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黒瀬友里

黒瀬友里ブログです。

イラク戦争を描いた映画
『ウォーフェア』を観ました。

しかも、圧倒的な没入感と音響体験で知られるベスティアで。
――よりにもよって、です(笑)


上映の途中、私は思わず声を上げてしまいました。

自分でも驚くほど、抑えきれない叫びでした。

暗闇に包まれた劇場で
恥ずかしさを感じるよりも早く
恐怖が身体の奥深くまで一気に突き抜けていったのです。

この映画には、いわゆる「物語」と呼べるものがありません。

あるのは、ただ脱出。
一度、失敗する。
もう一度、挑む。
そして、成功する。

それだけの出来事。

——それなのに、不思議なほど目が離せない。

観る者を飽きさせないための工夫と覚悟が、随所に息づいています。

気づけば私は、
戦場中に放り出された感覚の中にいました。


精神が、少しずつ、
それでいて確実に、削られていく感覚。


『シビル・ウォー』の監督だと知り、
妙に腑に落ちました。


しかも今回は、
実際にその戦地にいた人物が、共同監督として名を連ねているというのです。

なるほど、と頷かされます。

これは想像ではなく、記憶。
だからこそ、この作品は
「映画」というより、限りなく追体験に近い。

戦争は、これほどまでに恐ろしい。

頭では理解していたはずの事実を、
この作品は、容赦なく身体に刻み込んできます。


そして、思わずにはいられません。


結局、犠牲になるのはいつも国民であり、
尊い命は、まるで使い捨ての道具のように、無意味に消費されていくのだと。


あのような地獄は、
映画の中だけで、もう十分です。


劇場を出たあとに耳にした、東京の喧騒。

その騒がしさが、今は何よりも愛おしく感じられました。

当たり前の日常が
どれほど尊いものなのかを
静かに、深く、思い知らされながら。