※2025/4/30に続編を公開しました!
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「26100.1742」というブログで、2024/10/2にリリースされた「Windows 11 24H2」のインストールメディアのOSビルドが近いうちに上がるだろう、という意味のことを書きました。
案の定、Windows 11 24H2のインストールイメージは、2024年末か2025年初に置き換えられていました。
気になっていた点が修正されていたこともあり、改めて、誰でも判る「Windows 11 24H2のクリーンインストール」の手順を、ステップバイステップでご紹介させていただきます。
まずは、インストールメディアの作成からです。これは、現在使用しているPCで行います。
8GB以上のUSBメモリを準備して、USBポートに挿しておきます。
「Windows 11のダウンロード」のページにアクセスします。
少し下の「Windows 11のインストールメディアを作成する」の「今すぐダウンロード」をクリックします。
ダウンロードしたモジュール(mediacreationtool.exe)を実行すると「適用される通知とライセンス条項」が表示されますので、「同意する」をクリック。
「言語とエディションの選択」は「次へ」。
「使用するメディアを選んでください」は、「USBフラッシュドライブ」を選択して「次へ」。
「USBフラッシュドライブを選んでください」では、対象のUSBメモリが表示されていることを確認して「次へ」。
「Windows 11をダウンロードしています」でインストールイメージがダウンロードされ、USBメモリに書き込まれます。
しばらくして、「USBフラッシュドライブの準備ができました」でインストールメディアが完成します。「完了」をクリック。
終了処理が行われて、プログラムが終了します。
作成されたインストールメディアの中身を見てみましょう。「ESD-USB」というボリュームラベルが付けられています。
プロパティで「使用領域」を見ると、「4.64GB」であることが判ります。別に見なくてもいいですが。
さて、ここからがWindows 11 24H2のクリーンインストールです。
これまで、Windows 10のPCを使用していたが、Windows 11のシステム要件を満たした中古PCを買って、せっかくなので最新バージョンのWindows 11をクリーンインストールしてくれよう、といったシチュエーションを想定しています。
実際に、今回使用するのは、私が中古で買ったPCです。
対象のPCにインストールメディアを挿し、PCに合った方法でUSBメモリから起動させます。
私が使用したPCの場合は、電源ボタンを押して「F12」キーを押すことで「Boot Menu」が表示され、ブートデバイスを選択できるようになります。
「USB Memory」を選択すると、USBメモリから起動します。
Windows 11 24H2のインストーラーが起動します。
「言語設定を選択」ではそのまま「次へ」。
「キーボード設定を選択」では「キーボードの種類」を変更します。右端の下矢印をクリックして、「日本語キーボード(106/109キー)」を選択します。
変更出来たら「次へ」。
「セットアップオプションの選択」では「ファイル、アプリ、設定など、すべてが削除されることに同意します」にチェックを入れて「次へ」。
もし次に「プロダクトキーを入力してください」が表示された場合は、「プロダクトキーがありません」をクリックします。
そして、そのPCにライセンスされているエディションを選択して、「次へ」をクリックします。
通常は、この2つの画面は表示されず、自動的にエディションが判断されてインストールされます。
「適用される通知とライセンス条項」では「同意する」。
「Windows 11をインストールする場所の選択」では、ディスク0のパーティションをすべて削除していきます。
※PCのハードウェア構成によっては、ここで追加のドライバーをインストールしないと内蔵のディスクが見えない場合があります。その場合は、一旦諦めましょう。
「パーティション1」からでなくてもいいのですが、パーティションを選択して「パーティションの削除」をクリックして削除します。クリックしてから削除が完了するまでに数秒を要します。
「ディスク0」のパーティションをすべて削除して、下のような状態になったら「次へ」。
「インストール準備完了」は確認して「インストール」をクリック。
インストールが開始されます。
途中、PCが再起動されるなどしてインストールが進み、下のような画面が表示されたら、インストール完了です。
ここからはWindowsの初期セットアップです。
