」が起こる体質をもっているという設定です

たとえば、運転手が気を失って暴走することになるトラックの軌道上から小学生をさりげなく逃がしたりして、再上映の際にはつい人助けをしてしまいます

売れない漫画家という設定が「アイ アム ア ヒーロー」とかぶる点や、もはやありがちすぎる「ループもの」という設定から、冒頭ではそれほど期待できる作品ではないと感じました

また、後者の点は、事前に作者が荒木飛呂彦さんのアシスタントであったという情報に接していたこともあり、正直「ジョジョ第4部」のボス戦の焼き直しが繰り広げられるのではないかと危惧していました

しかし、その心配は杞憂に終わり、あっという間に物語にグッと引き込まれました

主人公が小学生だった1988年に発生した連続小学生殺人事件の真犯人がだれであるかについて、2006年の「現在」になって主人公の母が知ってしまったために、その母は真犯人らしき人物に殺害され、主人公が罪を着せられてしまいそうになります

現場から逃走した主人公は、突然、いまだかつてない大きな規模の再上映で1988年に当時の姿で戻ります

ここから当時の連続小学生殺人事件と、「現在」の母親が殺害された事件について、両方の謎をめぐる展開が繰り広げられるわけです

また、連載が2012年にスタートしているのに、物語の中の「現在」は2006年であり、このことも今後意味を持ってくるのかもしれません

以前、別の作品について似たような印象を受けたところ、結局全く意味がなく拍子抜けしたこともありますが(2012-01-07 )、今回はあっと言わせてほしいですね

物語は、連続小学生殺人事件の1つめを回避させることにようやく成功したところですので、これからまだまだ面白くなっていきそうで、とても楽しみです!