当地、兵庫県の加古川は古くから靴下やタオルなど繊維製品の一大産地でありました。
しかし、近年、低価格の海外製品や国内の他の産地品に押され、斜陽産業となってしまっています。
靴下やタオルは、いわゆる「コモデティ化」した商品の最たるものといえるでしょう。
「コモデティ化」とは、
競合する商品間において機能や品質、ブランド力等差別的な優位性が失われ、価格や買いやすさだけを理由に選択が行われることです。
買う側からすると、機能や品質面で大差のない製品が多く流通し、「どの会社のものを買っても同じ」状態になることです。
家電製品なども、「コモデティ商品」の代表といえます。
では、そのような市場の中にあって、生き残っていくにはどうすればよいのでしょうか。
当たり前のことですが、
自社製品や自社商品を「コモデティ」化しないことです。
他の商品と同じ土俵に上がらず、自分の土俵で戦うことです。
紆余曲折を繰り返しながら、今や、ネット販売で第2位の販売額を誇る靴下メーカーがこの加古川に存在します。
その経営者は、胸を張ってこう言います。
「うちの製品は、値段を高くしないと売れないんです」
もちろん、価格相応の機能、性能、そして、生産者のこだわりがいっぱい詰まった製品です。
「高かろう、よかろう」
のブランドイメージがしっかりと浸透しているのです。
「なぜ、高いのか」
納得さえすればお客さまは必ず財布を開いてくれます。
それが、自分にとって「得」を「手に入れる(=納める)」ことができるものであることがわかれば、
多少高くても買ってくれるのです。
逆に、自分にとって「得」にならないものは、どんなに安くても、買ってもらえないのです。
お客さまの「得」を、しっかり、きっちり伝えること、それが売る側の仕事であり責任であり、そして面白さでもあります。