「Out-of-Box Experience」を略して「OOBE(ウービー)」と呼んだりします。
ここで、[Shift]キーと[F10]キーを同時に押して「コマンドプロンプト」を起動します。
マウスでコマンドプロンプトのエリアをクリックして、キー入力可能な状態にしてください。
「oobe\bypassnro」と入力して[Enter]します。
「cd oobe」[Enter]とやったあとに「bypassnro」[Enter]とやるのでも構いません。
自動的に再起動して、OOBEの初期画面に戻ります。
「oobe\bypassnro」は、インターネット接続無しにローカルでWindowsをセットアップするためのコマンドです。
必須ではないのですが、手順をシンプルにするためのものだとご理解ください。
「国または地域はこれでよろしいですか?」は「日本」が選択されていることを確認して「はい」。
「これは正しいキーボードレイアウトまたは入力方式ですか?」は「はい」。
「2つ目のキーボードレイアウトを追加しますか?」は「スキップ」。
「ネットワークに接続しましょう」は「インターネットに接続していません」をクリックします。
上の「oobe\bypassnro」をやっておかないと、この選択肢は表示されず、インターネット接続しないと初期セットアップが進められないのです。
「このデバイスを使うのはだれですか?」では適当なアカウント名を入力して「次へ」。今回は「1」にしました。
「確実に覚えやすいパスワードを作成します」では何も入力せず「次へ」。
「デバイスのプライバシー設定の選択」では「次へ」をクリックして、下へスクロールします。
「次へ」が「同意」に変わるのでクリック。
少しの間、下のようなメッセージの画面が表示されます。
デスクトップ画面が表示されたら、初期セットアップは完了です。
インターネットに接続していないため、メニューのアイコンがほとんど表示されていません。
ここからは、クリーンインストール後の調整です。Windows Updateがメインです。
Windowsボタンを右クリックして表示される「クイックリンクメニュー」から、「システム」をクリックします。
Windowsのバージョン情報が表示されます。
「OSビルド」が「26100.2033」になっています。
インストールメディアにはシールに「26100.2033」と書いて貼っておきましょう。
ここでは説明しませんが、インストールメディアはインストール以外にも活用できます。
同様に、「デバイスマネージャー」を起動します。
ビックリマークの付いたデバイスがまだたくさんあります。
「ネットワークアダプター」の下を見てみましょう。この機種の場合、有線LANも無線LANもドライバーが読み込まれていますので、有線を接続したり、無線でアクセスポイントに接続するなどして、インターネットに接続することができます。
有線LANも無線LANもドライバーが読み込まれていない場合は、PCメーカーのWebなどからドライバーをダウンロードして準備しておきます。
面倒な場合は、Windows標準で認識できるUSB-LANデバイスなどを準備しておく、という方法もあります。
いずれかの方法でインターネットに接続します。
インターネットに接続した状態にしておくだけでも、上のビックリマークの付いたデバイスのドライバーはダウンロードされるのですが、結果は同じなので「設定」-「Windows Update」で「更新プログラムのチェック」をしましょう。
たくさんの更新プログラムが降って来ます。
時間はかかりますが、すべての更新プログラムが「ダウンロード」や「インストール」ではなくなるまでしばらく待ちます。
途中で「今すぐ再起動する」というボタンが表示されますが、再起動するとダウンロードからやり直しになって、余計に時間がかかったりするので、辛抱して待ちましょう。
「ダウンロード」や「インストール」が無くなったら、「今すぐ再起動する」をクリックします。
Windowsが再起動して、再度「Windows Update」を見ると、いくつかの更新プログラムが「再試行」で残ってしまい、先に進まなくなることもあります。
この場合、「更新の一時停止」で「1週間一時停止する」などにしてみます。
その後、「更新の再開」をすることで、うまくインストールが進んだりすることもあります。
「最新の状態です」になったら、Windowsの環境はドライバー類も含めて最新になっています。
「デバイスマネージャー」を見ると、ビックリマークの付いたデバイスは無くなり、綺麗になっています。
私は、過去に1機種だけ、この方法で「デバイスマネージャー」を綺麗に出来なかったことがあります。
その時は「Driver Booster」というツールを利用することで、必要なドライバーを入手することが出来ました。
