最近、いじめ映像が、いとも簡単に広がっていくのを目にします。
狭い空間で、逃げ場もなく、殴られ、蹴られる――
言葉を失うとは、こういうことなのだと、改めて思わされました。
率直に言えば、胸糞が悪いです。
これ以上ふさわしい表現が見つからないほどに。
先日、いつものマッサージ店でのこと。
うつ伏せになり、張りつめた肩を丁寧にほぐしていただきながら、
私はふと、背中越しにこんな問いを投げかけていました。
「いじめを受ける子は……
何か武道のようなものを習ったほうが、いいのでしょうか」
担当の方はすぐに答えず、
一呼吸置いてから、静かに話し始めてくださいました。
子どもの頃、極真空手を習っていたこと。
ある日、道場に、いじめに苦しんでいる少年がやって来たこと。
そのとき師範は、少年にこう告げたそうです。
「一年間、空手を習っていることは、誰にも話してはいけない」
一年後。
再び五人に囲まれる出来事が起きたとき、
少年は初めて、自らの力を使いました。
結果は――
五人全員を退け、それ以降、いじめは嘘のように消えたのだそうです。
「まるで漫画のようですね」
思わず、私は言いました。
けれど、
現実というものは、ときに物語よりも単純で、
そして残酷で、同時に救いもあるのかもしれません
本当の強さとは、
声高に誇るものではなく、
静かに自分の内側で育てるもの。
そしてそれは、
誰かを傷つけるためではなく、
自分を守るために
そっと差し出されるものなのだと――
そんなことを、帰り道の空を見上げながら考えていました