舞城王太郎/Shit, My Brain Is Dead | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

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くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

新潮9月号に掲載された舞城王太郎さんの新作短編、「Shit, My Brain Is Dead.」読了


新潮8月号に掲載された「You Ain't No Better Than Me」(2010-06-22 )と同一の主人公が登場する短編小説です

前作では、主人公は海兵隊を除隊して、サンディエゴで警官をやっていることになってましたが、本編は海兵隊に在籍しているときの話になっています

この世の地獄のような戦場にいた主人公は、あるときホテルから消失した男性を捜索・回収するという任務につきます

それは不思議な任務で、携帯電話をGPSで探索すると、対象の男性はどうやら砂漠の地中にいて、どんどん流されているようだというのです(エリア88の砂漠空母みたい!)

砂漠を掘ってできた深い穴の底に降り立った主人公たちを待っていたのは、奇妙な奇妙な体験でした

前作でも「蛇に飲まれる女の子」という奇妙な出来事が取り上げられていましたが、本編においても言葉に表しにくいような出来事が繰り広げられます


前作を読んだときには、どういうわけだか村上春樹さんの「ダンス・ダンス・ダンス」が思い出されました

アンジェリーナの長女を預かっているときのエピソードが、ユキとハワイに行くエピソードにかぶった感じがしたのです

まあ、ユキとハワイに行くエピソードは個人的にすごく好きな場面のひとつなので、こじつけかなあと思っていたのですが、今回も、同作の「ハワイでのエピソード」が思い出されました

幽霊ビルの話です

似た話では全然ないのですが、通じているところがあるんでしょうかね?

ちなみに、作中では「ねじまき鳥クロニクル」に関する言及がありますが


それにしても、「ほにゃららサラダ」とはテーマも文体も全く異なる小説で、とても同じ日に発表された小説とは思えません

ホント、その振幅には目を見はらされます


次の新作は、早くも15日前後の「IN☆POCKET」で発表されます

舞城さんの新作がこれだけ立て続けに読めるなら、今年はもう休みらしい休みが取れなくてもいいや!