1本の消化器官として | 「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

潜在意識の働きで、あなたは「スーパーなあなた」になるのです。そのための素材・方法も実はあなたの手元にすでに多くあります。ここでは、あなたがそれを見出し、活用するお手伝いをいたします。胎児(あなた)は、胎児(あなた)の夢により進化します。

懐中温泉です。


本ブログをご訪問いただき
心より感謝いたします。


栄養学研究所に滞在中は、
さまざまな実験に関わりました。


関わったといっても、被験者でしかないので
せんじつめれば、ただ1本の消化器官
としてあるだけでしたが。

もちろん、私は、留学費用の切れた
私に居場所を与えてくれた栄養学
専攻大学院生ジェイムズの信頼に応えるため
誠実に消化器官としての役割を果たしました

消化器官としての誠意とは
出されたものをすべて食べ
適度に運動し、排泄することです。

ごぞんじの通り、
栄養の三大要素として

炭水化物
タンパク質
脂肪

があります。
近年のダイエット術も、
もっぱらタンパク質ないし
炭水化物の覇権争いが続いているようです。

もちろん、栄養物が争っているのではなく、
研究者・学者たちが争っている
だけなのですが。

われわれは、最初から
結論を知っています。

なんでも、バランス良く
食べること

そして、早寝早起き
腹八分

よく歩いて、働いて
休み、寝る

これだけを守ればいいのです。

しかし、この誰もが知る
事実をほとんどの人が
できていないので栄養食品が
昨今、これだけ幅を利かせているのです。

その潮流に乗り、食品会社が
新製品を作り出そうと、
私の住まう栄養学研究所にも
様々な研究開発を求めてきたのです。

とくに和食が健康にいい、と
いうことがよく話題になるころで
ライスを食べる実験はよくやっていました。

私の友人であるジェイムズが実は
炭水化物派で、同じ研究所内の
タンパク質派と、よく議論していました。

彼の紹介で入ったので、炭水化物
を食べる実験が多かったのは
無理もありません。

一種の炊き込みご飯を
食べる実験が標準的でした。

ただし、どうも日本の炊き込み
ごはんのようではなく、
ピラフでもなく、
パエリアでもない。

そのどれでもないが、
それらのあまり評価のできない点を
混ぜ合わせたような味でした。

最初はいいのですが、
飽きるんですね。

日本人ですから
ご飯食いの専門家(笑)として、
どうも味の評価は辛口でした。

しかし、そこはイギリスなので、
味は、まあ食べられればいい
edible(エディブル)であればいい、
というところがありました。


文句があるなら、塩はいかんが、
ブラック・ペッパーならいくらでも
使っていいから、これで自分の好み
に調整しろ

ジェイムズがそういうので、
私も、味付けを少しでも工夫しようと、
ガリガリとペッパーミルを忙しく回転させ
大量の黒胡椒をかけて食べていました。

数週間毎にたつと、セッション休暇ということで
消化器官を休ませる時期がありました。

その間は何を食べてもよく、
私は、手に入る日本食材などを
求め、押し寿司を含め手巻き寿司パーティ
を開催したことがあります。

米の扱い方を示すつもりでした。

まだ、回転寿司チェーン店が
欧米に入る前の頃で、
SUSHIというものを生まれて初めて
食べると言う人も栄養学研究所にも少なからずいたのです。

まず、寿司というものは
楽しいものである

そして、日本食は器で
食べるというように
目で味わうようにする

ゆでエビ・スモークサーモン(オレンジ)
カニかま(赤)
きゅうり(緑)
ハム(ピンク)
さばの燻製(茶)
卵焼き(黄)

これらを華やかにディスプレイして
あとは、このようにして食べるのだ
と実演します。

とくに、慣れない向きもあるだろう、
とオーロラ式、も伝えました。

これは、遠洋漁業に従事する
漁師さん達が開発した、と
説明し、伝え聞いたレシピ通り、
醤油とマヨネーズを半々くらいで混ぜ合わせます。


これは、寿司を生まれて初めて食べる
という人々にはとくに好評でした。

しかし、こんな風に説明しても
醤油をだぶだぶかけて、そこに
シャリである寿司米をたっぷり
ひたし、わさびを大盛りにしている人もいます。

確かにイギリスにもロースト・ビーフを食べる
ときなど、ワサビの一種であるホース・ラデッシュを
付け合わせます。

日本のわさびの3分の1くらいの
効き方ですので、たっぷり使っても
大丈夫です。

その感覚で緑も鮮やかなわさびを
たっぷり、しかも醤油もロースト・ビーフに
かけるソースの感覚でだぶだぶと...

目を覆うばかりで
大丈夫なのかな、と見ていると
案の定ヒイヒイ涙を流しています。

私がいて、正しい食べ方を今一度
教えて、次からはきちんと食べて
依然涙が出ていましたが、
今度は満足していました。


実は、最近のイギリスの子供向け
番組内でゲームをし、負けると罰ゲームで
SUSHIを食べる、という企画を
しているのを観たことがあります。

なにを食べさせるのかと見ていると
イクラ・ウニの軍艦巻き
タコ・イカ
アワビ
などです。

見かけはなるほど初めて見る子供には
グロテスクで気味が悪かったり
して、罰ゲームとしてわからないでも
ないのですが、少し腑に落ちないところもありました。

かつてと違い、ロンドンや主要都市で回転寿司も
ファッショナブルなカフェーと隣り合って開かれ
子供でも寿司は高級食として知られ始めている
頃だったからです。

食べ慣れている子供が
いても不思議でもありません。

しかし、食べた子供が
ひー、と言って泣くようにしているので
たっぷりのわさびが仕込んであったと
知ったのです。

その制作ディレクターは
おそらく、最初のSUSHI
体験で上記のような強烈な
わさび洗礼を受けていたに違いありません。

あまり、良い趣味とは言えませんが。


ともかく、栄養学研究所で
正当なる米の食べ方を栄養学研究者に
伝授したことは、消化器官としてのみ
存在していた私としても大きな食文化への貢献を
したとみなしても良いのではないでしょうか。

その後、ほどなくして、
ヌーヴェル・イングリッシュ・クウィズィーン
すなわち、「イギリスの新たな味」躍進が
始まるのです。

もちろん、それは、EUにより、
ヨーロッパ内での自由な労働力移動と
食材の普及が主な理由です。

それでも理想的な食事の姿・イメージが
味覚とともに関係者にも伝わる
契機の1つにはなったかとひそかに自負する
ところがあります。

しいていうと、寿司酢を使った
寿司飯、寿司というものは、
炭水化物としては、意外にカロリー
が高いものです。

しかし、牛丼Beef Bowlが健康食として
アメリカなどで人気を博していることから
すればまだまだ可愛いものとも言えるでしょう。

したがって、現在でも、この寿司パーティ
を手作りすれば、楽しさと健康と
なによりも味覚の広がりを伝授する
行為として、価値がある。

このように受け取られること間違いありません。

日本は価値を提供する国になるのです。


ご精読ありがとうございます。


懐中温泉