デッサン(用具揃え) | 唄のイラストブログ

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 こんにちは。前回のブログを描いてから、気合いを入れて絵を頑張り直そうと思った矢先にまた若干体調を崩してしまいました。気合いが空回りしていますね。
 今日から個人的デッサンの簡単な始め方を書かせて頂こうかなと思います。ただ、私は真剣に美術をやっているわけでは無く、あくまでイラストを描く際に必要な知識と技術としてのデッサンについてになります。美術の道に進まれる方は参考にしないほうが良いです、美術系の予備校に行きましょう。
 気軽に絵を始めて頂きたいので、高い道具や専門的な知識については省いて行きます。今回は最低限必要な用具の話。

 その前に、前提としてデッサンとは何か、をもう少し噛み砕いてお話致します。


 「デッサン」と一言で言う時、そこには大体二通りの意味があります。
 現実にあるものをひたすら正確に紙に描き写す、観察力のトレーニングとしての絵、という意味が一つ。
 もう一つは、絵全般に関して、現実の物と比べた時どれだけ正確に描けているか、というものさしとしての意味です。これを「デッサンが取れている」「デッサンが崩れている」というような言い方をすることがよくあります。正確に描けている=デッサンのとれた絵というわけですね。

 ここから分かるように、デッサンとは上手い絵を描くための技術や練習法というよりは、どれだけ現実にあるものを正しく見て描けているか、という「正確さ」「観察力」を重視する概念だと言えます。これに平衡して存在しているのが「デザイン」という言葉で、こちらは発想やイマジネーションをどれだけ相手に伝えられるかという能力のこと。
 基本的にこの二つは分けて考えられることが多く、ただどちらも絵を描く上で大変重要な概念とされています。

 とはいえそんな複雑なことはとりあえず置いておきます。リアルな絵(デッサンの取れている絵)とデザインの優れている絵は必ずしもイコールではない、ということだけ頭のどこかに入れておいてください。


 さて、道具を揃えて行きます。

 まず筆記用具ですが、鉛筆と消しゴムがあればデッサンを始めることが出来ます。鉛筆にはデッサン用のメーカーの、少し高価なものもあるのですが、とりあえずどんなメーカーのものでも描くことは出来ます。6Hから7Bまでの、一通りの硬さの鉛筆を揃えるのが定石ですが、はじめはどの鉛筆メインで描けば良いか迷うと思うので、Bと2H、2B辺りの鉛筆がそれぞれあれば良いかなと思います。

 なぜたくさんの硬さの鉛筆を使い分けるか、ですが、実際に使ってみると分かるのですけれど、6Hの鉛筆で7Bと同じ濃さの線を引こうとするとかなり強く紙に押し付けることになります(というかほぼ不可能なのですが…)。すると紙の表面を傷めてしまい、消しゴムなどで消そうとしても跡が残ってしまいます。逆に、7Bで6Hと同じ濃さの線を引くことも握力の関係でとても難しい。
 基本モノクロで現実にあるものの色や形を表現しなければならないデッサンでは、とても繊細な明暗の調節が必要になります。そのとき、鉛筆の硬度に頼るのが現実的ですし、この濃さの線はこの硬さの鉛筆なら引ける、という基準を設けておくと大変分かり易いのですね。


 次に消しゴムですが、一般的にはプラスチック消しゴムのほかに、「練りけし」という消しゴムを使うことが多いです。練りけしは消しかすの出ない消しゴムであり、また指先で練ることで様々な形に変えることが出来ます。これらの特徴から特に「消しゴムで描く」という技術を用いる際使われます。
 プラスチック消しゴムに比べるとやや高価ですが、これは買っておくと良いかも。画材店や、現在ではネットの通販などでも購入できます。


 次に、紙。コピー用紙でも良い、と言いたいのですが、ここはできれば画用紙を使いたい所です。高価なものでなくても良いので、厚みのある何度消して描いてもヨレにくい紙を揃えておきたいですね。
 そして、もう一つ重要な道具が「カルトン」です。難しい言い方をしていますが「画板」です。学校の美術で使う、紙を固定しておける板ですね。これが必要なのは、基本的にデッサンでは紙を膝と机の角に立てかけて斜めの状態にして描くからです。紙を机の上に直に置いた状態では、目の位置から紙の上部、下部への距離がそれぞれ異なります。すると変な遠近がついてしまい、正確な描画が出来ないのですね。そこでカルトンを使って角度を調整し、目線に対して垂直になるよう紙を立てかけます。


 大体これくらいの道具が揃えば十分だと思います。ここまでの説明を観ただけでも、「気軽に絵を始める」感じでは無いんじゃないかなと思うのですが…基本と言われることなのでひとまず一通り説明させて頂きました。
 次回から実際に私も描きながらデッサンの技法に関して説明して行こうかなと思うのですが、とりあえず次回はカルトンも練りけしも使いません。画用紙一枚と鉛筆だけで始められるように書いてみようかなと思います。実際にその技法を試してみて、そこから先に進むかどうか判断して頂ければ、と…。


 今日も絵を張り付けてみます。ネットをやっているといろんな絵描き様の絵を大量に拝見することが出来るのですが、それだけに自分の実力をまざまざと思い知らされて凹みます。現状自分のイラストはまだまだ硬さが取れておらず、今回説明したデッサンも崩れている(正確さが足りない)ので、やはり勉強が必要ですね…ひとまず今年度いっぱい頑張って基礎をやり直したいです。