下村敦史さんの「闇に香る嘘」を読みました
第60回江戸川乱歩賞受賞作で、巷ではかなり評判の良いらしい長編作品です
しかし、個人的には、まず文章が読む人を惹きつけるような個性的な魅力に欠けていて、好みにあいませんでした
プロットもよく考えられており優れたものであることに間違いはないのですが、直前に「機巧のイヴ」(2014-10-13 )を読んでいたために、かなり早い段階で仕掛けが見えてしまいました
俳句を使った暗号は相当工夫されたのでしょうが、それほど効果を生んではいないため、ここも中途半端な感じです
やはり、俳句を使うなら「獄門島」クラスでないとグッときませんね
盲目の方の一人称で語ることによって生じる効果についても、悪くはないのですが、乙一さんの「暗いところで待ち合わせ」を読んだ時の方が感銘を受けました
結局、実質面でも形式面でも惹きつけられることのないまま終了でした
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