チェスでは、随分前に人間がコンピュータに勝てなくなっておりますが、将棋はまだまだといわれてきました
81マスとはいえ、とった駒を使える点でかなりのバリエーションが生じますので、そう簡単には追いつかれないだろうと思っていましたが、とうとう追いつかれてしまいました
本日、米長会長ご自身が最強の対局ソフト「ボンクラーズ」と対局されたところ、ボンクラーズが見事勝利しました
現役バリバリのトップ棋士が敗北したわけではありませんが、もはやそれも時間の問題ということでしょう
囲碁のマス目は361もあり、平均的な手数も将棋の2倍程度ありますので、囲碁でコンピュータが人間に追いつくのはまだ先のことです
もっとも、現時点でアマ4~5段クラスの対局ソフトが出てきているようですので、こちらも時間の問題なのでしょう
そもそも、「神の一手」なるものが論理的に常に最善・最高・最強の手を指すことであるならば、生身の人間がコンピュータにかなうはずもないわけです
コンピュータは瞬時に膨大な手を読むことができるうえに、決して疲れないし、メンタルに左右されることもないからです
今後の囲碁・将棋はどうなっていくのでしょうか?
趣味としてのそれらが消滅することはないでしょうが、プロ制度には多大な影響があるでしょう
プロには強さと勝利がいやおうなく求められるのであって、明らかにもっと強い者の存在が認められる下位者同士の対局は、いくらドラマチックな逆転があったり、人間味にあふれる展開が繰り広げられていても、プロの対局としての魅力は自ずと減少してしまうはずです
実際、囲碁では日本のトップ棋士が中韓の棋士に歯が立たない状況となっており、このことは現在の日本におけるプロ棋士の立場に多大な影響を及ぼしているのではないでしょうか
囲碁や将棋が、スポーツなどとは異なり、抽象的な論理性そのものを本質とする以上、競争相手が同じ人間ではなくコンピュータであったとしても、事情は異ならないものと思われます
また、コンピュータには一度追い抜かれたら、人間が再び追いつくことはおよそ不可能でしょうから、未来を語ることもできなくなるわけです
なんとなく寂しいですね