トクヴィル『アメリカのデモクラシー』全4巻 松本礼二訳 岩波文庫 | 内田麻衣 の読書ブログ【岩波文庫 メイン】

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トクヴィル 著 『アメリカのデモクラシー』 全4巻 松本礼二訳 岩波文庫
を買って読みました~!




トクヴィル(本名 アレクシ・ド・トクヴィル)はフランスが誇る知識人です。

トクヴィルが19世紀初頭に民主主義国家であったアメリカ合衆国を旅して著した、
『アメリカの民主政治』(De la démocratie en Amérique)は民主主義思想の古典であり、
今もなお民主主義を学ぶ際には欠かせない教科書の一つとなっています。
日本でも福澤諭吉が紹介していた本です。

彼は、1835年当時アメリカは近代社会の最先端を突き進んでいると見なし、新時代の先駆的役割を担うことになるであろうと考えた。
だが同時に、その先には経済と世論の腐敗した混乱の時代が待ち受けているとも予言している。

トグウィルは民主主義とは「多数派の世論」による独裁政治だと言い、新聞、マスコミなどのメディアに多数派世論の「権力が集中」するのではないかと考えている。
現代のメディアの台頭と民主主義との関わり合いを1800年台にいち早く予想していたのである。
彼は大衆世論の腐敗・混乱に伴う社会の混乱を解決するには高学歴な学識者などいわゆる「知識人」の存在が重要であると考えており、
民主主義国家はは「国民の教養の平均値」次第で「良い状態」にも「悪い状態」にもなる事を改めて述べている。

【トグウィルの名言】
「平等と※専制が結合することになれば、心情と知性の一般的水準は低下の一途をたどるだろう」

※「専制」とはだいたい「独裁」くらいの意味です。


トクヴィル『アメリカのデモクラシー』岩波文庫 (白・政治 9-2)

はじめに

1831年に渡米したトクヴィルは、9ヶ月の間この国について徹底的に調査した。
大統領をはじめ、多くの要人著名人に会った。
当時のアメリカ24州の要所に行き、膨大な資料を入手した。

時はフランス※7月革命
ブルボン王朝は潰れ、新時代の幕開けを、自身貴族であったトクヴィルも感じざるを得なかった。
フランスでは貴族社会が潰れ、民主主義の社会になるところだったので、彼は民主主義先進国アメリカへ向かった。弱冠25歳。

※「7月革命
国王シャルル10世の政治が原因です。
シャルル10世は貴族や聖職者などの特権階級を保護する政治をおこなったため、
市民・労働者の不満が溜まっていました。
そこへさらに言論の統制など市民を抑圧する内容の法律「七月勅令」を出したため、怒ったパリ市民が蜂起し「7月革命」が起きたのです。
国王シャルル10世は国民の不満を国外に向けようと他国と戦争もやってみますが、
結局、政権の維持はできませんでした。


アメリカの民主主義社会の長所のみならずその問題点を見抜く洞察力に、驚かされる。
現代民主主義社会の問題を考える上でも欠かせない、古典的名著






ここから、トクヴィル『アメリカのデモクラシー』岩波文庫 (白・政治 9-2)を 感想 を交えて紹介していきます。


トクヴィルは,民主主義の進展を時代の進歩と考えていたが,
それを良いこととは必ずしも考えていなかった。
トグウィルは民主主義の進展が多数者の専政をもたらすと考えている。
民主主義の発展を、「身分の平等化」の過程としてとらえている。
 
トグウィルがあげる平等化の問題点はまず3つあります。
1 「大衆権力・メディア」(強者)と「小さな個人」(弱者)との間に存在する、大衆意見に反発できるような「中間的な権力集団(中間層)」が消滅していく事
2 メディアへの中央集権の強化と、個人を無力化する事 
3 個人の利益だけに関心をむける政治への無関心の進行、逆に危機的な場面でのみ過度に感情的な政治的判断を下すようになる事

トクヴィルは、民主主義社会では大勢の人間が拒絶する信念を個人に信じさせたり、大衆のバッシングを受ける意見を個人に表明させることはむりだと言っています。
つまり、民主主義社会では多数派の常識に合わせてウソの意見を表明することがあると


