悲しい遊び | 樋口舞の万年少女日記

樋口舞の万年少女日記

~恋と音楽と着物と猫の日々~

今日の

悲しい遊び

それは

「かくれんぼ」である。


小学生の頃、

近くの団地で

友達とかくれんぼをしていた。

私は1階の階段下の
小さなスペースに隠れた。

広い団地だったのと
たまたまうまく隠れられたのとで、
なかなか見つけに来ない。

結構な時間が流れたが、
辛抱強さが裏目に出てしまい、
辺りが暗くなり始めたのに
気づいたのが遅かった。

それからすぐに雨が降ってきた。

突然襲ってきた焦りと恐怖に押されて
私はやっと外に飛び出した。

そのまま家に帰れば良かったのだが、
土砂降りの雨と暗い空
そして置いてけぼりの小さな小さな私。

その光景を一瞬俯瞰で観た時に
どこか酔ってしまったのだと思う。

私は雨に濡れ、泣きながら
誰もいなくなった団地の広場で
踊っていた。(両手を広げていた・笑)

今思うと、わけがわからないが、
子供の頃はこーゆー事をよくやっていた。

完全に

自分の世界である。

寂しさと快感で

不思議な気持ちになり、

酔いもピークに達した時



「舞ちゃん!」



大きな声がして我に帰った。


母である。


自転車で
私を探しに来たらしい。

母が
「なんかここにいる気がして」

と言ったのを聞いて
その霊感めいたものに驚いた。

私はその団地では
ほとんど遊んだ事がなく、
親しい友達は
そこには住んでいなかった。

そして

遅くなったというのに、何故か
あまり心配そうではなかった。

もしかしたら

泣きながら踊っている私が
楽しそうに見えたのかもしれない。


恥ずかしさと嬉しさで
いっぱいだった。

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今日の天気は
その日を思い出す様な
お天気です。


好き午後を。

またね。