ヒサのブログ -9ページ目

ヒサのブログ

頑張る小さな会社、小さなお店
に贈る応援メッセージ

当地、兵庫県の加古川は古くから靴下やタオルなど繊維製品の一大産地でありました。


しかし、近年、低価格の海外製品や国内の他の産地品に押され、斜陽産業となってしまっています。

靴下やタオルは、いわゆる「コモデティ化」した商品の最たるものといえるでしょう。

「コモデティ化」とは、

競合する商品間において機能や品質、ブランド力等差別的な優位性が失われ、価格や買いやすさだけを理由に選択が行われることです。


買う側からすると、機能や品質面で大差のない製品が多く流通し、「どの会社のものを買っても同じ」状態になることです。


家電製品なども、「コモデティ商品」の代表といえます。


では、そのような市場の中にあって、生き残っていくにはどうすればよいのでしょうか。


当たり前のことですが、


自社製品や自社商品を「コモデティ」化しないことです。


他の商品と同じ土俵に上がらず、自分の土俵で戦うことです。



紆余曲折を繰り返しながら、今や、ネット販売で第2位の販売額を誇る靴下メーカーがこの加古川に存在します。


その経営者は、胸を張ってこう言います。


「うちの製品は、値段を高くしないと売れないんです」


もちろん、価格相応の機能、性能、そして、生産者のこだわりがいっぱい詰まった製品です。


「高かろう、よかろう」 

のブランドイメージがしっかりと浸透しているのです。



「なぜ、高いのか」


納得さえすればお客さまは必ず財布を開いてくれます。


それが、自分にとって「得」を「手に入れる(=める)」ことができるものであることがわかれば、

多少高くても買ってくれるのです。


逆に、自分にとって「得」にならないものは、どんなに安くても、買ってもらえないのです。


お客さまの「得」を、しっかり、きっちり伝えること、それが売る側の仕事であり責任であり、そして面白さでもあります。





先日、某大型家電量販店に電子レンジを買いに行きました。


前のものが壊れてしまい、必要に迫られて34800円のオーブン付きを購入しました。


売り場に立って妻とあれやこれや見ていると、すぐに店員さんが来てくれました。


恐らく、私たちから買う気満々のオーラが出たいたのでしょう。


時間があったので、買った電子レンジをカートに積んで、冷蔵庫や洗濯機をブラブラと見てまわっていました。


洗濯機もまだまだ使えるのですが、子どもの柔道着や体操服など厚手の衣類の洗濯をすることが多くなり、今のものでは洗濯容量が小さく感じていました。


参考程度に見るつもりだったのですが、電子レンジを買うときに説明してくれた店員さんが、ずっとついてくれて、いろいろ説明をしてくれました。


初めは、ゆっくり見たいだけなのに・・鬱陶しいな、 と思っていましたが、説明を聞いているうちに、とうとう洗濯機を買ってしまいました。


自慢ではないですが、7万円です。


ほんとうの目的は3万円の電子レンジを買うことだったのが、気がつけば、その倍もする7万円の洗濯機を買ってしまっていたのです。


決して、その店員さんの説明がとても上手で、親切で、ということではありません(店員さん、すみません)


でも、ひとつ言えることは、今日のこのお客の買い物はこれで終わりだな、と勝手な判断をその店員さんはしなかったということです。


もちろん、私たちも初めは、電子レンジだけを買うつもりでしたが、心のどこかに、いつかは洗濯機も買わねば・・という気持ちがありました。


その店員さんはお客のその気持ちを、うまく見つけ、購入に結びつけたのです。


ビジネスチャンスは、あちらこちらに息を潜めて、見つけてくれるのを待っています。


でも、ビジネスチャンスの方から顔を出すことははめったにありません。


ビジネスチャンスは、根気よく、アンテナを張り巡らせて、見つけようとしないと、見つからないものなのです。












サトーカメラの佐藤専務のお話を伺う機会がありました。


話の中で、

「商売の基本は文化を啓蒙していくこと」

である、とおっしゃられました。


「啓蒙」とは、辞書によると、

「人々に正しい知識を与え、合理的な考え方をするように教え導くこと」

だそうです。


佐藤専務に言わせれば、商売とは、とても崇高な活動だということなんですね。


「正しい知識を与える」

とは、商品持つ基本的な機能や素材についてはもちろん、その商品によってどのような効果や利便性が得られるのか、といったことです。


そして、「合理的な考え方をするように導く」とは、

商品を選ぶ際に、

お客さまの課題や問題の解決につながる、あるいは、その商品を使用することで夢や希望が叶えられる、つまり、お客さまの明日からの生活を変えることのできる商品を購入できるように、助言や提案をしてあげることだといえるでしょう。


「課題解決提案型」

20年前にIBMが提唱した言葉です。


今、やっと商業の世界にその時代がやってきた、と佐藤専務は言います。


店の大小には関係なく、生活の課題を解決し、顧客が次のステージをめざすための提案をできる店だけが残っていく・・

そんな時代が始まっています。