本ブログをご訪問いただき、
心より感謝いたします。
私はかつて身体を売っていました。
ただ、その売り方は
もっぱら消化器官を中心に
売るものでした。
私は、友人であるウェールズ人栄養学
専攻大学院生であるジェイムズの招きで
留学費用が尽きた後、彼の属する栄養学研究所に
身を寄せ、1年以上過ごしました。
そこでは、信用できる
被験者として私も極力誠実に
対応しました。
彼等にとって、最高級珍味である蚊の目玉
と同じくらいに価値のある、
大小の排泄物を間違いなく提供しました。
ときに、ラジオ発信器をも飲み込み、
1本の消化器官である私の身体を
通り抜ける栄養物の状況を知らせた
こともあります。
このときは、ワインを飲み、
ステーキを食べる実験でした。
栄養学研究所の実験は、
概ね、いくら食べてもいい、
というスタイルです。
赤ワインは健康を損なわない程度
すなわち、成人の適量
ボトル半分より少なめでグラス2杯
ステーキは10センチの立方体の
肉塊を与えられました。
ただ、これは、実験室に籠もるもので、
雰囲気としては囚人が食事を
与えられる感覚に近いです。
特別な実験室で、全エネルギーの
算定ができるように宙づりに
なっており、酸素が送り込まれ、
出される二酸化炭素の量が測定されます。
熱量が実験する側からすると
重要なので、それも測られます。
定期的に、室内の自転車式ダイエット
運動器具で、運動し、睡眠も
中の簡易ベッドでとります。
一応、空調設備はついていたのですが、
排泄のたびに臭いが少しこもるのは
残念でしたし、空調の音も大きく、
寛ぐには慣れが必要でした。
私は最長3日間でしたが、
1週間の実験もありました。
人によっては、気軽に応じて
部屋に入り、戸が閉められた途端、
自分が実は閉所恐怖症であることを悟り、
急遽実験がキャンセルとなることもあったのです。
そういうときには、私がリリーフをしたり
してそれなりに貢献しています。
味付けの工夫は、もっぱら、
黒こしょうで行いました。
工夫と言っても、
ペッパーミルに入った黒こしょうを、
がりがり削って振りかけるだけの
ものでしたが。
なにしろイギリスであり、
概ね質実な味付けなので、
単調になりがちな大量の食事を
そうした工夫でこなしたのです。
通常は、だされたものを
つべこべ言わずに食べる、というのが
イギリスの伝統でしたから。
困ったのが、マーマレードです。
炭水化物関係ので、食パンとともに
マーマレードが80グラムから100グラム
つくものです。
ジェイムズの指示で
全部食べなくてはなりません。
コップ半分以上あるマーマレード
なんでも食べる私ですが
実のところマーマレードは
あまり好みません。
甘くなければ、他の料理にまぜたり
するのですが、どうもうまくいかない
やむなく、そのままスプーンで
食べたり、お湯でとかして
飲み物として飲んだり
紅茶が認められるときには
マーマレードの方が多いくらいの
マーマレード・ティーにしたり
記憶から消していますが、
数回、「間違って」水に流して
しまったことがあります。
マーマレードはなかなか水に流れず、
「間違って」という設定が
間違っていたことがわかりました。
しぶといマーマレードでした（笑）
今ここに懺悔します。
しかし、これは被実験者仲間では
ごく当たり前のことだったのです。
私はジェイムズへの義理があり、
なるべく食べるようにしていたのですが。
トーストは基本的にジャムを
用いないので苦労しました。
いつのまにそうなったのか。
マーマレードの懺悔
私は、完食すべきマーマレード80グラムを
食べずに流したり、捨ててしまったことが
あります。
申し訳ありませんでした。
でも紅茶に溶かして飲んだときは
まあまあ飲めました。
ジャムだったらロシアン・ティーですね。
いや、マーマレードでもいいのか。
ロシアン・テフィー作り方
ステップ１
紅茶を用意する
ステップ2
ジャムを用意する
ストローベリー・ジャムが一般的
ステップ３
紅茶にジャムを溶かして甘味とし
飲む
あなたが、もしもマーマレードを
用いてロシアン・テフィーを飲まれれば、
それは私の罪つぐないに貢献します。
ご精読ありがとうございます。
懐中温泉