「Windows Update」の「更新の履歴」で「ドライバー更新プログラム」の履歴を見てみると、かなり多くのドライバーがインストールされていることが判ります。
これによって「デバイスマネージャー」が綺麗になったわけです。
「システム」でバージョン情報を確認すると、OSビルドが「26100.3194」まで上がっています。この「OSビルド」はクリーンインストールを行う時期によって、より新しいものに変わります。
スタートメニューから「すべて」をクリックしてみると、「Realtek Audio Console」というアプリが追加されていることが判ります。
どういう仕掛けになっているのか判らないのですが、このようにストアアプリの中には、インターネットに接続しておくと、自動的にインストールされるものがあります。
もう少し調整をしてみましょう。
「Windows Update」の「詳細オプション」で「オプションの更新プログラム」を見てみます。
ドライバー更新プログラムの中に、PCメーカー名の入った「Firmware」というドライバーがある場合、BIOSのアップデートである可能性があります。
BIOSは最新バージョンにしておいた方がいいので、これをチェックして「ダウンロードとインストール」をクリックします。
この場合は、インストールしても再起動は促されませんでした。これはすでにこのバージョンのBIOSが適用されていることを意味します。再起動を促される場合は、再起動してBIOSをアップデートしましょう。
中古PCの場合、この「BIOSを最新バージョンに上げる」というところまでケア出来ているケースはまずありません。
Windowsのインストール状態も、案外適当だったりすることもあります。
このような点からも、Windows 11をクリーンインストールする手順を覚えておいて損は無いと思います。
ここまでで、Windows 11 24H2のクリーンインストールは完了です。
クリーンインストールとは直接関係無いのですが、一点だけ補足説明しておきます。
「設定」-「プライバシーとセキュリティ」の中に「デバイスの暗号化」というメニューがあります。
Windows 11 24H2をクリーンインストールした場合、PCのスペックに関係無く、基本的にこの設定が「オン」になります。Secure Bootを無効にしている場合など、例外ケースもありますが。
「デバイスの暗号化」の機能を理解して活用出来る自信が無い場合は、「オフ」にしておくとよいでしょう。
最後に、仕上げのご説明をします。
例えば、誰かに頼まれてその人のPCにWindows 11 24H2をクリーンインストールしたとします。
その人(ユーザー)にPCを返す時に、OOBEが完了した状態だと「何か怪しいソフトでも仕込んであるんでは?」と疑われる懸念がありますよね?
そんな事は思わないかも知れませんが、遠慮して口に出さないだけかもしれません。
そんなことを心配しなくて良いように、OOBEを開始する状態で返す方法があります。
「設定」-「システム」-「回復」で「PCをリセットする」をクリックします。
「すべて削除する」をクリック。
「ローカル再インストール」をクリック。
「次へ」をクリック。
「リセット」をクリック。
この後、リセットの処理が行われ、しばらくするとOOBEの最初の画面に戻ります。
ここで、[Shift]+[F10]で「コマンドプロンプト」を起動し、「shutdown /s /t 0」というコマンドを実行してシャットダウンして、ユーザーにPCを返却します。
ユーザーが電源オンすると、新品のプレインストールPCを買った時と同様にOOBEが開始されますので、ユーザー本人に初期セットアップをしてもらえばいいのです。
OOBEが完了すると、「デバイスマネージャー」は綺麗なままで、OSビルドも新しいまま、自動追加されたストアアプリも残っています。
快適な環境でWindows 11 24H2のPCが利用開始出来る、というわけです。
ちなみに、「デバイスの暗号化」を「オフ」にするなどの設定変更はリセットされて、「オン」に戻ります。
いかがでしょうか?くそ長くなりましたが、ここまで書けば誰でも「Windows 11 24H2のクリーンインストール」ができると思います。
「なんでこんな面倒なことすんの?」
大半の方はそう思われると思いますし、無理も無いと思います。
ただ、この手順を経験しておくと、Windows PCに対する自信や習熟感がグッとレベルアップすると思います。
実際には、旧PCからのデータの移行、アプリケーションのインストール、環境設定なども必要になりますが、その手順も整理しておくと良いでしょう。
是非一度トライしてみることをお勧めします。
おしまい