長新太作品のみを取扱いネット古本店みみず書店
店主のうしじまひろこです。
岸田衿子さんが文を書かれ、長新太さんが絵を描かれているあかちゃん
えほんシリーズ(ひかりのくに)について調べてみました。
まず、いちばん古いと思われる『あかちゃんのえほん』シリーズ
(1970年・1972年出版)。
ボードブック(固い厚手の紙を貼り合わせて作られた本)です。
次に、1992年出版の『あかちゃんのえほん』シリーズ(上製本)。
1970年・1972年、1992年出版の『あかちゃんのえほんシリーズ』は、
『さんぽだいすき』
『うみ』
『ぞうのパンやさん』
『みんなにげた』
『もしもし』
『りんごあかくなーれ』
『ぼーるがころころ』
『おもたいなあ』
『あのこはだーれ』
『くつしたがにゅー』
の計10冊ですが、撮影できた本はそれぞれ5冊、8冊のみでした。
1992年版出版の際に、本の材質(ボードブック→上製本)、表紙絵が変更
されています。本編のレイアウトには多少変更があるものの、確認できた
限りでは本文に変更はありませんでした。
百年(武蔵野市)さんのショッピングサイトに、1970年・1972年版の
上製本のような本が掲載されていたのですが、詳しい説明書きはなく
ボードブックと上製本の両方が存在したかどうかは不明です。
図書館の蔵書にもない本があり、歴史を感じます。
次は、2006年出版の『えほん🍓あかちゃんへ』シリーズ
1970年・1972年、1992年出版の『あかちゃんのえほん』シリーズは
10冊だったのですが、2006年出版の『えほん🍓あかちゃんへ』シリーズは、
『うみ』と『ぼーるがころころ』の2冊のみになったようです。
いろいろ調べてみても、こちらの2冊しか確認できませんでした。
表紙が、1970年・1972年版と同じ絵に戻っているのはおもしろいですね。
本文は、擬音など、1970年・1972年、1992年版とは少し違う部分があり
ました。
現在、ひかりのくにより販売されているあかちゃんえほん(文・岸田衿子
絵・長新太)は、2016年に出版された『あかちゃんとよむえほん』シリーズ、
こちらの2冊です。
『みんなにげた』の表紙は、1970年版のものと同じということが
トムズボックス(杉並区西荻北)さんのショッピングサイトで確認
できました。ということは『さんぽだいすき』の表紙も1970年版のものと
同じなのかなと思っています。1970年版の『さんぽだいすき』は、
絵本自体も画像も見つけることができませんでした……。
1970年~の全てのシリーズの中で初めて、こちらの2冊の奥付ページには、
作家のことばとして、岸田衿子さんと長新太さんからのメッセージが掲載
されています。
50年以上も愛されている岸田衿子さんと長新太さんの作品。
『さんぽだいすき』にはズック、『もしもし』には黒電話
(絵本のなかの電話は緑色ですが)が登場し昭和感が漂い、
『みんなにげた』にはカラフルな虫がいっぱい。
『りんごあかくなーれ』や『おもたいなあ』には、かわいらしい
くま、ねずみ、うさぎ、さる、ぶた、ぞう、かいじゅうまでも。
『くつしたがにゅー』はナンセンスな展開。
すこしのことばとシンプルで色あざやかな絵のあかちゃん絵本。
ほっこり、のんびり、かわいくて、笑顔になれて、いいですね。
ずっとずっと昔、あかちゃんだった方へもおすすめです。
こちらの記事を書くにあたり、福岡市総合図書館の蔵書(画像の一部は
お借りした絵本を撮影)や古書・古本を取り扱われているトムズボックス
さん、百年さん、Frobergue(台東区蔵前)さんのショッピングサイトも
参考にさせていただきました。
ありがとうございました。
トムズボックスさん、百年さん、Frobergueさんのショッピングサイトへも
遊びに行ってみてくださいね。楽しいですよ。
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