隣席の男おいどん | 「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

潜在意識の働きで、あなたは「スーパーなあなた」になるのです。そのための素材・方法も実はあなたの手元にすでに多くあります。ここでは、あなたがそれを見出し、活用するお手伝いをいたします。胎児(あなた)は、胎児(あなた)の夢により進化します。

懐中温泉です。

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心より感謝いたします。


隣席の男おいどん

男おいどんと、
真夏の電車で隣合わせてしまったら。



男おいどんを知る人は
今や少ないだろうと思います。

https://youtu.be/MurpvuxJKnQ

そうですね。

1970年代後半から
1980年代に活躍したキャラクターです。

松本零士氏が少年マガジンに
連載した『男おいどん』。

本名は大山昇太(おおやまのぼった)

鹿児島県から立身のため、
大志を抱いて上京し、
その当時典型的な学生下宿館に
入居します。

眼鏡で短軀。

顔はまあ、典型的なアジア人。

チビ

ガニマタ

メガネ

サル

もしかすると、昨今では
差別用語として使えないような
表現が、すべてカタカナで表記されます。

冴えない容貌として
扱われているのですね。

性格はおおらかな快漢で、
豪放磊落といっていいでしょう。

しかし
プライドは高い。

今は夜間高校に通っているが、
やがては大学に行き、
出世する、つもりでいます。

もっとも、昼間のバイトが
不定期で、さらになにしろ漫画ですので、
しょっちゅうハプニングが
起きて、収入も枯渇しがちです。

が、明日のために、
今日も寝るのだ、と
ときに頬に涙しながら、身体を丸めて
寝たりもする。

もちろん、ひがんだり、
恨んだりもします。

毎回、
モデル級のプロポーションの
女性が登場しますが、
常にふられ続ける。

いけすかない、
ハンサム、高身長・
高学歴野郎にその素敵な女性たちを
奪われてしまうのでした。

総じて、
読者の共感をつかみやすい。

また、これも彼の特徴ですが、
サルマタケというキノコを
下宿で自分が暮らす四畳半の押し入れで
養殖しています。

意図して養殖しているのでは
ありません。

サルマタ

これは、フンドシに対して、
より簡易な男性用下着としてある
もので、今で言えば、
トランクスの材質のペラペラなやつ。

といったあたりでしょうか。

概ねシマシマです。

なぜか、鹿児島の実家から
食べ物は送られてこずとも、
このサルマタだけは送られてくるので、
大量にあり、つい洗濯を怠ってしまう。

押し入れは1つなので、
未使用のものと使用済みのものが
一緒くたに入っています。

その使用済みのサルマタに
キノコが生えてくる、という
わけです。

果たして食用かどうか。

食べることはできるのですが、
食後、どうも妙な腹具合になる。

そんな噂もちらほら。

まあ、それはいいのですが(笑)

問題は、インキンタムシです。

これは、陰部である股などにできる
皮膚病の俗称です。

まさに青年男子に多くみられるもので
おいどんはこの方面でも読者の共感を得るために
あえてこの皮膚病にかかります。

漫画の表現からすると、
ゼニタムシが主のようです。

輪型でまだらの白癬、
すなわち一種のカビなので。

なぜこういったものが
発生してしまうのか。

信じられませんが、
おいどんは、風呂嫌いなのです。

そうでなくても、
男やもめにウジがわく、という
くらいなので。

押し入れにサルマタケが
密集して生えるような季節には、
当然、本人の陰部にも
インキンタムシが発生します。

マセトローションという、
これまた実家から送られてくる
治療薬を塗り込むことで
対処するのですが。

押し入れにはキノコ。

本人の股には
タムシ。

しかも風呂嫌い。

となれば、
足の方にも疑いの眼を
注ぎたくなる。

そう、水虫です。

ところが、おいどんは、平素、
下駄履きなので、その点は大丈夫のはず。

下駄履きですと、
風通しがよく、水虫になりにくい。

長い説明になりましたが、
私が先日、首都圏の電車に乗っていた
とき、電車はボックス形式ではなく
長椅子方式の方でした。

椅子に腰掛け、右1メートルほど、
誰も座っていない状態でしたが、
新たな駅で乗り込んできて男性が
1人分、スペースを空けて座りました。

足を組み、素足で
ローファー靴を履いている
のが横に見える形です。

そのうち、裸足で履いている
ローファーの右足の方を
脱ぎ、5本の指を使って、
指の間からかかとまで、くまなく掻く。

見れば、若干体重があるようでしたが、
その男性は、要するに
男おいどんのような外見であったからです。

違いというと、下駄履きではなく、
ローファーを素足で履いている。

少し太り気味の男おいどんが
ローファーを裸足で履いていて、
その足をぼりぼり、
遠慮なく掻きまくっている。

この動作に入ったとき、
私は先の彼の素性を思い出したのです。

そのうちに、
彼は、今度は左足の靴を脱いで
同じことをしています。

私は、1人分間が開いている、
そのスペースをなるべく広げるように
じりじりと左に腰を移しました。

目の前の座席には上品なご家庭である
ことがわかる、若くきれいなお母さんと
可愛い子どもたちが姉弟で行儀良く
並んで座っています。

目の前の光景を、どのように受け止めて
よいかわからないような、
一種にぶい表情を揃ってしていました。

そのうち、先ほどまで
足を掻いていた手で、おいどんは
今度は自分の顔をあちこち
掻いています。

電車が揺れて、この小太り
男おいどんがこちらに倒れてきて、
倒れまいと、手で触ってきたら。

危機感を覚え、幸い、
あと二駅で降りる、というところで
立ち上がり、出口の近くで降りるまで
立っていました。

無事降りることができ、
ほっとしていると、なんと
そのおいどんも同じ駅で降りてきます。

狭いプラットホームでの
乗降客の雑踏のなかで、
ふたたび彼の近接は避けたい。

少し立ち止まり、彼が行き去るのを
待ち受けますが、ご丁寧なことに
彼は自動販売機で飲み物を
買っています。

あの手で、コインを入れ、
飲み物選択のボタンを押し、
飲み物を自販機から取り出す。

せめて彼が下駄履きであったなら。

残念です。

あなたも、もしも、
男おいどんを見かけ、
もしもローファーを裸足で履いているのを
見かけたら。

どうするかは、わかりますね。


ご精読ありがとうございました。

懐中温泉