こんにちわ、私はうてゅうでぃんです。
どうも地球での生活が上手にできないので、
もしかして私はうてゅうでぃんなんじゃないかとか、
なんならうてゅうに帰ったほうがいい感じに生活できるんじゃないかなとか、
そんなことを考えたことがあります。あるだけです。
天の川銀河のオリオン腕に住んでることだけは確かです。
偉人の話。
ヴェルナー・フォン・ブラウン。
その伝え聞く話が真実かはわからない。
でもその伝え聞く話は、確かにおもしろい。
偉人伝というのは多少か存分の脚色もありながら面白い話を後世に残すものだから。
たぶん、そうだから。
先に紹介した「プラネテス」というまんがの登場人物に
「ウェルナー・ロックスミス」という人でなしがいる。
最新鋭宇宙船製造の責任者で、研究のために必要なもの以外、全てを捨てた科学者。
必要なので、スタッフ一人ひとりを本当に大切にする。
必要じゃないので、家族とか愛情とかは捨てる。
研究施設の爆発事故で324人の研究者が亡くなった時、記者会見で
「爆発したエンジンのデータには満足してます。次は失敗しません。ご期待下さい。」
と言い放って、「悪魔みたいな男」と評された。
でも遺族への補償と、一人ひとりの墓参りなどやることはちゃんとやる。
それぞれの研究者の名前と特徴を覚えていて、そらで思い出を話せる。
「悪魔みたいな人でなし」とは、そのうわべだけを見た人の評価。
最新鋭の宇宙船を製造すること、自分の夢の達成に邁進する純粋な科学者なんだ。
ウェルナー・ロックスミスと、ヴェルナー・フォン・ブラウン。
ファーストネームのつづりはいずれもWernher。
ロックスミスさんは、フォン・ブラウンがモデル。
じゃあそのフォンブラウンとはどういう人かと言うと、これまた人でなし。
というか、純粋に自分の夢を追ってるだけの人。
フォン・ブラウンはドイツに生まれて、
子どもの頃から宇宙にロケットを飛ばすという夢に向かって実績を積み上げる。
大学卒業後、ロケット製造に打ち込みたいけど
その頃もう軍用以外のロケット製造は禁止されてて、
仕方なくミサイルを製造して、宇宙ロケットのノウハウを積み重ねて行く。
第二次世界大戦でドイツ軍が劣勢になった時、
アドルフ・ヒトラーがフォン・ブラウンに
「報復兵器として、弾道ミサイルを製造しろ」と命令した。
出資はナチス、目的は敵の都市への攻撃。
フォン・ブラウンはミサイルの製造をしていくことになるんだけど、
でも宇宙ロケットへの夢だけで突き進んでるフォン・ブラウンは、
ある日周囲にこぼすんだ。「これで宇宙に行けるといいなぁ。」
ナチスはロケットを宇宙に飛ばすために出資してるんじゃない。
「どうもフォン・ブラウンは、宇宙ロケットを作ってるらしいぞ?」
不信感が広がってく中、報復兵器としてV2ロケットが完成する。
そしてまた言っちゃうんだ。「今日ここに、宇宙ロケットが完成した。」
言わなきゃいいのに。この人は言っちゃうんだ。夢にまっすぐすぎる。
ナチスに逮捕されるフォン・ブラウン。
そりゃそうだよね、兵器作らせるために出資したのに宇宙ロケット作ったのかって。
敵をやっつけるための銃を作れって言われて材料と資金渡された人が
しばらくしてふたを開けたら自家用車作って乗り回してたみたいな。
ナチス側からするととんでもない裏切り行為で、なんて人でなしなんだってなる。
でもまあ、実際に兵器として運用できるものは出来てはいる。
フォン・ブラウンは研究費で豪遊してたわけじゃない。
言われた通りのものを作り上げてるんだ。
釈放されたフォン・ブラウンを見て、誰かがため息混じりに言ったらしい。
「あいつはやることはやってる。でも個人的な願望を言いすぎるから勘違いされる。」
ところで、「プラネテス」には、宮沢賢治作品の影響が強く出てる。
ロックスミスさんも宮沢賢治作品の内容に言及するシーンがある。
作者の幸村誠さんが相当な宮沢賢治ファンらしい。
そこでちょっと思い出した経験談がある。
私は以前、高齢者介護の仕事をしてたんだけど、
ある施設に、岩手県花巻出身の利用者さんがいた。
聞けばその人はなんと、宮沢賢治の姪っ子さんらしい。
宮沢賢治との思い出について話してもらったことがあるのは、
私にとって本当に貴重な経験だった。
曰く、
―おじさんはいつも私に、こんぺいとうを買ってきてくれた。
―そのこんぺいとうを見ながら、毎回のようにこう話すの。
―「おまえが大きくなる頃には、宇宙ステイションが出来てて、
誰もが宇宙に行けるようになってるんだろうなぁ」って。
なんとも宮沢賢治らしいエピソード。
フォン・ブラウンも、宮沢賢治も、
研究者と作家という立場の違いはあるけど
どちらも強く宇宙に想いを馳せた人。
フォン・ブラウンは人のお金で宇宙ロケットを作り、
宮沢賢治は実家にこもって大好きな宇宙を研究して作品にした。
わがままになるのが怖い奴に宇宙は拓けねェさ――星野五郎(プラネテス)
わがままに、まっすぐに、
好きなものに打ち込んできた人の話は、
なんて魅力的なんだろう。
脚色されてたとしても、まーそれはそれで。
今回のフォン・ブラウンさんの話、私なりにめっちゃ脚色してるのでー。
うのみにしないでねー。
UTDN-0027