娘に勧められて読み始めた「ショクパンのワルツ」が、現代のいじめについてよく描写されているので、ご紹介をしながら、いじめ問題の解説をしているわけですが・・・
本日は、前回の「鬼のいる教室」から、いじめ被害者の心の声をご紹介したいと思います。
いじめ自殺のニュースが出る度に、「どうして親に相談しなかったんだろう」と識者の方が言われます。
私も最終的には、大人に相談してほしいとは思っていますが、相談できない子供の事情も理解しています。
今日は、いじめ被害者の心の声を紹介することによって、どんなサポートができるのかを考えていきたいと思います。
まず、いじめられ子の主人公、ユウキが、新型インフルエンザのための入院から退院をして教室に戻ると、クラスメートが全員白マスクでいるとい場面。
子供たちの会話がこちら
「はぁ~。マスクしとっと、がば苦しかぁ~。」(どうやら九州の方の言葉のようで、ワードでもくるしか~では変換できませんでした。)
「しようがなかやん。母ちゃんがゆうとったばい。新型インフルにかかったら、、半分以上の人が死ぬげなぞ。すでに日本で何人も死んどるけど、大さわぎになるけんニュースでホントのことをいえんげな。」
「うそやん。んじゃあ、矢野は運がよかったとぉ?」(矢野というのはユウキの姓)
「悪運が強かったい。ばってん、まだわからんぞ。なおっとるように見えても、病原菌をまきちらしとるかもしれん。」
「やっぱ、まだ矢野には近づかん方がよかね。」 「ショクパンのワルツ 鬼がひそむ教室」より
ここからのユウキの心の声が胸に刺さります。
いじめ被害者の子は、今も同じ気持ちで過ごしていると思います。
今日の時間が百倍の早さですぎてくれたら、どんなに楽だろう。服をぬぐように、この学校を脱ぐぎ捨てられたら、どんなに気分がいいだろう。
いじめがはじまったきっかけはなんだっただろう?
自分に問いかけてみたが、ユウキははっきりとは思い出せなかった。だが、小さな心あたりはあった。
時間が早く過ぎてほしい、この学校を脱ぎ捨てられたらどんなに気分がいいだろう・・・そんな気分で毎日過ごしている子供たちが、今もクラスには一人入るということを私たち大人は忘れてはならないと思います。
そして、クラスメートの真知が
「明日からマスクせんけん。」
と言ってくれたときのユウキの心の声がこちらです。
真知の笑顔は魔法だ。あのいまわしい落書きされたチューリップでさえ、清く美しいものに変えてしまう。ユウキはうそのように心が軽くなった。真知のおかげで、暗い明日をむかえなくてすみそうだ。
真知については、今後の展開でどういう役割を果たしているのか、別途解説をしていきたいと思いますが、今は、励ましの一言、「味方だよ」というメッセージが、どんなにいじめ被害者の心を軽くするのかということを分かっていただけたらと思います。
この後、ユウキは「ため息」ではなく、胸いっぱいの「深呼吸」をします。