民主主義社会ですぐれた政治家が現れないことについてのトクヴィルの理由

「民衆はいつも選挙の時に政治家を瞬時に判断しなければならず、人気のある政治家にしか惹かれざるをえない。
こうゆう理由もあり政治家はウソをついてでも、民衆を巻き込む人気の取り方の秘訣を申し分なく心得ており、
そのため、民衆はたいていの場合に政治家選びに失敗する。」
「みんなが高度の学識を備えた社会を考えることは、
みんなが金持ちである国家を想像するのと同様に困難である。」
「民主主義のビジネス社会では才能に恵まれ、情熱に燃える者は、富を追求する
往々にして、自力で富の追求ができないと感じる者だけが、国の為に仕事をしている。」


民主主義社会のビジネス社会で、才能のあふれる人間は政治家を目指さずにビジネスにその能力を発揮しようと考える。
1800年代初頭にこんな意見を言っていたとはトグウィルはすごい洞察力だと思う。


 トグウィルは黒人奴隷の存在も早くから問題視していた。黒人に自由を与えるのを拒むならば、
黒人は最終的に暴動をもってしてでも自由を手に入れるだろうとトクヴィルはいっていた。


資本主義の問題についてのトグウィルの考え

労働者がますますただひとつの細部の分野の専門家になっていくのに対して、
経営者は日ごとに大きく全体に目を配り複数の領域における知識・技術・技能を身につけることができ、
精神状態は労働者の精神が弱まる事に反比例して良くなる。」

資本主義社会では資本家はますます富んで強くなり、弱い労働者はますます貧しく弱くなる。

「資本主義社会は貴族制と奴隷制度の一つだと思う。」とトグウィルは言う、
しかしトクヴィルは、ほぼ同時代の社会主義者のマルクスとは異なり、
民主主義の「資本主義社会が革命を起こすことは無い」と考えた。
その理由はみんなで革命を起こしても各個人が得することは無く
暴動を起こせば何を失うことになるかは、さまざまな形で理解できる


「資本主義の
利益追求の習性ほど争いの習性対立するものを他に知らない。
利益追求の為には当然にできるだけ争い事は避けなければならない。
各個人が富を維持・増大させる為には節度を好み、喜んで妥協し、細心の注意を払って怒りを避ける必要がある。
だから民主主義の資本主義社会において、暴動や革命が起こる可能性は基本的に無い。」

「もし例外的に民主主義社会で暴動や革命がおきるとすれば、国に奴隷制度がある場合に限るだろう。」

とトグウィルは続ける。


「アメリカのデモクラシー」の著者トグウィルのメインの問題提起と解決策。

「民主主義社会で一握りの強者と大勢の弱者がこの世界に生まれることがあるとすれば、
それはどのような特徴の下に生じるかを想像してみよう。
私の目に浮かぶのは、数え切れないほど多くの似通って平等な人々が
小さな夢を胸いっぱいに想い描き、
これを得ようと休みなく動きまわる光景である。
誰もが人は人と自分の中にひきこもり、他人に関心をもたない。」


「人々の上には一つの巨大な権力がそびえ立ち、
それだけが人々に楽しめるサービスを与え、衣食住のサービスを与える。
そのサービスは絶対的で事細かく、几帳面で用意周到、そして平和である。」

つまり、民主主義社会では、強者と弱者との間の平和な力の広がりが問題であると


トグウィルは将来の民主主義社会の課題を言う。
「一つの巨大な権力の乱用を妨げるのかが課題である。」


答え
⇒個人の情報・個性・独立などの個人の権利を守る法律や、過度に集中した権力に制限を設ける制度・法律を作ること、またその法律を維持する事。


トクヴィルの問題提起は、今もなお生きている。


最後に、トグウィルは民主主義の欠点を指摘していますが、
民主主義ほど良い政治体制は他に無いといってます!
民主主義は良いといっています!

このブログには雑に書いて紹介している所もあります、誤字や若干のミスはすみません。

↓興味を持った方は是非買って読んでみてください。
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