女の中では稀な事だった。
1回目から二回目の間は、
いつものように台所に立ち、朝ごはんを作り、
食べ終わったら片付け、
それからは洗濯物を回して干し、そして畳んで閉まった。
頭の中は空っぽだったが身体を動かすことで、
何も考えないようにつとめていただけだった。
何かをして気を紛らわせなければ身がもたない。
ある時の期間にそう過ごしていた事があるのか、
自分の頭か身体のどちらかが、
それを本能的に学び覚えていたのかもしれない。
ただ、やはり心はここにあらずで頭も霞みがかっている。
それでも身体は動いた。
躍動感、生命力、力強さ、そんなの一切ない。
あるのは、
二回目に落とされた新たな一杯目の珈琲 。
完。